文学

アメリカ南部アパラチアの子どもたちが、なぜヒーローに熱狂するのか?【翻訳の不思議】
「世界が見える 翻訳の不思議」第14回。翻訳家の有好宏文さんがアメリカ南部アパラチア地方の子どもたちとそのヒーロー熱狂について解説します。バーバラ・キングソルヴァーの小説『デーモン・カッパーヘッド』を通して、なぜ彼らがヒーロー物語に強く惹かれるのか、そしてその背後にある社会的・文化的背景を探ります。「ヒーローになる夢」は、どのようにして彼らの現実と結びついているのでしょうか。
2024-03-28
ニコルソン・ベイカーが「読まず語り」で描く、ジョン・アップダイクの世界【翻訳の不思議】
有好宏文さんが翻訳を手掛けた、ニコルソン・ベイカーのエッセイ『U&I』は、小説家ベイカーが小説家ジョン・アップダイクについて、その作品を読まずに記憶だけで語るという、ちょっと変わった作品です。本書を翻訳するにあたり、有好さんが悩んだこと、工夫したことなどを紹介いただきます。
2023-09-11
偏見や排除を感じさせない「公平な言葉遣い」の翻訳を考える【翻訳の不思議】
日本ではLGBT理解増進法やジェンダーニュートラルの考え方が話題になっています。一方、アメリカでは特定の本を排除する「禁書」運動が盛んになり、特権、階級、バイアス、排除を感じさせる言い方を避けていこうとする試みも進んでいるそうです。今回は、翻訳家の樋口武志さんに、「公平な言葉遣い」(equity language)についてお話しいただきます。
2023-08-14
伝わる翻訳って難しい!外国の食べ物にまつわる言葉【翻訳の不思議】
その国や地域の文化と最も深くつながっているものといえば、料理。日本人の知らない料理を、文字でその雰囲気が伝わるように訳すには、どんな工夫が必要でしょうか。翻訳家の有好宏文さんが、「ミート・アンド・スリー・ベジタブル・ランチ」という言葉を例に考察します。
2023-08-07
homeとhouseをどう訳し分ける?【翻訳の不思議】
ジェスミン・ウォードの『Sing, Unburied, Sing』は2017年に全米図書賞を受賞しています。今回は、この作品のキーワードとなるhomeという語から、homeに込められる意味や、houseとの違いを、翻訳家の有好宏文さんが考えます。
2023-07-10
isn’tやaren’tのようにはなれなかった、ain’tの歴史~本屋大賞受賞『ザリガニの鳴くところ』での使用例【翻訳の不思議】
今回取り上げるのは、日本語翻訳版の小説が2021年本屋大賞で、翻訳小説部門第1位になった『ザリガニの鳴くところ』という作品です。am notなどの短縮形として使われるain’tという言葉の訳し方を、翻訳家の有好宏文さんが考察します。aren’tやisn’tという形は一般的なのに、なぜain’tは標準とならなかったのでしょうか。
2023-06-12
翻訳と解釈は紙一重!多義語のlostをどう訳す?【翻訳の不思議】
『A Lost Lady』という100年前に刊行された著作を取り上げ、そのタイトルの「Lost」をどう訳すのが適切なのか、有好宏文さんが考察します。翻訳家のお二人がリレー形式で送る連載「翻訳の不思議」の第2回です。
2023-05-08
ジェンダーを意識してmanとpersonを日本語に訳すには?【翻訳の不思議】
新連載「翻訳の不思議」。翻訳家の樋口武志さんと有好宏文さんがリレー形式で、気になる英語と文学作品を取り上げ、その翻訳について考察します。初回は樋口さんが、2022年に全米図書賞などを受賞した『The Rabbit Hutch』を題材に語ります。
2023-04-24
最後まで謎と驚きが盛りだくさん、ツイスト満載の文芸ミステリー【EJ Culture文学】
今月、翻訳家の樋口武志さんが取り上げるのは、ニューヨーク生まれの小説家・劇作家ジーン・ハンフ・コレリッツによるミステリー小説『The Plot』です。樋口さんいわく「爽快な読書体験になる」という一冊です。
2023-03-13
「Hardworking Americans」の源流として読む、フランクリンの『自伝』【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」。今回、翻訳家の有好宏文さんにご紹介いただくのは、アメリカ建国期に活躍したベンジャミン・フランクリンの『自伝』。一見難しく思うかもしれませんが、意外とコミカルで楽しいそうです。
2023-02-20
選択肢を奪われた厳しい境遇を生きる女性の物語【EJ Culture文学】
今回、樋口武志さんにご紹介いただくのは、警察のスキャンダルに着想を得たという作品『Nightcrawling』です。作家レイラ・モトリーが19 歳で発表し、2022年のブッカー賞候補にもなった作品です。
2023-02-16
疫病下、戦時下で、人々はpeopleなのかpersonsなのか?【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」。今回、有好宏文さんに紹介いただくのは、100 年前、スペイン風邪が大流行した時代を描いた恋愛短編小説「Pale Horse, Pale Rider」(キャサリン・アン・ポーター 著)です。peopleとpersonsは、どのように使い分けられるべきなのでしょうか。
2023-01-23
眠ることで、悲しみから目をそらし続けることはできるのか【EJ Culture 文学】
2001年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロ事件(9.11)。今回、翻訳家の樋口武志さんにご紹介いただくのは、この事件に関連する小説『My Year of Rest and Relaxation』(オテッサ・モシュフェグ 著)。感情を取り戻すため、「冬眠」と称して眠り続けることを選ぶ女性の物語です。
2023-01-17
美しい帽子がアメリカ南部の黒人社会にもたらすもの【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」の連載です。今回、アメリカ南部に暮らす翻訳家、有好宏文さんが今回取り上げるのは、黒人女性を飾る帽子とそれをなりわいとする母子の物語絵本『Tiara’s Hat Parade』です。
2022-12-27
殺人事件で大きく運命が変わった女性たちを描く一冊【EJ Culture文学】
今回、翻訳家の樋口武志さんが取り上げるのは、関係する女性たちの視点から、ある連続殺人犯の死刑執行までを描く小説『Notes on an Execution』です。
2022-12-12
深海に暮らす人魚族を描く、アフロフューチャリズムの注目作【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」の連載です。今回は有好宏文さんに、深海に暮らす人魚族の物語を紹介いただきます。アフリカ系の人々の歴史に関わるSF 的作品『The Deep』です。
2022-11-17
Sleep is the cousin of death.(眠りは死のいとこだ)~助けた男は何者か【EJ Culture文学】
何が真実で何がフィクションか――。「EJ Culture 文学」で今回、樋口武志さんにご紹介いただくのは、そんな普遍的な問いを読者に投げ掛ける小説『Mouth to Mouth』です。
2022-11-07
さまざまな言葉が飛び交った植民地期アメリカを描いた文学【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」の連載です。今回は有好宏文さんが、19 世紀アメリカの作家ジェイムズ・フェニモア・クーパーの出世作、日本では『モヒカン族の最後』として知られる小説を紹介します。
2022-10-21
60代、死を意識し始めたときに考えること【EJ Culture文学】
ランニング、サイクリング、山歩き……。取り組んできた運動を通して振り返られるコミック作家の人生とは?今回は翻訳家の樋口武志さんに、アメリカのコミック作家アリソン・ベクダルによるグラフィックノベルをご紹介いただきます。
2022-10-05
「あなたは今、健康ですか?」文学を通じて考える「病」という経験
「あなたは今、健康ですか?」保健・医療と芸術・人文学・社会科学を融合した新分野である「ヘルスヒューマニティーズ」という学問を通して、自身の健康について改めて考え直してみましょう。
2022-09-28
minor feelingsとは誰のどんな感情か。詩人が語るアジア系アメリカ人のアイデンティティー【EJ Culture 文学】
お二人の翻訳家がリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」の連載です。今回は有好宏文さんが、詩人キャシー・パーク・ホンによる、アジア系アメリカ人の複雑な感情がつづられた作品『Minor Feelings: an Asian American Reckoning』を紹介します。
2022-09-26
自己啓発書やビジネス書の対極にある「小説」とは何か【EJ Culture 文学】
ブルガリアで英語教師として暮らすゲイの男性が主人公の物語『Cleanness』(ガース・グリーンウェル 著)を紹介します。「『人間とはこういうものである』と決め付けず、「複雑なものを複雑なままに描く」とはどういうことでしょうか。
2022-09-07
20世紀中ごろのアメリカ南部作家をレズビアンとして描き直した「自伝」作品【EJ Culture 文学】
アメリカで1940年の出版時から読み継がれている、南部ジョージアの田舎町を舞台とする小説『The Heart is a Lonely Hunter』。その作者カーソン・マッカラーズのことを書いた、2020年のノンフィクション作品『My Autobiography of Carson McCullers』を紹介します。
2022-08-19
現代社会で増加する小説作品ジャンル「オートフィクション(autofiction)」とは?【EJ Culture 文学】
二人の翻訳家、有好宏文さんと樋口武志さんがリレー形式でお届けする「EJ Culture 文学」。今回は樋口さんにカナダの「実存小説」、シーラ・ヘティの『How Should a Person Be?』を紹介いただきます。
2022-08-05
ain'tやc'n。アメリカ南部、人々の言葉遣いの違いが大きな意味を持つ
小説『アラバマ物語』(1960)は、1962年にハリウッド映画化もされた、アメリカ文学の名作。映画化の前年にはピュリツァー賞も受賞しています。1930年代、まだ人種差別が根強く残る南部を描くこの作品を、翻訳家の有好宏文さんにご紹介いただきます。
2022-06-20
ドラマ『シャーロック』のセリフ“marriage”はどんな結婚?「訳し過ぎ」に注意!思い込みによる翻訳の落とし穴
自称「不真面目な批評家」でシェイクスピア研究者の北村紗衣さんが、簡単な英単語でも思い込みによって解釈が狭まる恐れのある例を、ドラマや映画のセリフから紹介します。
2020-05-27
英語の二人称はyouだけじゃない?!現代も使われるシェイクスピアの英語入門【北村紗衣】
自称「不真面目な批評家」でシェイクスピア研究者の北村紗衣さんが、シェイクスピア入門としてこれだけは押さえておきたい「代名詞」と「リズム」を解説します。
2019-12-20
『パディントン』に登場する「クマ視点」の英語日常表現とは?【北村紗衣】
自称「不真面目な批評家」でシェイクスピア研究者の北村紗衣さんが、児童文学「パディントン」を題材に、日常的な英語表現を楽しく紹介します。
2019-10-11
TOEICやビジネス英語で「実用的な英語の運用能力」が獲得できない理由【北村紗衣:大学の英語教育②】
「大学の英語教育に文学は不要か?」を、シェイクスピア研究者で大学准教授、著書『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が好評の北村紗衣さんが2回にわたって論じます。第2回は「大学の英語の授業で、なぜビジネスや資格試験ではなく文学や映画を使って学ぶのか?」です。
2019-08-29
2024 06
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