YouTube や海外ニュースがあなたのコア教材に! 1000時間を楽しむ「12ステップ英語独学法」
「写真:Adobe Stock」

好きな海外番組やドラマなど、1000時間の学習に取り入れたいけれど、どのように活用すればいいか分からない――という教材はありませんか? 英語学習がもっと豊かになる、目からうろこの独学法を、「1000時間ヒアリングマラソン」アプリのコーチ、松岡昇先生にお聞きしました。

前回は、1000時間の特訓メニューとして「9つの習慣」をご紹介しました。そのうち、今回はコア教材による「ルーティン学習」に焦点を当ててお話しします。

アプリ「1000時間ヒアリングマラソン」で学習する際は、STEP をたどれば自然に聞く力と話す力を鍛えることができますが、お気に入りの映画や気になるニュースなどを学習の中心に据えたい場合もあると思います。そのような時に参考にしていただきたいのが、「12ステップ英語独学法」です。

準備する練習材料

必要なものは、音声、スクリプト、対訳の3点セット

これがそろっている教材であればどんなものでも、「12ステップ」に従って一人で学習できます。一つの素材をリスニングから始め、語彙・表現のビルドアップ、そしてスピーキングへと展開します。

英語耳を作る

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STEP1:スケッチング

スクリプトを見ずに、音声を聞きながら話の内容をスケッチします(英語、カタカナ、記号などでメモします)。

音声を止めずにこれを3回繰り返し行い、その後、メモを見ながらどんな内容だったかを、想像上の相手に日本語(または英語)で伝えます。この時、必ず声に出すようにします。

前回の記事でご紹介したように、AI に向かって聞いた内容を語りかけるのもいいでしょう。

STEP2:ディクテーション

今度は、音声を聞きながらディクテーション(書き取り)を行います。この時、音声は1文または分節ごとに止めます。

全体の音声を3~5回ほど繰り返して聞き、ディクテーションの完成度を上げていきます。全て書き取れていなくてもオーケーです。

STEP3:弱点のチェック

ディクテーションで書き取ったものとスクリプトを照らし合わせながら、聞き取れなかった箇所や間違えた箇所を、スクリプトの中に蛍光ペンでハイライトします。

最後に、音声を聞きながらハイライトした箇所を耳で確認します。

語彙力・表現力を付ける

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STEP4:語句のチェック

今度は、スクリプトと対訳に目を通しながら、未知の語句や慣れ親しんでいない語彙・表現をチェックします。

スクリプトの英語と対の日本語の両方に、赤ペンで丸を付けます。

STEP5:語句の暗記

STEP4で赤丸を付けたテキストを使い、①「英語→日本語」(英語を見てすぐに日本語を言う)練習をします。

①がスムーズにできるようになったら、度は、②「日本語→英語」(日本語を見てすぐに英語を言う)練習をします。

どちらも、スムーズにできるようになるまで繰り返します。

英語口を作る

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STEP6:リーディング

今度は音読です。1文ごとに意味を確認しながら、スクリプトを大きな声ではっきりと音読します。2、3回繰り返します。

STEP7:リード・アンド・ルックアップ

1文ごとにスクリプトを見て読み(Read)、顔を上げて(Look up)同じ文をもう1度発音します。全体を2、3回繰り返します。

《オプション》これを発展させた「Read & Look up & Copy」という練習もあります。これは Look up の後、その文を書く(Copy)ものです。冠詞や単数・複数、前置詞などを確認する有効な練習です。

STEP8:シャドーイング

スクリプトを見ずに、音声の後を追いかけるように英文を発音します。

音声を止めることはしません。オウム返しにならないよう、内容をかみしめながら発音します。全体を2、3回繰り返します。

シャドーイングは、音声(発音、イントネーション)の訓練に加え、日本語を介在しないで英語を理解する「英語脳」を養成します。

STEP9:リピーティング

スクリプトを見ずに、音声のポーズボタンを押しながら1文ずつリピートします。全体を2回ほど繰り返します。

STEP 10:口頭英訳

対訳を見ながら口頭で英訳します。2回ほど繰り返します。

STEP 11:口頭要約

音声をもう1度聞き、その後、聞いた内容を要約し、英語で想像上の相手に伝えます。出てきた語句や表現をうまくつなぎ合わせる要領で行います。

STEP 12:発言

想像上の相手に、聞いた内容に関連することを自由に話します。この時、ここで学んだ語句や表現を積極的に使います。

以上の12ステップはフルコースメニューです。自分の弱点などに合わせて、適宜 STEP を選択して練習しても構いません。

予告:次回は「英語が聞き取れないのはなぜ? 悩めるリスニング学習者に立ちはだかる『4つの壁』」についてお話します。

松岡 昇(まつおか のぼる)
松岡 昇(まつおかのぼる)

青山学院大学大学院国際政治経済研究科修了。専門は、国際コミュニケーション、社会言語学。現在、獨協大学及び大手企業を中心に講義やセミナーを務める超人気講師。「1000時間ヒアリングマラソン」アプリで、「英語スケッチング」「ディクテーション・コンテスト」の執筆を担当している。著書も多数ある。

【1000時間ヒアリングマラソン】 ネイティブの生音声を聞き取る実践トレーニング!

大人気通信講座が、アプリで復活!

1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。

アプリ版「1000時間ヒアリングマラソン」は、アウトプット練習や学習時間の計測などの機能を盛り込み、よりパワーアップして復活しました。

「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習

・学校では習わない生きた英語

実際にネイティブスピーカーと話すときや海外映画を見るとき、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか? 1000時間ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。

・こだわりの学習トレーニング

音声を聞いてすぐにスクリプトを確認する、一般的なリスニング教材とは異なり、英文や日本語訳をあえて後半で確認する構成にすることで、英語を文字ではなく音から理解できるようにしています。英文の書き取りやシャドーイングなど、各トレーニングを一つずつこなすことで、最初は聞き取りが難しかった英文も深く理解できるようになります。

・あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ

なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。

1000時間ヒアリングマラソンは、現在7日間の無料トライアルを実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?

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