好きな海外番組やドラマなど、1000時間の学習に取り入れたいけれど、どのように活用すればいいか分からない――という教材はありませんか? 英語学習がもっと豊かになる、目からうろこの独学法を、アルクの総合英語学習アプリ「booco(ブーコ)」で提供中の「ヒアリングマラソン」のコーチ、松岡昇先生にお聞きしました。
目次
前回は、1000時間の特訓メニューとして「9つの習慣」をご紹介しました。そのうち、今回はコア教材による「ルーティン学習」に焦点を当ててお話しします。
booco の「ヒアリングマラソンモード」で学習する際は、STEP をたどれば自然に聞く力と話す力を鍛えることができますが、お気に入りの映画や気になるニュースなどを学習の中心に据えたい場合もあると思います。そのような時に参考にしていただきたいのが、「12ステップ英語独学法」です。
準備する練習材料
必要なものは、音声、スクリプト、対訳の3点セット。
これがそろっている教材であればどんなものでも、「12ステップ」に従って一人で学習できます。一つの素材をリスニングから始め、語彙・表現のビルドアップ、そしてスピーキングへと展開します。
英語耳を作る
STEP1:スケッチング
スクリプトを見ずに、音声を聞きながら話の内容をスケッチします(英語、カタカナ、記号などでメモします)。
音声を止めずにこれを3回繰り返し行い、その後、メモを見ながらどんな内容だったかを、想像上の相手に日本語(または英語)で伝えます。この時、必ず声に出すようにします。
前回の記事でご紹介したように、AI に向かって聞いた内容を語りかけるのもいいでしょう。
STEP2:ディクテーション
今度は、音声を聞きながらディクテーション(書き取り)を行います。この時、音声は1文または分節ごとに止めます。
全体の音声を3~5回ほど繰り返して聞き、ディクテーションの完成度を上げていきます。全て書き取れていなくてもオーケーです。
STEP3:弱点のチェック
ディクテーションで書き取ったものとスクリプトを照らし合わせながら、聞き取れなかった箇所や間違えた箇所を、スクリプトの中に蛍光ペンでハイライトします。
最後に、音声を聞きながらハイライトした箇所を耳で確認します。
語彙力・表現力を付ける
STEP4:語句のチェック
今度は、スクリプトと対訳に目を通しながら、未知の語句や慣れ親しんでいない語彙・表現をチェックします。
スクリプトの英語と対訳の日本語の両方に、赤ペンで丸を付けます。
STEP5:語句の暗記
STEP4で赤丸を付けたテキストを使い、①「英語→日本語」(英語を見てすぐに日本語を言う)練習をします。
①がスムーズにできるようになったら、今度は、②「日本語→英語」(日本語を見てすぐに英語を言う)練習をします。
どちらも、スムーズにできるようになるまで繰り返します。
英語口を作る
STEP6:リーディング
今度は音読です。1文ごとに意味を確認しながら、スクリプトを大きな声ではっきりと音読します。2、3回繰り返します。
STEP7:リード・アンド・ルックアップ
1文ごとにスクリプトを見て読み(Read)、顔を上げて(Look up)同じ文をもう1度発音します。全体を2、3回繰り返します。
《オプション》これを発展させた「Read & Look up & Copy」という練習もあります。これは Look up の後、その文を書く(Copy)ものです。冠詞や単数・複数、前置詞などを確認する有効な練習です。
STEP8:シャドーイング
スクリプトを見ずに、音声の後を追いかけるように英文を発音します。
音声を止めることはしません。オウム返しにならないよう、内容をかみしめながら発音します。全体を2、3回繰り返します。
シャドーイングは、音声(発音、イントネーション)の訓練に加え、日本語を介在しないで英語を理解する「英語脳」を養成します。
STEP9:リピーティング
スクリプトを見ずに、音声のポーズボタンを押しながら1文ずつリピートします。全体を2回ほど繰り返します。
STEP 10:口頭英訳
対訳を見ながら口頭で英訳します。2回ほど繰り返します。
STEP 11:口頭要約
音声をもう1度聞き、その後、聞いた内容を要約し、英語で想像上の相手に伝えます。出てきた語句や表現をうまくつなぎ合わせる要領で行います。
STEP 12:発言
想像上の相手に、聞いた内容に関連することを自由に話します。この時、ここで学んだ語句や表現を積極的に使います。
以上の12ステップはフルコースメニューです。自分の弱点などに合わせて、適宜 STEP を選択して練習しても構いません。
予告:次回は「英語が聞き取れないのはなぜ? 悩めるリスニング学習者に立ちはだかる『4つの壁』」についてお話します。
自分だけのコア教材を探そう!総合英語学習アプリbooco(ブーコ)
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【booco 搭載】新・ヒアリングマラソン
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1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
デジタル版の新しいヒアリングマラソンは、アルクの総合英語学習アプリ「booco」に搭載され、さらにパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
・聞いて、話せる英語脳を作る
デジタル化に伴い、AI によるスピーキング評価機能が新たに搭載されました。質の高い英語を耳から大量にインプットし、声に出してアウトプットすることで、現地に行っても困らないリスニング力・スピーキング力が身に付きます。
・学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話す時や海外映画を見る時に、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか。ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
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なぜ聞き取れないのか? には理由があります。全9種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
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