『ENGLISH JOURNAL(EJ)』で大好評のキムタツ先生こと木村達哉さんの連載、「キムタツ式日常表現クイックレスポンス!」がこのたびGOTCHA!にも登場。どんなに英語を学習しても、意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生式クイックレスポンストレーニング(日→英を高速変換)で言いたいことを英語で言えるようになりましょう!。
「クイックレスポンス」トレーニングとは?
みなさん、こんにちは。木村達哉です。 英語を勉強していると、身の回りで日常的に起こるさまざまな出来事について、ふと思いついて口に出したい表現、たくさんありますよね。
しかし実際には、英語でなんていうか知らなかったり、適切に表現できる動詞がわからなかったりして、何も言えずに終わってしまう……「あるある」な経験ではないですか?
日常的な出来事を英語で話したいならば、それに応じた語彙や表現を学習する必要があります。 また、体に染み込ませるようにそれを何度も口に出して、なじませておくことも重要です。
そのために行うのが、 言いたい表現をまずは日本語で聞き、それに対応する英語をぱっと浮かべる「クイックレスポンス」トレーニング です。
「自分に必要な英語」を話せるようになろう
私たちは、流暢に英語を話す日本人を見ると、「この人は、どんな場面、テーマでも上手に話せるんだろうな」と思ってしまいがちです。例えば、ビジネスの席で英語を使ってプレゼンをしている人は、きっとその後のパーティーなんかでも楽しそうに英語で談笑しているんだ、と思っていませんか?
でも、そうとは限らないのです。もちろんそういう人もいるでしょう。しかし、実は自分の専門分野のことしか話せない、ということもよくあります。自分に必要な単語や表現に加えて、ほかのシーンで使うたくさんのボキャブラリーを一度に頭に詰め込むのは、とても大変なことなのですから。
僕たち英語の教員も、よく「英語が話せていいですね」と言われるのですが、とんでもない話です。大学入試で問われるような言語や比較文化などについては話せるのですが、意外と身の回りのことを英語で表現できない人が少なくありません。先生向けのセミナーで、「ペットボトルを英語で言うと?」と聞くと静寂が訪れるのがその証拠です( ちなみに 、plastic bottleと言います)。
でもね、それを批判することにはまったく意味がありません。まず大事なのは、自分にとって必要な英語が話せることなのですから。必要な英語が話せるようになった後、次はこういうことも話せるようになりたい、と新たな分野の英語表現に向かえばいいのです。
今月ご紹介するのは、街の中で使える表現です。日常的な会話が「必要」な人にはもってこいの英語ばかりですね。ここで使える表現を増やすには、まずは、外を歩くときに「これは英語で何と言うんだろう」と考えるくせをつけるといいでしょう。話せることが増えてくれば、英語力が上がるだけでなく、やる気もどんどん高まっていくでしょう。
手順 ">「クイックレスポンス」トレーニング 手順
- 例題の日本語・英語表現を確認します。わからない単語や文法があれば、 事前に 調べておきましょう。
- 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直しましょう。
- 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
- 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
- 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
- もう一度音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。
例題
今回は外出中に使いたくなるようなフレーズを取り上げました。下の4つの表現を一通り確認したら、早速音声を聞きながらクイックレスポンストレーニングに取り組んでみましょう。
歩きながらスマホをするのは危ないよ。It’s dangerous to use a smartphone while walking.銀行口座を解約しに来ました。
I’m here to close my bank account .自転車置き場が狭過ぎる。
The bike parking space is too small.お巡りさんが違法駐車を取り締まっているのを見たよ。
I saw officers cracking down on illegal parking.
「ごみごみしているところって嫌だよね」は英語でなんて言う?
『ENGLISH JOURNAL 』7月号では、今トレーニングした4フレーズ以外にも外出時に使いたい英語を取り上げています。。
- ごみごみしているところって嫌だよね。
- お酒を飲んで自転車に乗るのは違法だよ。
- この洋服屋、来週閉店するって。
- 次のバス停まで歩かない?
- 送迎バスは駅の北口から出ます。
- コンビニ前でたむろしている奴らが嫌だ。
どうやって言ったらいいか、ぱっと英語が出てきますか?気になった方は、ぜひ本誌を
チェックしてみてくださいね!
文:木村達哉
1964年1月29日生まれ。奈良県出身。関西学院大学文学部英文学科卒業。奈良県の私立高校教諭を経て1998年より灘高等学校英語科教諭。教員と執筆業以外にもラジオのパーソナリティーを努めるなど多方面で活躍。趣味は沖縄の海に潜ること。また野球が好きで、灘中学校野球部監督を務めている。主な著作に「センター試験英語」シリーズ、「東大英語」シリーズ、夢をかなえるシリーズ(いずれもアルク)、「熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター」シリーズ(講談社)などがある。