英語の学習をする際、なんだかよく分からないけど、「シャドーイングはおすすめだよ!」なんて言われたこと、ありませんか? それってどんな練習?どんな力が付くの? どうやってやったらいいの? そんな質問に、『ENGLISH JOURNAL』を使ってお答えします!
シャドーイングって何?
シャドーイング(shadowing)は、英語を聞き、その聞こえてきた内容を少し遅れて同じように繰り返すトレーニング のことを指します。影(shadow)のように元の英文についていくことから、このように呼ばれています。
同時通訳者のためのトレーニングとしても紹介されている、とても有名な方法ですが、一体何がそんなにいいのでしょうか?
答えは簡単、 「聞く」と「話す」の2つの力を、 同時に 鍛えることができる から、おすすめなんです!
「聞く」を鍛える
最初に、シャドーイングは「聞こえた英語を少し遅れて声に出し、再現すること」だと説明しました。 正しく再現するためには、まず「正しく聞き取る」ことが大切 です。最終的に何も見ずに再現できることが理想ですが、最初は文字で書かれたスクリプトを見ながらでも構いません。何度も聞いて、まずは聞く力を鍛えましょう。
「話す」を鍛える
次に、追いかけるようにして声に出しますが、このときに大切なのが、 「なるべく忠実に再現すること」 です。発音やリズム、強弱などをしっかりまねしてみましょう。こうすることにより、口が英語を声に出すことに慣れてきます。
シャドーイングのやり方を知ろう!
シャドーイングをするためには、音声付きの英文素材が必要です。できれば、それを書き起こしたスクリプトがあるといいですね。何でも、自分の好きなもので取り組んで大丈夫ですが、最初は話すスピードがあまり速くないものや、シャドーイング用に分量を調整してあるものを選びましょう。
そんなときにおすすめなのが『ENGLISH JOURNAL(EJ)』です。EJの「学習コーナー」では毎月、有名人のインタビューや世界のニュース、エッセイの朗読など、さまざまな話し手の英語が音声とスクリプト付きで収録されています。
また、シャドーイング学習用のコーナーも準備されていますから、学習を進めるのにうってつけです。
手順 を確認しよう"> 手順 を確認しよう
シャドーイングを進めるための3ステップを確認しましょう。
- 全体を通して聞き、英文スクリプトを見て 意味を 把握 。慣れるために、まずは英文を音読してもOK。難しい場合は、まず音を聞きながら英文を目で追えるか確かめましょう。
- 最初は英文を見ながらで構わないので、 聞こえてくる音声から1、2語遅れて、まねて声に出していく 。発音やリズム・イントネーションを、できるだけ正確に再現する。
- 慣れてきたら、 英文を見ずに行う 。難しいと感じたら無理をせず、再度、英文を見ながら練習してもOK。
シャドーイングをやってみよう!
EJ2018年8月号では、7月6日から公開される映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』を取り上げています。
これは、 1973年にアメリカで実際に行われた男女によるテニス対決 を映画化したもので、単なるテニスの域を超え、男女同権を求めるアメリカ社会の機運を反映しています。
主演のエマ・ストーンが演じるのは、女子プロテニスプレーヤー、ビリー・ジーン・キング。日本でも「キング夫人」の呼び名で親しまれています。
テニスの経験がない彼女にとって、実在の、それもプロ選手を演じるのは難しいことだったそうですが、たくさんのトレーニングを積み、「ビリー・ジーンそのもの」と評される演技を披露しました。
そのトレーニングや撮影の過程について、ストーンはこう述べています。
The beginning of the process was pretty brutal . But then you get into a place that’s so amazing, and you start to understand the, the mind of someone who is strong enough to execute whatever it is they wanna execute .今回はここを使ってシャドーイングに取り組んでみましょう。やり始めは相当厳しかったですね。でもそのうち驚くような境地に達して、やりたいと思うことを何でも実行するだけの強さを持つ人の思考が理解できるようになり始めます。
先ほどご説明した 手順 を参考に、何度も音声を聞き、声に出してみてくださいね。
また、EJのシャドーイングでは毎月、そのポイントを神田外語大学講師の柴原智幸先生が解説しています。今月号で注目のポイントは、こちら。
ポイント
EJ2018年8月号は「感情表現」の英語をお届け!
8月号の表紙は、エマ・ストーンの輝く笑顔。EJ 8月号では、彼女が表現する「笑」や「喜」だけでなく、さまざまな感情が伝わる英語をお届けします。
コメディーで学ぶ英語
GOTCHA!読者の皆さんは、日々、英語学習に励んでいらっしゃることと思います。たまには、思いっきり笑って、息抜きしませんか?そう、英語で!
いわゆる「お国柄ジョーク」と呼ばれる、各国の人々のステレオタイプを表現したようなジョークを読んでみたり、英語でスタンダップ・コメディーを体験したりしてみましょう。本誌に収録したパフォーマンスでは、少し前に日本中で大流行りした歌を使って、皆さんを爆笑の渦に巻き込みます。
英語で日本文学
さて、「感情のこもった英語」といえば、朗読家・青谷優子さんをご存じでしょうか。さまざまな作品を心を込めて英語で読み上げる青谷さん。聞いているだけで、登場人物の気持ちや状況が頭の中に浮かんでくるような、色鮮やかな声音をお持ちです。
今回、EJではなんと、かの有名な日本文学、『走れメロス』を青谷さんに朗読していただきました。太宰治が書いた原作を英訳したのは、翻訳家・ジュリエット・W・カーペンターさん。『舟を編む』などの情感あふれる翻訳でも知られる彼女と、青谷さんのタッグ。聞きごたえたっぷりの『走れメロス』をお届けします!
EJ 2018年8月号、ご予約はこちらから!
このほかにも、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』公開記念で、映画のせりふを使って、当時のアメリカを読み解く企画なども掲載。盛りだくさんでお届けします!
構成・文:江頭 茉里
ENGLISH JOURNAL編集部員。夢は自分が編集した本ばっかりの本棚を作ること。 熱しやすく、冷めにくい。好きなもの・趣味が多すぎるのが悩み。
『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」
現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。
日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!
【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明
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