今こそ伝えたい「気を付けてください」の自然な英語フレーズは?【スティーブ・ソレイシィ】

スティーブ・ソレイシィさんの大ベストセラー『英会話なるほどフレーズ100』がシリーズ累計で発行部数100万を突破しました。そんな「なるほどフレーズ」シリーズから、この連載では英語の「使える裏技」を毎週ご紹介します。第19回は、今こそ伝えたい「気を付けて!」をお届けします。

take careはあいさつの基本表現

皆さん、take careというフレーズはご存じですよね?英語でTake care!と言えば、「気を付けてね!」というお別れのあいさつです。別れ際に「またね!」と言うときや、「お元気で」とeメールで締めのあいさつとしてもと使われます。

Take care!
気を付けてね!またね。お元気で。

「気を付ける」といっても、 「頭をぶつけないように気を付けて」や「足元に気を付けて」という場合は、watch や be careful が定番で、take careは使いません。頭や足元に気を付けるように伝えるときは、Watch your head here.(ここで頭をぶつけないように気を付けて) やBe careful of the stairs. ([階段で]足元に気を付けて)などのように言います。

「今こそ」心を込めて使おうtake careの3つの工夫

take careはあまりにも定番なあいさつなため、それだけでは本当に気を付けてほしいときには気持ちが伝わりにくいかもしれません。しっかりと気持ちを込めて伝えるための簡単な3つの工夫をお伝えします。

1.文末に「,OK?」を付ける

文末に,OK?を付け加えると、「気を付けてね」のようなニュアンスになり、決まりきった表現から、念を押しつつも温かみのある表現に変わります。

Take care, OK?
くれぐれも気を付けてね。

2.文末に「out there」を付ける

文末にout thereを付け加えると、どうしても出掛けなければならない人に対して「外出中に気を付けてね」という意味になります。世の中が物騒だったり、ウイルスの感染が拡大しているような状況のときに広く使える表現です。

Take care out there.
外出中に気を付けてね。(外出先では気を付けてね)

3.文末に「of yourself」を付ける

文末にof yourselfを付けくわえると、「元気でね」から「本当に気を付けてね」や「ご自愛ください」というニュアンスになり、相手の健康を気遣う気持ちがしっかりと伝わります。また、please と付け加えることで、丁寧というより、「お願いね」と心から心配している気持ちが伝わります。

Please take care of yourself.
どうぞご自愛くださいね。

take careにofを付けるとビジネスシーンの定番表現に!

この、take careに前置詞の「of」を付けるだけで、問題などを「片付ける」「ケリを付ける」「世話をする」という意味になり、ビジネスシーンでよく使われる定番表現となります。

子どもの世話をする場合なら、I have to take care of my children tonight(今夜、子どもたちの世話をしなければなりません)などのように使われますが、ビジネスでは、難しいお客さんに対応する、問題を片付けるというときに 「要件を片付ける」「問題に対処する」「ケリを付ける」 などの意味で用使われます。

I’ll take care of that right away.
私がすぐに対処します。

今日の英会話

A: There’s a problem with the factory again.
B: But we took care of the problem last fall, right?

A: Yes, but the staff is fighting again, and they lost a lot of money this year.
B: OK. I’ll take care of the staff issues. Would you take care of the budget issues?

A: また工場でトラブルが起きています。
B: ですが、去年の秋に工場の問題には ケリを付けました よね。

A: ええ。でもスタッフ同士でまたいさかいがあって、それに今年の損失はかなりの額になりました。
B: わかりました。私がスタッフの 問題に対処します 。あなたは予算の 問題に対処して くれますか。

EXERCISES

次の日本語をtake careを使って英語で言ってみましょう。

1 あなたが対処してくださると、非常にありがたいのですが。
2 チャン氏の対応をお願いします。

解答例は記事の最後をご覧ください。

※ 本記事は『英会話ペラペラビジネス100』の内容をもとに構成しています。

『英会話なるほどフレーズ100』ってどんな本?

不思議なことに、日本人はネイティブが知らないようなイディオムを知ってる・・・。

日本人に英語を教えている著者が「これだけでいいよ!」「もっと簡単な英語で話そう!」をポリシーに、アメリカ人が赤ちゃんのときから聞かされ成長とともに身に付けた100の表現を集めて解説しています。

掲載された基本フレーズ100とその発展フレーズ100は、簡単だけれども応用範囲が広い表現で、使えば使うほど味が出るものばかり。「これだけで伝えられるんだ」という開放感を感じて、英語の本当の楽しさを見いだしましょう。

EXERCISESの解答例

1I’d really appreciate it if you took care of that.
2Would you take care of Mr. Chang?

Steve Soresi
スティーブ・ソレイシィ(Steve Soresi)

アメリカ・フロリダ州出身。1990年英語指導助として岐阜県に初来日。1998年早稲田大学大学院政治経済学部でマスコミュニケーション理論を学び同大学院修士課程を修了。2009年青山学院大学大学院国際政治学研究科博士課程を修了。拓殖大学、東洋英和女学院大学の専任講師を経て、2011年ソレイシィ研究所(株)を設立。現在、同研究所の代表として日本の「英語が使える国の仲間入り」を目指した英語教材の企画開発、英語教授法の研究と人材育成、英会話コーチ、セミナー、公演などを行っている。BBT大学教授。NHKラジオ第2放送「英会話タイムトライアル」講師(2012年4月~現在)。

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