ビジネス英語において、「Is it OK?」や「Is that OK?」といった表現のニュアンスの違いを理解することは非常に重要です。特に「よろしいでしょうか」や「よろしいですか」を英語で正確に伝えたいと思う方は多いでしょう。アルクの書籍『英会話ペラペラビジネス100』から、これらの表現を含むビジネス英語の正確な使い方を紹介します。正確なフレーズの選び方で、相手に適切にメッセージを伝える方法を学びましょう。
目次
- 記事を読むのにかかる時間:約3分
会話のキャッチボールに欠かせない代名詞「that 」
thatには、学校で習うような、近いものにthis(これ)、遠くならthat(あれ)という感覚ではなく、 会話のキャッチボールに欠かせない重要な役割 があります。会話中のthatは、「今あなたが言ったこと」や、「私たちが今話していること」を指します。
例えば、What’s that mean?(今あなたが言ったこと=それはどういう意味でしょうか)や、Is that already decided?(それはもう決定でしょうか)、That’s right.(それはおっしゃるとおりです)、I'll take care of that.(それはお任せください)などのように使います。
「それでよろしいですか」は、Is that OK?
3時に出なきゃいけないのですが、それでよろしいでしょうか。
I have to leave at 3. Is that OK?
自分が今言ったことを相手が受け入れてくれるかどうかを確認するには、Is that OK?と、thatを主語にして言うことがポイントです。
同じ意味でIs it OK?と言ってしまう人もいますが、Is it OK?は、文脈上、わかりにくいです。相手はthatの直前にあるものが頭の中で関連付けられ、今話していることだと判断できるのです。一方、itはある特定のものを指すことが多いため、「itとは何を指しているのかな?」と相手に考えさせてしまうことが多いです。ですので、自分が伝えた後の確認にはIs that OK?を使いましょう。
前回の記事で紹介した、I’d like that in writing.(それを文書でお願いします)のように、thatは主語だけでなく、重要な目的語にもなります。聞き返すときに「もう一度お願いします」と言いたいときは、Would you say it again?ではなく、次のように言いましょう。
Would you say that again?
もう一度それ(今あなたがおっしゃったこと)を言っていただけますか。
2文構成の発言ができるようにしよう
赤ちゃんの言語の発達を例にとると、「パパ」「見て」「ブーブー」「ちょうだい」などのような1語だけの発話能力が、「パパ、見て!」と、2語を組み合わせた発言ができるようになるのは、飛躍的な成長ですね。
多くのビジネスパーンの英語力も、最初は1文でしか表現できないかもしれませんが、関連した2文を連続して言えるようになることは飛躍的な成長です。いち早くその目標に到達するために、Is that OK?の技を以下のように組み合わせたらいかがでしょうか。
ポイントは、1つ目の英文を短文で言って、2つ目に「それでよろしいですか」と確認することです。例えば、
この件を最初に話し合いたいのですが、それでよろしいですか。
I think we should discuss this first. Is that OK?
※ discussの後にはaboutが入らないように注意しましょう。
この技に慣れたら、応用として以下のような事後報告にも使えます。
1回目の支払いを振込みましたが、それでよろしかったでしょうか。
I transferred the first payment. I hope that was OK.
英語2文で伝えるメリットは3つあります。
- 言い間違いがあっても、もう1つの文があるから致命的な間違いにならない。
- 相手に通じる確率が高くなる
- 文を分けることによって、自分も間違えにくく、文を作りやすくなる。
なお、Is that OK?は、相手に許可をもらったり、あるいは物事を決めてもらうときも使いますが、May I ~, please?や、Is it OK ~?は使いません。親子関係で子どもが親に許可を求めるようなイメージを与えてしまうからです。
Is that OK?というフレーズを使うことによって、業務上それで差し支えないか、相手と同等の立場や責任を持った発言になるのです。
また、Are you OK?というフレーズもビジネスでは使いません。丁寧に言い換えるなら、OKをall rightに換えてAre you all right?としましょう。同僚にはOKを、取引先にはall rightのように使い分けるとよいでしょう。
今日の英会話
A: Tom, I'd like to re-schedule today's meeting. Is that OK?
B: Sure. When is good for you?
A: I’d like to meet at 1:45. Is that OK?
B: Well, I have an appointment at 4. I have to leave around 3. Is that OK?
A: Sure.
A: トムさん、ミーティングの再設定をお願いしたいのですが。よろしいですか。
B: いいですよ。いつならご都合がいいですか。
A: 1時45分にお願いします。それでよろしいでしょうか。
B: そうですね・・・。4時に約束があるのですが。3時には出ないといけませんが、それでよろしいですか。
A: 大丈夫です。
EXERCISES
次の日本語を英文にしてみましょう。
- 注文の変更をお願いしたいのですが、よろしいですか。
- 5パーセント引きなら可能ですが、それでよろしいですか。
解答例は記事の最後をご覧ください。
※ 本記事は『英会話ペラペラビジネス100』の内容をもとに構成しています。
改訂版 英会話ペラペラビジネス100
- 「ビジネス英会話」のベストセラーがバージョンアップ!
- 対面でもリモートでも、ズバッと通じて効果抜群。
- シリーズ累計90万部著者が厳選した、応用の効く100フレーズを完全マスター
ビジネス英会話本のベスト&ロングセラー「ペラビジ」、待望の改訂。本物の英会話力を養成する「トレーニング本」としての機能がさらにパワーアップしました。日本人の英語の弱点と、海外のビジネスコミュニケーション事情を熟知した著者が、世界の人々とスムーズに意思疎通するための大人の英会話術を伝授します。
こちらもオススメ
英会話なるほどフレーズ100
20年以上売れている英会話教材の最高傑作!「どうぞ」「おいしい! 」「いいなぁ! 」など、ネイティブが子どものころから使っている「超・定番」100フレーズをカリスマ講師がていねいに教えます!
英会話きちんとフレーズ100
ベストセラーとなった『英会話なるほどフレーズ100』に待望の続編が登場!「遠慮」「微妙」「余裕! 」は英語で何て言う? 誰もが知りたかった「新・定番」100フレーズをカリスマ講師がやさしく、楽しく、教えます!
EXERCISESの解答例
- I’d like to change my order. Is that OK?
- We can give you a 5% discount. Is that OK?
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。