美術好きな方にお届けする「アート英語学習法」完全ガイド。「好きな美術に触れながら英語力を上げたい!」という方も、「現代アートが好きだけど、日本語だけだと情報量が足りないし、作品で使われている英語も分からなくて困る!」という方も、必見です。「美術に触れる機会はあまりない」という方も、海外の人と英語で話すときの話題作りに、試してみてはいかがでしょうか?
英語でアートって難しい?
アートの情報を英語で入手したり、アートを英語で語ったりするなんて難しそう!と思われるかもしれませんが、そんな方にまず見ていただきたいのがこちらの本です。
本書では、「アート批評のための4つのステップ」が次のように紹介されています。
Four Step Art Critique;
(1) Describe
(2) Analyze
(3) Interpret
(4) Evaluate
※『英語でアート!』p. 63より引用
それぞれ、「描写する」「分析する」「解釈する」「評価する」。本書は、「(2)分析する」の例として次のような英文を挙げています。ある油彩画について語ったものです。
The trees, the passage and people are depicted by curving lines. The artist is using a lot of warm, vivid colors.
木々と道と人物は曲線で描かれています。画家は暖かく鮮やかな色をたくさん使っています。
※『英語でアート!』p. 65より引用
いかがですか?これならまずできそう、と思えてきませんか?
この本には他にも、アメリカをはじめとする英語圏のアート界事情や、海外のアート界と関わる方法などの具体的な情報と、アート用語やアートに関する実践英会話集が豊富に収録されています。アーティストやアート関係者だけでなく、美術を見るのが好きな全ての方におすすめです!
タダで見放題の、質が高い海外のアート動画
『英語でアート!』でも紹介されている、海外の美術館などが公開している動画を使った学習は、手軽に始められるし、とにかく楽しいです!
ここでは、3つの美術館のYouTubeチャンネルを紹介します。上記の本では他のサイトもいろいろと紹介されているので、併せてご参照ください。
The National Gallery, London
イギリス、ロンドンにあるナショナル・ギャラリーのYouTubeチャンネルです。美術作品を映した美しい映像が楽しめます。字幕を参考にしながら視聴すると、英語のリスニング練習やアートの語彙力アップに使えますよ。
こちらは、「睡蓮」の絵などで有名な印象派画家、クロード・モネの展覧会のPR動画。ナレーションは入っていないので英語の勉強にはならないのですが(笑)、絵画が立体的に見える映像になっていて、目の保養になります。
次は、このモネの展覧会に関連した動画。モネが描いたパリについて語られている短い動画です。キュレーターがこの美術館のコレクションの目玉になっている作品を1点ずつ解説する動画も多く公開されています。これはゴッホの「ひまわり」についてのトーク。他にも、企画展に関する講演会や、作品の修復、保存、作品に使われている額や絵の具について説明する動画などを見ることができます。美術用語が分かるのはもちろん、ミュージアムがさまざまな専門家たちに支えられていることを実感します。MoMA(The Museum of Modern Art)
アメリカ、ニューヨークにあるMoMAことニューヨーク近代美術館のYouTubeチャンネルです。
展覧会ができるまでを追うシリーズは、もはやちょっとしたドキュメンタリー映画のよう。
収蔵作品についての動画も豊富ですが、フランク・ロイド・ライトの設計で東京に建てられた帝国ホテルの建築についての動画もありました。「How to paint like ~(~のように描く方法)」シリーズが面白いです。有名な画家の絵を実際に再現していく動画で、例えばこちらではピカソの絵を再現しています。MoMAのキュレーターが、キュレーターの仕事について寄せられた質問に答える動画もあります。「どうしてキュレーターになったのか?」「企画展でどの作品を紹介するかをどうやって決めるのか?」など、答えるのが大変そうですが興味深い疑問が登場しています。TATE
イギリスのTATE(Tate)のYouTubeチャンネルです。
TATEでも、「How to Paint Watercolour Like Turner(ターナーのように水彩画を描く方法)」といった動画がありました。
「Why I Love」シリーズは、美術館のスタッフやボランティアが、好きな美術作品について語る動画。好きなアートについて英語で語るときの参考にしたいです。こちらは、日本人アーティストの草間彌生さんの作品が好きという人の話。番組の種類が多いのが魅力で、展示についてだけでなく、アート運動や映画について解説する動画、音楽やダンスとアートの関係を探る動画、アーティストがゆかりのある都市を訪れて語る動画など、現代アートや文化について幅広く学べます。本格的な動画学習にはMOOCもおすすめ
MOOC(大規模公開オンライン講座)のCourseraやFuture Learnで大学などが提供している講座に挑戦するのもいいでしょう。「art history」などとコースを検索すると、アートの講座が出てきます。まずは無料のものを受講してみましょう。
英語でアートを学べるスクールや大学の講座
動画を見ているうちに、美術史や美術鑑賞の授業を受けたくなった!という方に、英語でアートが学べるスクールと大学の公開講座を紹介します。
Alliance (アート・アライアンス)">Art Alliance (アート・アライアンス)
『英語でアート!』共著者の宮本由紀さん主宰のスクールです。英語と西洋美術史が同時に学べます。アート好きな人、アーティストを目指す人、アートを仕事にしている人向けなどの講座やイベントが行われています。随時日本語も交えて説明する講座もあるので、少しずつ英語でアートに親しんでいくことができます。
テンプル大学の生涯教育プログラム
アメリカのテンプル大学の日本校、テンプル大学ジャパンキャンパスでは、一般向けの公開講座が英語で行われています。「文化・芸術プログラム」として、現代アート、日本美術、写真、インテリアデザイン、美術館ガイドなどのコースを用意。講座によりますが、外国籍の受講生が平均約3割で、英語圏以外にもドイツ、イタリア、スウェーデン、中国、ブラジル、キューバ出身などさまざまな学生が参加しているそうです。中上級レベル以上の英語力が必要ですが、英語圏の大学に留学しているような気分に浸れそうですね。
無料で参加できるアーティスト・トークや講演会
いきなり講座を受講するのはハードルが高いという方には、美術館やアート関連団体で開催されるイベントに行ってみるのをおすすめします。多くは無料または安価で参加できます。
美術館では、企画展の開催に合わせて来日したキュレーターなどが英語で講演を行うことがあります。他に、独立行政法人 国際交流基金やNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]などでも、アーティストなどによる英語のトークや講演が時折開催されています。メールマガジンを購読して、チェックしてみては。
アートについて英語で語れる場
アートについて英語で話したい!という方には、次のような場をおすすめします。
カフェ英会話♪「英語でアートナイト」
英会話カフェとして月1回開催されている「アート」がテーマのおしゃべり会です。好きなアーティストや作品のこと、最近行った美術展についてなど、各自が好きなことを自由に話します。事前予約制、参加費500円+ワンドリンクオーダー。
(※2020年3月時点では、開催されていません)
美術館や芸術祭でボランティア
参加するのにちょっと勇気が要るかもしれませんが、日本を訪れる外国人の増加に伴い、ミュージアムやトリエンナーレなどと呼ばれる芸術祭などで、英語ができるボランティアの需要が高まっています。英語で情報を案内したり美術ガイドを担当したりすることが多いようです。アート好きの国内外の友達ができるかも!
こちらもおすすめ!
まずこちらは、ビジネスパーソンとして押さえておきたい西洋美術史の基本を解説する本です。
次は、西洋美術を読み解くのに欠かせない「聖書」の物語をやさしい英語と日本語訳で学べる本。
最後にご紹介するのは、ちょっと変わった趣向の本です。イギリスの美術史家が、4万年の美術史を68篇のショートストーリーでつづっています。
文:Irene
インバウンド対応で増えてきた、美術館の英語表記。これを読みながら展示を見ると、海外にいるような気になれます。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
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思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。