英語学習を継続させるコツは、楽しむ時間を持つこと。でも、いくら楽しいことでも、ずっと同じ学習を続けると飽きてしまいますよね。そこで、1000時間の学習を彩るとっておきのメニューを、アルクの総合英語学習アプリ「booco(ブーコ)」で提供中の「ヒアリングマラソン」のコーチ、松岡昇先生に教えていただきます。
目次
1000時間の特訓メニュー:9つの習慣
この連載の第1回では、中級者の壁を乗り越えるためには「1000時間の練習が不可欠」、しかも「3年以内で」というお話をしました。この過酷な練習を乗り切るために、 連載の第2回では、自分にとって楽しい練習にする提案をしました。
さて今回は、その具体的な取り組み方、つまり学習習慣についてお話しします。題して「1000時間の英語学習を充実させる、9つの習慣」です。皆さんの特訓メニューのヒントにしてください。
1:ルーティン学習をコア教材で(習慣の中心軸)
1000時間の学習をするには、その中心となる教材(コア教材)が必要です。
コア教材となるものは、例えば定期的に更新されるオンラインの英語学習プログラムや月刊の英語学習誌です。その教材を日々の学習の中心に据えてルーティンとし、一定量の学習を確保します。
スマートフォンで学習できるようになった「1000時間ヒアリングマラソン」(アルク)や、クロスメディアで受講できる「NHK テレビ・ラジオ語学講座」(NHK)などがオススメです。
2:音声を持ち歩く(多聴)
1000時間の学習には、隙間時間の活用が不可欠です。コア教材やその他の教材の音声をスマートフォンに入れて持ち歩きましょう。
通勤時間が片道1時間だとすれば、毎日2時間はリスニングの練習ができます。私は40年前、当時月刊誌だった『ENGLISH JOURNAL』のカセットテープを持ち歩き、テープが擦り切れるほど毎日のように聞いていました。
3:寝る前に「1分間の独り言」(話す訓練)
毎晩寝る前に「AI とおしゃべり」を英語でしてみましょう。
家族と話すつもりで、「今日あったこと」や「明日の予定」、「気になっていること」などを布団の中でおしゃべりします。 ChatGPT-4oなどの音声で会話のやりとりができるアプリを使います。どうも寝つきが悪くなるという人は、出勤または帰宅途中でもいいでしょう。
4:週末にはネット動画(現実との接点)
「教科書(本)」の中だけの学習では退屈になりがちです。語学の最大の面白さは、やはり、現実の中でその言葉を理解したり使ったりする経験です。
その点、ネット動画は自分の学習に「現実との接点」を提供してくれるので、日頃の学習の刺激になります。NHK WORLD の News はできれば毎晩、また、週末には趣味などのネット動画を見るようにしましょう。
5:月2回はディクテーション(精聴)
コア教材などの音声を使って、月に2回程度ディクテーションをしましょう。
長い音声は避け、1分程度のものでやります。5~6回、繰り返し聞きながら書き取り、その後、スクリプトを見て聞けなかった部分をチェックします。
「模範的(教科書的)な発音」と一般の話者の発音はかなり異なります。現実の発音に慣れるためにはディクテーションが有効です。
6:2カ月に1冊の本、または1本の映画を(まとまった内容)
教科書、学習誌、問題集などで見る(聞く)英語は、大抵が短い内容のものです。従って、感動や知的刺激はありません。そこで、2カ月に1冊は英語の本を読む、あるいは英語の映画(動画配信サービスなど)を1本見て、まとまった内容の英語を経験しましょう。
連載第2回でご紹介した Penguin Readers のような簡単な読み物や、自分の趣味に関連する本、日本文学の英訳本(例:漱石の Botchan )などから始めてもよいでしょう。
また、映画は DVD や動画配信サービスであれば、英語・日本語の音声と字幕を自由に選択し、組み合わせることができます。次のような組み合わせで3回くらい繰り返し見るといいでしょう。
- 1回目 音声:日本語、字幕:英語
- 2回目 音声:英語、字幕:英語
- 3回目 音声:英語、字幕:なし
7:半年に1度は他の学習者と交流(モチベーション)
1000時間の学習にはモチベーションの維持が欠かせません。セミナーやイベント、学習会などに参加すると必ずモチベーションはアップします。
講師から学ぶだけでなく、会場で交流した他の参加者から刺激を受けたり、学習法や悩みをシェアしたり、学ぶことは少なくありません。半年に1度は参加しましょう。
8:年に1度は英語技能試験を受ける(目標と評価)
長期的な目標を達成するためには、段階的な短期目標を設定することが効果的です。
例えば、「最終目標は映像翻訳家になることだけど、とりあえず9月の TOEIC で800点を超えよう」と。
そして試験を受け、評価を受け、一定の緊張と刺激で学習が継続されます。TOEIC、英検、通訳案内士(通訳ガイド)試験などをその道具にしましょう。
9:学習時間を記録(計画管理)
以上の活動を手帳やアプリに記録し、1週間単位で管理します。記録も管理も大ざっぱで結構です。その日の学習時間を残し、週末に1週間の合計を出します。
自分の計画に沿って、学習が週20時間ペース(1年で1000時間)で進んでいるか、または週10時間ペース(2年で1000時間)か、週7時間ペース(3年で1000時間)かをチェックします。「週7時間」を下回らないことが肝要です。
アルクの「ヒアリングマラソン」には、アプリで学習した時間を自動で計測し、ランキングとして表示する機能があるため、1000時間を目指して努力する仲間を意識しながら学習を進めることができます。わざわざ自分で記録するのが面倒だ、という方にもオススメですよ。
予告:次回は「Youtube や海外ニュースがあなたのコア教材に! 1000時間を楽しむ「12ステップ英語独学法」」についてお話しします。
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