if I amとif I wasとif I wereの違い。ポイントを絞ってやさしく解説【3分で分かる英文法】

TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんが、やさしく英文法を解説する本連載。第11回は接続詞ifを使ったif I am/if I was/if I wereの違いや使い分けについてです。直接法、仮定法について知ると、英語で表現できる幅がぐっと広がります。

if I amとif I wasとif I wereの違い

こんにちは。トイグルの田邉です。

英語を学んでいると、if(もし・・・ならば)という接続詞をよく見かけます。if I am not feeling well tomorrow(もし明日調子が悪かったら)のように単なる条件を表すこともあれば、if I were you(もし私があなたなら)のように現在の事実に反する仮定を表すこともあります。

この2つについて、使い分けが分からず、困っている方も多いでしょう。そこでこの記事では、英語のifの使い方について、分かりやすく解説していきます。

内容を理解しやすいよう、I am / I was(were)のように、1人称を主語にする形で説明します。if I was / if I wereの違いについても述べるので、実際に使える英語力を高めるための参考になるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

if I am(単なる条件)の使い方

初めに、条件を表すif I amについて考えていきましょう。次の例文をご覧ください。

If I am free tomorrow, I will help you move.
(もし明日暇なら、引っ越しの手伝いをしますよ)

この例文では、話し手がもし翌日暇であれば、引っ越しの手伝いをすると述べています。話し手が暇かどうかは、単なる条件に他なりません。暇であれば手伝う、暇でなければ手伝わない、といったことになるでしょう。

こうした場合はif節内で、直接法を使います。従って、I am・・・のように、現在形になっているんですね。

なお、if節内の表す話は未来のことですが、英語では時や条件を表す副詞節では、未来のことでも現在形で表すといったルールがあります。そのため、ここでは未来であっても、現在形が使われているのです。

if I was / if I were(現在の事実に反する仮定)の使い方

続いて、現在の事実に反する仮定を表すif I was / if I wereについて説明していきます。次の例文をご覧ください。

If I were taller, I could reach the top shelf.
(もしもっと身長が高ければ、上の棚に手が届くのになあ)

話し手は、身長が今より高ければ上の棚に手が届くと述べています。文脈から推測するに、話し手の実際の身長は、棚に手が届くほど高くはありません。

この例文におけるifは、現在の事実(=話し手の身長が高くない)に反する、仮定の状況(=仮に身長が高ければ)を表します

こうした仮定の状況には、仮定法を使います。仮定法にもさまざまな種類がありますが、典型的には、例文に表れているように、動詞の時制を1つ前に戻します。そのため、If I were・・・と、過去形が使われているんですね。

if I wasとif I wereの違い

最後に、if I wasと if I wereの違いについても触れておきましょう。

I(私が)は1人称単数の人所代名詞につき、wereを使うのは一見おかしく見えます。ただ、これは英語の歴史的な経緯によるもので、今でもwereを用いるのが「正式」な表現として、認められています。

意味の面から言えば、if I was・・・と if I were・・・で違いはありません。次の2つの例文を比較してみましょう。

If I was you, I would take a day off and relax.
If I were you, I would take a day off and relax.
(もし私があなたなら、一日休んでリラックスする)

上はif I was・・・、下はif I were・・・の例ですが、いずれも同じ意味で解釈できることが分かると思います。

なお、私が言語データベースで調べたところ、if I was・・・より、if I were・・・の方が、頻度の面で多く使われているようでした。この2つの選択で迷ったら、ひとまずif I wereを選んでおけば、間違えることはないでしょう。

まとめ

この記事では、if I amとif I wasとif I wereの違いについて説明してきました。内容をまとめると、次のようになります。

  • 単なる条件を表す場合、if I am・・・のように直接法を使う
  • 現在の事実に反する仮定を表す場合、if I were・・・のように仮定法を使う
  • if I were の方が正式な表現だが、if I wasを使うこともできる

会話はもちろん、英作文の際もぜひ意識してみてください。

この記事の詳細は『英語の仮定法とは?種類と使い方をわかりやすく説明!』でもご覧いただけます。

「3分で分かる英文法」記事一覧

第1回:canとbe able toの違い
第2回:willとbe going toの違い
第3回:mustとhave toの違い
第4回:May I ~? Can I ~? Shall I ~?の違い
第5回:shouldとhad betterの違い
第6回:Will you ~?とCan you ~?の違い
第7回:mayとmight、canとcouldの違い
第8回:wouldとused toの違い
第9回:might have、should have、would haveの違い
第10回:不定詞(to do)と動名詞(doing)の違い
第11回:if I amとif I wasとif I wereの違い
第12回:not to doとto not doの違い

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田邉竜彦(たなべ・たつひこ)
田邉竜彦(たなべ・たつひこ)

英語教師。月間40万人に読まれる英語学習メディア『トイグル』を運営。TOEICR対策特化型スクール『トイグル』代表。マンツーマン講座とセミナーで社会人を中心に200名以上の英語学習をサポート。英ストラスクライド大学大学院経営学修士(MBA)、英ウォリック大学大学院英語教授法修士。

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