might have、should have、would haveの違い。それぞれのニュアンスを詳しく解説【3分で分かる英文法】

TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんが、やさしく英文法を解説する本連載。第9回はmight have、should have、would haveの違いについてです。複雑で苦手な人も多いと思いますが、使いこなせると表現できる英文がぐっと増えます。

should have、might have、would haveの違い

こんにちは。トイグルの田邉です。

英語の助動詞might、should、wouldは、“have + 過去分詞”を後ろに置く形式で使われることがあります。mightは「~かもしれない」shouldは「~すべきである」、そしてwouldは「~だろう」といった意味があります。

これらに“have+過去分詞”が加わることで、さまざまな意味合いに変化し、より彩り豊かな英文を作ることができます。ただ、形式が複雑になるため、使い方がいまいち分からない、という方も多くいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、これらの表現の違いについて分かりやすく解説していきます。一歩上の英語力を身に付けるヒントになるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください!

(動詞の過去分詞はpast participleと呼ばれます。本記事では、頭文字を取ってp.p.と記載していきます)

might have p.p.とshould have p.p.の違い

はじめに、might have p.p.とshould have p.p.の違いを見ていきましょう。

might have p.p.には、「~したかもしれない」の意味で、過去の可能性を表す用法があります。

次の例文をご覧ください。

I might have left my keys at the office.
(会社に鍵を忘れてきたかもしれません)

話し手は、会社に鍵を忘れてきたかもしれないと述べています。会社に鍵を忘れたのは、過去の出来事です。

ただ、もしかしたら、話し手が鍵を置き忘れたのは、会社ではなく別の場所かもしれません。確信が持てないため、助動詞might(~かもしれない)を使うことで、その度合いを弱めているということですね。

続いて、should have p.p.には「~すべきであった(のに)」の意味があります。

次の文をご覧ください。

I should have studied more for the test.
(テストのためにもっと勉強しておけばよかった)

話し手は、テストに向けてもっと勉強しておけばよかったと、後悔にも似た感情を表明しています。例文から見て取れるように、should have p.p.には「実際にはそうでなかった」のニュアンスが含まれます。話し手は、実際はあまり勉強していなかったのです。

should have p.p.とwould have p.p.の違い

続いて、should have p.p.とwould have p.p.の違いを考えていきましょう。ここでは、仮定法の帰結節(=結果を表す部分)に現れる場合を見ていきます。

まずは、should have p.p.の例文をご覧ください。

If I had studied more, I should have done better on the test.
(もっと勉強していれば、テストはもっとうまくいっただろうに)

前半部分では、話し手は「もっと勉強していれば」と、過去の出来事に対する仮定の状況を表しています。そして、後半部分で「テストはもっとうまくいっただろうに」と述べています。

要するに、し手は勉強しなかったので、テストがうまくいかなかったわけですね。

上記の英文において、shouldはwouldに置き換えて使うこともできます。意味は変わらず、「~だろうに」のようになります。つまり、この用法におけるshouldには、「~すべき」のような意味はあまり強くないことが分かります。

続いて、would have p.p.の例文をご覧ください。

If I had known about the traffic, I would have left earlier.
(渋滞を知っていれば、もっと早く出発したと思います)

こちらも仮定法を使った英文です。

「渋滞を知っていれば、もっと早く出発した」ということは、「話し手は渋滞を知らなかったため、早く出発しなかった」と推察できます。

すなわち、would have p.p.はしばしば、意図が実現しなかったという意味が込められます。

なお、これまで見てきたように、should have p.p.とwould have p.p.は、概ね近いニュアンスになります。ただ、使用頻度としてはwould have p.p.の方が、should have p.p.に比べて、多く使われます。

よって、迷ったらwould have p.p.を使えば、大きく間違えることはないでしょう。

まとめ

この記事では、might have p.p.とshould have p.p.の違い、およびshould have p.p.とwould have p.p.の違いについて説明しました。簡単にまとめると下のとおりです。

might have p.p. 「~したかもしれない」の意味で、過去の可能性を表す。
should have p.p. 「~すべきであった(のに実際にはそうでなかった)」のニュアンスを表す。
would have p.p. 「(~だったら)~したであろう」と、しばしば意図が実現しなかったことを表す。

それぞれ特有の用法がありますが、正しく使い分けることで英文を正確に読んだり、話したりすることができるはずです。

次回の記事もお楽しみに!

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田邉竜彦(たなべ・たつひこ)
田邉竜彦(たなべ・たつひこ)

英語教師。月間40万人に読まれる英語学習メディア『トイグル』を運営。TOEICR対策特化型スクール『トイグル』代表。マンツーマン講座とセミナーで社会人を中心に200名以上の英語学習をサポート。英ストラスクライド大学大学院経営学修士(MBA)、英ウォリック大学大学院英語教授法修士。

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