死んでいないのに “I'm literally dying”?― 「literally」の意味変化と上手な使い分け

英語は常に変化する「生きた言語」です。SNSの普及や若者文化の影響で、言葉の使われ方はあっという間に広がり、もとの意味から大きくズレることもしばしば。その代表的な例が「literally」です。本来「文字どおりに」という意味だったこの単語は、今ではどんな意味に使われているのでしょうか。

1. 本来の「literally」とは?

「literally」はラテン語 litera(文字)に由来し、長らく「文字どおりに」「逐語的に」「正確に」という意味で使われてきました。

He translated the poem literally, word for word.
彼はその詩を逐語的に訳した。

ここでの literally は、「誇張や比喩ではなく、本当にその通り」という意味を担保する働きをしていましたが、現在の意味を以下の動画で解説しています。

※Instagram「 英語のアルク 」と連動中!



As you all know, the English language is always changing. For example, the word literally. So the original meaning of literally was — or is — ─ verbatim, word for word, exactly. But now the word has come to mean seriously, totally, so freaking much, really.

So you might have heard people say, “Oh my God, I'm literally dying,” Or the most common that I hear is, “I literally can't even,” which just means I seriously can't handle this right now.

So the word literally has even been recognized by the Oxford English Dictionary as having changed its meaning. So just don't use literally in formal writing, but you can use literally for literally any situation now. literally I literally can't even keep up with the changing of the English language.

知ってると思うけど、英語ってほんと常に変わってるんだよね。たとえば「literally(文字どおりに)」っていう単語。もともとの意味は「逐語的に」「言葉どおりに」「正確に」って感じだったんだけど、今じゃ「本当に」「完全に」「めっちゃ」「すごく」って意味で使われるようになっちゃったの。

だから「Oh my God, I'm literally dying!(オーマイゴッド、まじで死にそう)」とか、私が一番よく聞くのは「I literally can't even(マジで無理)」ってやつね。これはつまり「今は本当に対処できない!」ってこと。

しかも、この使い方はオックスフォード英語辞典にも載ってるんだよ。もう“意味が変化した”って正式に認められてるの。ただし注意! フォーマルな文章では使わない方がいい。でもカジュアルな場面なら、literallyは文字どおりどこでも使えちゃう便利ワード。英語の変化、ほんとについていくの大変だよね。

2. どうして意味が変わったの?

近年、特にアメリカ英語において「literally」は強調の副詞として広まりました。 seriously(本当に) totally(完全に) so freaking much(めっちゃ) really(すごく) といったニュアンスを表す便利な言葉になったのです。 これは「言葉のインフレーション」の一例です。従来の強調語(very, really, soなど)が使い古され、よりインパクトのある表現を求めた人々が「literally」を借用したと考えられます。

3. 実際によく耳にするフレーズ

“Oh my God, I'm literally dying.” (オーマイゴッド、まじで死にそう。)
→ 笑いすぎて苦しい、驚きすぎてやばい、などの誇張表現。

“I literally can't even.” (マジで無理。)
→ 「今は本当に対処できない」「ショックで言葉も出ない」という意味。SNSのミームとして定着。

“She literally lives at the gym.” (彼女、まじでジムに住んでるレベルだよ。)
→ 実際に住んでいるわけではなく、「毎日通ってる」という誇張。

4. 辞書も認めた「意味変化」 実はこの使い方、単なる俗語ではありません。

Oxford English Dictionary(オックスフォード英語辞典)やMerriam-Websterは、すでに「誇張・強調を表すliterally」を正式に記載しています。 これは「誤用の定着」が公式に認められた珍しいケースです。かつては文法マニアや教師が「それは間違いだ!」と指摘していた表現が、今では日常英語として当たり前に使われているのです。

5. 使うときの注意点

ただし、どこでも使えるわけではありません。 フォーマルな文章(論文・ビジネスメールなど)では、本来の意味でしか使わない方が無難。 カジュアルな会話やSNSでは、「literally=めっちゃ/本当に」の意味で気軽に使える。 つまり、場面によって「使い分け」が必要です。

6. まとめ

本来の意味: 「文字どおりに」 「正確に」
現代の意味: 「本当に」 「めっちゃ」 「すごく」

辞書も認めた意味変化 フォーマル文書では避けるべきだが、会話やSNSでは大活躍 最後に一文。

I literally can't even keep up with the changing of the English language.
英語の変化には、まじでついていけないね。

SERIES連載

2025 09
NEW BOOK
おすすめ新刊
英会話は3週間だけ続けなさい[音声DL付]
詳しく見る

3分でTOEICスコアを診断しませんか?

Part別の実力も精度95%で分析します