大学受験の英語は何から始めればいい?ゼロから始める高校生に教えます

大学受験の英語をこれから始める高校生が「何から手をつければいいかわからない」と悩む理由は、英語学習の全体像が見えていないからです。解決するには、まず基礎となる単語と文法から始め、志望校の出題形式を確認したうえで、必要な分野を優先的に学習することが重要です。本記事では、リーディングやリスニングなど、それぞれの分野別のおすすめ教材や効率よく勉強する方法を紹介します。

大学受験英語の勉強を始める前にやるべきこと

大学受験の英語の勉強を始める前にやるべきことは、以下の3つです。

  • 自分のレベル・苦手分野を確認する
  • 目標を設定する
  • 学習の計画を立てる

自分のレベル・苦手分野を確認する

大学受験の英語をゼロから始めるとき、まずは自分のレベルを把握しましょう。自分のレベルに合わない教材では、勉強の効果が薄くなってしまいます。
大学受験の勉強をスタートするには、中学レベルの基礎が必須です。基礎が身についているか確認するには、中学英語の問題集を1冊解いてみるのがおすすめです。解けない箇所があれば、受験勉強に入る前に必ず復習してください。

また、苦手分野の確認も大切なので、模試を受けたことがあれば結果を見返してみましょう。成績表には分野別の得点が載っているため、文法・読解・リスニングのどこが弱いかが一目でわかります。苦手分野が明確になれば、そこから優先的に取り組めるので、限られた時間を有効に使えます。

目標を設定する

大学受験の勉強を始める前に、まず志望校や共通テストの目標点数を設定しましょう。志望校によって求められる英語力や出題形式が異なるため、勉強の内容や計画も変わってくるからです。

ただし、いきなり高すぎる目標を掲げると途中で挫折しがちです。「3月後の模試で偏差値50を超える」など、段階的な目標も設定するとモチベーションを保ちやすいです。

学習の計画を立てる

目標を決めたあとは具体的な学習計画を立てましょう。受験までの残り時間から逆算して、何をどれだけ勉強すべきか明確にする必要があるからです。
今が高校何年生の何月なのかによって、立てるべき英語の学習計画は大きく変わってきます。受験までの残り時間を把握し、その期間で達成可能な内容に絞り込んでいきましょう。
参考書の選び方や学習範囲を調整しながら、現実的なスケジュールを組み立てていくことが大切です。

次に、1日あたり英語にどれだけ時間を使えるか考えてください。現役生は学校もあるため、勉強できる時間は限られています。たとえば「平日は1時間、週末は2時間」といった形で、継続可能な時間を見極めましょう。
そのうえで、1週間単位で計画を立てると、予定のズレにも対応しやすくなります。

大学受験英語で最初にやるべきこと

大学受験の英語学習で最初にやるべきことは、以下の2つです。

  • 最低限の英単語を覚える
  • 英文法をマスターする

最低限の英単語を覚える

大学受験の英語をゼロから始めるなら、最初に基礎レベルの英単語を覚えましょう。中学で学ぶ単語を含め、受験英語の土台となる語彙を身につける必要があります。
しかし、英単語がなかなか覚えられないと悩む高校生は少なくありません。単語を効率的に覚えるには、受験の土台となる基礎単語を集中的に学び、音声と一緒に何度も復習することが重要です。

どの単語帳を選べばいいかわからないという場合は、「改訂第2版キクタン【Entry】2000語レベル」がおすすめです。
入試問題を徹底調査し、大学受験への基礎となる600語を厳選しています。英語と日本語訳の両方が音声収録されているため、通学時間などのスキマ時間にも学習が可能です。

1日8語、約3ヶ月半で、大学受験に必要な600語をマスターできます。

英文法をマスターする

文法をしっかり身につけると、リーディングやリスニングのスピードが格段に上がります。

英文法をマスターするには、苦手な文法を明確にして克服すること、そして何より品詞の役割を理解することが欠かせません。品詞の理解が曖昧なまま文法ルールを暗記しても、点数につながりにくいからです。

そこで重要なのが、中学レベルの英文法や品詞をしっかり固めることです。ただし、一般的な中学生向けドリルは例文が簡単すぎて、文法を理解していなくてもなんとなく解けてしまいます。また、品詞の説明が不十分なものも多いです。

大学受験を見据えた高校生には「1カ月で攻略! 大学入試読むための英文法【基礎編】」がおすすめです。本書は、「わかったつもり」を許さない例文設計が特徴で、文法を本当に理解していないと解けない語彙を厳選しているため、あなたの弱点が一目でわかります。
品詞をとことん解説しているのも特徴です。英文のカタマリごとに色分けや矢印を使った視覚的なアプローチで、今まで曖昧だった品詞の役割がスッキリ理解できます。

【分野別】ゼロから始める人向けおすすめ教材

英単語や英文法の基礎をマスターしたら、共通テストや志望校に必要な分野別の学習を始めましょう。ここでは、各分野の学習で押さえておきたいポイントと、おすすめの教材を分野別に紹介します。

リーディング

共通テストの英語リーディングでは、長文を読んで内容に合う選択肢を選ぶ問題が中心です。さらに、バラバラになった段落を正しい順番に並べ替える問題も頻出です。これらの問題を解くには、限られた時間の中で情報をすばやく、正確に処理する力が求められます。

共通テストのリーディングで点数を伸ばしたいけど、英語にたっぷり時間をかけられない」という人は「2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング」がおすすめです。

特徴

  • 最速1ヶ月で完成できる構成なので、他の科目と両立しながら無理なく対策できる
  • 長文を「読む型」と正解を導き出す「解く型」がわかるから、点数に直結する
  • 2025年の本試験・追試験を徹底分析し、最新傾向の問題に完全対応(別冊模試つき)

文法

共通テストでは文法問題が出題されませんが、長文読解には文法知識が必須です。また、私立大学や国公立二次試験では空所補充、整序問題、正誤問題などの文法問題が出題される大学も多くあります。専用教材で効率的な解き方をマスターしましょう。

標準レベルの頻出文法問題を仕上げるのに最適なのが、英文法ポラリス[1 標準レベル]です。スタディサプリで人気の英語講師、関先生が執筆した本書は「志望校レベルの問題だけ、かつ実際に出る問題だけを解く」がコンセプト。関先生のわかりやすい解説で、着実に力をつけられる一冊です。

【特徴】

  • 志望校レベルに合った問題のみ掲載されているため、効率よく勉強できる
  • 最新の入試問題を分析し、今後も出題されそうな問題のみ収録されている
  • 単元別の構成になっており弱点を発見・克服しやすい

本書は、基礎的な文構造(句・節、自動詞・他動詞、品詞など)を理解している前提で解説されています。基礎的な文構造に不安がある人は、まずこれらをマスターしてから本書に進んでください。以下の記事では、基礎的な文構造を学べる初心者向けの参考書も紹介しています。

英文解釈(和訳)

英文解釈とは、読解問題のように大意をつかむだけでなく、英文の構造を正確に分析し、一語一句の文法的役割を明確にしながら訳す作業です。難関大学では和訳問題が頻出するため、志望校で出題される場合は専用教材での対策が必要になります。志望校で和訳問題が出ない場合は、ほかの分野の学習に時間を割きましょう。
英文解釈(和訳)を学ぶはじめの1冊としておすすめなのが「大学入試はじめの英文読解ドリル
」です。「考え込むよりまず手を動かそう」というコンセプトのもと、実際に書いて練習することで、自然に英文解釈の力が身につきます。

【特徴】

  • 基礎的な英文から始め、少し複雑な英文へと段階的に進むため、着実に力をつけられる
  • 入試実践演習問題も掲載されており、習得した知識が本番でどう使えるか確認できる
  • 1回の学習はおよそ15分でできるように作られているため、スキマ時間を効率よく使える

英文解釈におすすめの参考書は、以下の記事でも紹介しています。

リスニング

リスニングは、国公立二次や私立大学入試では外国語系を除き出題が少ないものの、共通テストでしっかり得点するためには重要になります。教材はCDやスマホアプリで音声を聞きながら進めるため、事前に自分の環境で音声再生ができるか確認しておきましょう。

共通テストまで時間がないけど、リスニングスコアを上げたい人におすすめなのが「2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リスニング」です。本書は20日間で完成できる構成なので、共通テスト1カ月前からでも間に合います。

【特徴】

  • 2025年の本試験・追試験を徹底分析し、最新傾向の問題に完全対応(別冊模試つき)
  • 点数に直結する問題の先読みの仕方や言い換えの探し方、情報処理の方法がわかる
  • スマホアプリ「 booco 」で音声を無料ダウンロードできるため、通学中などスキマ時間を活用していつでも学習できる

英作文

難関大学では英作文が出題されることがあります。英作文には、日本語を英語に訳す「和文英訳」と、テーマについて自分の意見を英語で書く「自由英作文」の2種類があります。志望校の出題形式を確認し、出題される場合は専用教材で対策しましょう。

「どう書き始めればいいかわからない」「英作文が苦手」という人におすすめなのが「夢をかなえる英作文 ユメサク」です。本書では、日本語をそのまま英するのではなく、英語にしやすい日本語に変換する「和文和訳」のコツが満載で、英作文をするときの頭の使い方がわかります。

【特徴】

  • 書いて読んで覚える反復練習で、語彙・文法・頻出表現が自然に身につく
  • スマホアプリ「booco」でも学習できるため、通学中などスキマ時間を活用できる
  • 日本語・英語の順で例文を読み上げる音声つきで、音読やシャドーイング練習もでき、英作文と同時にスピーキング力も鍛えられる

英検

英検は外部検定利用入試でほぼすべての大学で利用でき、出願資格、合否判定での評価、得点換算、加点などの形で活用されます。級やスコアは生涯有効ですが、入試では有効期限が2年と定められている大学が多いため、高校2年生以降に取得を目指しましょう。有効期限については、必ず志望校の入試要項を確認してください。

最短で合格を目指すなら英検専用の教材を使いましょう。「1カ月で攻略! 英検2級」は、英検を熟知する講師陣が作った教材で、1カ月という短期間で合格を目指せる構成になっています。

【特徴】

  • 一次試験・二次試験ともに英検3回分を超えるボリュームで対策できる
  • スピーキング、リーディング、リスニング、ライティングをそれぞれ得意分野とする講師が担当しており、効果的な攻略法を学べる
  • 森田先生の無料動画で、英検の各問題の形式と解き方を理解できる

効率的に英語学習を進めるためのポイント

効率的に英語学習を進めるためのポイントは、以下のとおりです。

  • 適切なタイミングで復習をする
  • 長時間よりも毎日継続することを意識する
  • 定期的に自分の実力を確認する

適切なタイミングで復習をする

効率的に英語学習を進めるためには、復習のタイミングが重要です。エビングハウスの忘却曲線によると、学習から1時間後には約56%、1日後には約66%、1週間後には約77%もの情報を忘れてしまいます。

覚えた内容を完全に忘れる前に復習することで、二度目に覚える時間を大幅に節約でき、効率よく学習できます。とはいえ、最適な復習タイミングを自分で判断するのは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、スマホアプリ「booco」です。boocoは、アルクの参考書や問題集をスマートフォン一つで学習できるアプリで、書籍の内容をもとにしたクイズを解くことができます。エビングハウスの忘却曲線とあなたの理解度にもとづき、忘れかけた内容や苦手な問題を最適なタイミングで再出題してくれるため、効率的に復習を続けられます。

長時間よりも毎日継続することを意識する

受験勉強で意識すべきなのは、長時間の勉強よりも毎日継続する習慣です。
エビングハウスの忘却曲線が示すとおり、学習から1日経つと約7割もの内容が頭から抜けてしまうからです。週末にまとめて詰め込んでも、復習しなければ翌週にはほとんど記憶に残りません。
効率よく学習するには、忘れる前に復習することが大切です。覚えた内容を完全に忘れる前に繰り返し英語に触れれば、二度目に覚える時間を大幅に節約できます。

たとえば、週末に5時間まとめて勉強するより、毎日1時間でもコツコツ復習しながら取り組むほうが、記憶にしっかり定着します。

定期的に自分の実力を確認する

模試や過去問を活用して、定期的に自分の実力を確認しましょう。現在地が把握できれば、伸び悩んでいる分野を集中的に学んだり、計画を修正したりできます。
単語力は上がったけれど長文読解のスピードが遅い、文法問題は得意だけどリスニングが苦手など、具体的な課題が見えてくるため、弱点を重点的に補強して効率よく得点を伸ばせます。

また、志望校の過去問にも早めに触れておきましょう。出題傾向や難易度を知ることで、今の勉強が本当に合格につながるのか判断できます。

まとめ

大学受験のための英語学習をゼロから始めるときは、基礎となる単語と文法からとりかかりましょう。志望校により対策すべき内容は異なるため、まずは入試情報を確認してください。そのうえで、分野別の参考書を1冊やりこむのがおすすめです。効率よく英語力を伸ばすには、1回の学習時間よりも定期的な復習が重要になります。焦らず毎日コツコツ継続し、合格をつかみとりましょう。

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