
韓国語を「学ぶ」ステージから、「教える」ステージへ――。「韓国語を教えるために必要な情報」がふんだんに詰まった1冊。それがアルクから発売中の『韓国語の先生になろう』です。その中身の一部を特別にお見せする短期集中連載、第3回目となる今回は、より実践的で役立つ「教えるための工夫やコツ」をお届けします!
第1回では「韓国語を教える人が身につけておきたいこと」を、第2回は「韓国語を教える現場の種類と求められる資格」そして「韓国語講師の採用情報」に関する情報をご紹介してきました。
❖ 第1回、第2回の記事はコチラから!
本書『韓国語の先生になろう』では、「韓国語を教えるための工夫やコツ」をまとめて紹介した章もあります。第3回となるこの記事では、その中から特別に一部を公開!(WEBページ閲覧用に若干の調整を加えておりますのでご了承ください)
教える工夫やコツ① 日本語話者に合った教え方とは?
日本語話者の講師だからできる説明、発音に関しては本書の第2章でも述べていますが、それ以外にもあります。たとえば、「日本語と韓国語は共通の漢字語が多い」と伝えることで、学習者がより多くの語彙を楽に覚える助けになります。
日本語の漢字には音読みと訓読みがあり、複数の読み方を持つものも多いですが、韓国語の漢字は基本的に読み方が1つです(一部例外あり。たとえば「金」は금と김、2つの読み方がある)。それを説明するだけでも、だいぶ学習者の負担を減らせますし、漢字語の単語を覚えようという意欲もアップさせることができるでしょう。同じ漢字を使った単語をまとめて紹介するなど、授業内での提示の仕方をいろいろ考えてみてください。
また、日本語と似ている部分、違っている部分を把握できていれば「ここは直訳でOK」「ここはちょっと違うから丸暗記しちゃいましょう」という説明も可能になります。
日本語話者に教えるとき、講師が日本語話者であることは強みになるのです。十分に活用しましょう。
教える工夫やコツ② 「少しだけ多め」に盛り込む
私の授業を見た人に「前田先生の授業はスパルタですね」と言われたことがあります。第5章で紹介したライブ授業の動画を見ていただくと分かるように、私の授業は決してスパルタではありません。そもそも、「消化するのが大変な課題を与えて、しごく」ようなイメージを想起する「スパルタ」という表現が好きではありません。
それでは、「スパルタ」というイメージはどこから来ているのだろう、と思ったのですが、授業に関しては「少しだけ多め」に盛り込むことを意識しているので、もしかしたらそれが理由かもしれません。
受講生の分析のところでも触れましたが(40ページ参照)、「受講者のレベルより少しだけ高めの目標を設定する」、そして「練習問題を少しだけ多めに用意する」「授業の展開を少しだけ速めにして、テンポよく進める」。これらは、たるんだ授業にならないよう、私が常に意識している点です。
ただし、ところどころちょっとした「寄り道」も挟んで授業にメリハリをつけ、受講生を飽きさせないように工夫しています。例を紹介しましょう。
「更新」は、意味によって漢字の音を読み分ける、珍しい単語です。
「갱신」と読む場合は、免許証の更新などの「法的な書き換え」の意味です。
一方、「경신」と読む場合は、運動競技などの「新記録の書き換え」の意味です。競技(경기)の新記録更新だから「경신」と紐づけると覚えやすいでしょう。
では、この本の6ページに出てくる「目標の更新」はどちらでしょうか?
(※実際の書籍ページには、参考動画へのリンクとQRコードも掲載しています)
「韓国語を教える」、そのために必要な情報が満載
この記事でお届けするのはここまでとなりますが、『韓国語の先生になろう』では、「声の出し方と身振り手振り」「受講生へのコメント」など、数多くの実践的な工夫・コツをご紹介しています。ぜひお手に取って、ご自身の準備やトレーニングにお役立て下さい。
また、本書は巻末付録も非常に充実!次回記事では、その一部をお見せしますのでお楽しみに。
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なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
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