「韓国語の先生」になるために身につけたいこと 学んだ経験を活かして、韓国語を教えてみませんか?【韓国語の先生になろう①】

近年、K-POPや韓国映画・ドラマ、コスメやグルメなどの人気はますます高まり、韓国語学習者は増え続けています。そしてさらに、学んだ経験を活かしてステップアップし「韓国語の先生」を目指す人や、韓国語講師についてもっと知りたい!という人も急増中。そんな方たちに役立つ情報満載、アルクの新刊『韓国語の先生になろう』についてご紹介します!

『韓国語の先生になろう』は、韓国語を教えるために必要な心構えや準備実践に向けたトレーニング教えるための工夫やコツまで、豊富な実例をもとに「韓国語の先生になる方法」を丁寧にお届けする1冊です。

著者は、これまでに100人以上の韓国語講師を育てた前田真彦(まえだただひこ)先生

この記事では特別に、本書『韓国語の先生になろう』の内容の一部をご紹介します。(WEBページ閲覧用に若干の調整を加えておりますのでご了承ください)


私たちは日々の生活の中で、すでに「教える」経験をしている

私は、誰もが、「教える」領域に入ることができる可能性を持っていると考えています。

日々の生活の中で、実は皆さんはすでに「教える」経験をしています。

たとえば、会社での勤務経験が長くなると、ある程度知識や技術が身についてきます。それを後輩に教えるということがありますね。分かりやすい手順を示すなどの「教え方の工夫」によって、その後輩の習得の程度やスピードがぐんと変わった、そんなことを実感された人もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、子育てを経験した人なら、子どもにおもちゃの使い方、お箸や鉛筆の持ち方、生活の決まりなどを説明したこともあるでしょう。これらも立派な「教える」ことです。

何も「先生」と名のつく職業の人だけが「教える」という行為をしているわけではありません。このように、皆さんは今まで大小さまざまな「教える」ということを、無意識のうちに実践しています


韓国語を教える人が身につけておきたいこと

では、「教える」の中でも、韓国語を教えるときに必要になるのは、一体どのようなものでしょうか。私の経験から見ると、主に以下のようなものが考えられます。本書の後ろの章でより具体的にお伝えしますので、ここでは「韓国語講師になるためには、こういう知識や能力、心構えが必要になってくるんだな」ぐらいの捉え方で大丈夫です。

知識や能力
  1. 韓国語の能力と日本語の知識
  2. 韓国の歴史や文化などに関する基本知識
  3. 日本と韓国との関係、近現代史についての知識
  4. 教える対象がどんな人なのかを分析、把握する能力

心構え
  1. 「講師はサービス業」だと自覚する
  2. ポジティブなエネルギーを持つ
  3. 学習者のやる気に火をともし、意欲を引き出す
  4. その場限りではなく、その先の学びや人生の目標へもつながる授業をする
  5. 教えながら学び、学びながら教える

このリストを見て、皆さんはどのように感じましたか? 「身につけるべきことが多くて、何だか大変そうだな」「私に韓語を教えられるかな」、そんなふうに思った人もいるかもしれません。

でも心配は要りません。皆さんは、今まで「学ぶこと」を十分に経験してきました。そして、韓国語学習を通じて、さまざまなタイプの韓国語講師にも接してきたことでしょう。学習者としてのこれまでの経験をもとにしつつ、さらに学びを深めることで、皆さんも「学ぶ立場」から「教える立場」へと歩んでいけるのです。

どんな韓国語講師も、一夜にして立派な講師になったわけではありません。【心構え】の 5.にあるように、「教えながら学び、学びながら教える」を地道に実践することで、目の前にいる学習者への伝え方や教え方が、少しずつ上達していきます

教えることを始めるには、「一歩踏み出す勇気」が一番大切です。ぜひ、友達や会社の同僚、ご近所さんなど、身近な人に教えてみてください。ワンコインレッスンのような、気軽な形でもいいと思います。教えたことを理解してもらえた、身につけてもらえたという喜びがモチベーションとなり、さらに自分の学びを深めることになるでしょう。すると知識が自分の中にしっかり定着し、次に教えるときに役立ちます。まず思い切って誰かに教えることで、「教えながら学び、学びながら教える」サイクルを回していきましょう。


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前田 真彦
前田 真彦(まえだ ただひこ)

ミレ韓国語学院院長、翻訳グループ「架け橋人の会」主宰。
1964年生まれ。富山大学人文学部朝鮮語朝鮮文学コース卒、大阪外国語大学大学院博士前期課程修了、関西大学大学院博士後期課程単位取得後退学。専攻は韓国語教育学、韓国語音声学。
韓国系の私立学校である白頭学院 建国幼小中高等学校に、中高の国語科教員として21年間奉職。その間、吹奏楽部顧問や建国ランゲージセンター事務局などを歴任する。10年間中級をさまよった自身の経験を生かして「前田式」の教授法を開発。2010年4月、ミレ韓国語学院を立ち上げる。日本語話者の強みと弱みを知り尽くした指導に定評がある。ハンガンネット発起人・世話人の一人でもある。
著書に『前田式 韓国語上級表現ノート』(明石書店)、『韓国語上級への道トレーニングノート』(白帝社)、『前田式 韓国語中級文法トレーニング』(アルク)、『韓国語発音クリニック 新版』(白水社)、『新装版 韓国語発音変化完全マスター』『韓国語能力試験TOPIKⅡ作文完全対策』(HANA)など多数。訳書に『韓国語概説』(梅田博之監修、大修館書店)、『韓国史のなかの100人』(明石書店)、架け橋人の会としての訳書に『世宗、ハングルで世の中を変える』(CUON)などがある。

●ミレ韓国語学院ホームページ https://new.mire-k.jp/

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