TOEICの受験者数は年間200万人を超えており、大学生や社会人で知らないという人はいないほど、幅広く英語力の測定に使われている試験です。「今のスコアは400点だが、今後のスコアアップを目指している」という人に、次に目標にするスコアやおすすめの学習法・教材を紹介します。
TOEICでスコアアップをするためには、効果的な学習方法を理解して、実行する必要があります。しかし、どのような学習方法を実施すればいいのかわからない方は多いでしょう。そこでスマホアプリ「Santa アルク」が悩みを解消してくれます。
Santaアルク最大の特徴は、AIによって初心者でも効率的に学習を進められる点です。AIによる精度95%のスコア診断や、苦手分野の分析、目標達成のために最適な学習ルートの提案などのサポートを受けられます。
また、スマホアプリであるため手軽に学習できる点もメリットです。初心者から効率的にレベルアップしたい方は、Santa アルクの活用を検討してみてください。
目次
TOEIC400点の実際のレベルは?
TOEICの満点はリスニング495点、リーディング495点の計990点ですので、400点では正答率は約4割です。TOEICは4択から解答を選ぶ形式なので、適当に回答したら、4割も正解できません。400点はある程度の英語力が備わっている人の点数と言えます。
以下で、もう少し400点というスコアを具体的に説明します。
- 400点のレベル感
- 400点のスコアはどれほどヤバいのか?
という2つの点から見ていきます。
400点のレベル感
「ある程度の英語力」とはどの程度でしょうか。TOEIC運営団体が発表しているProficiency Scale(TOEICスコアとコミュニケーション能力の相関表)によると、400点は下から2番目のDレベル(220~470点)に当たり、「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」と評価されています。
参考:iibc
さらに詳しく読むと、「ゆっくり話してもらうか、繰り返しや言い換えをしてもらえば、簡単な会話は理解できる。身近な話題であれば応答も可能である。語彙・文法・構文ともに不十分なところは多いが、相手がNon-Nativeに特別な配慮をしてくれる場合には、意思疎通をはかることができる」とあります。
これはつまり、海外旅行で相手がゆっくり話してくれれば英語でコミュニケーションをとることも可能だが、あくまで意味が通じるというレベルにとどまっているといえます語彙や文法が難しいと、相手の話が理解できないという課題があるため、ビジネスシーンで英語を使うにはまだ厳しい面があるというレベルでしょう。
400点のスコアはどれほどヤバいのか?
最新のTOEIC(2024年10月12日午後実施)の結果を見ると、受験者数が5113人、平均点が634.1点となっており、スコアが395点までの人は全体の8.7%であるため、400点は受験者全体の下位約10%に位置すると言えます。
そう言われると「ヤバい点数なのか?」と不安に思われるかもしれませんが、TOEICを受験する人は、ある程度英語を学習している人が多く、また高得点を取る人の中には力試しで毎回のように受験している人もいます。初めて受験した人はTOEICの試験形式に慣れていないこともあるので、悲観する必要はありません。学生時代はある程度を勉強していたけれど、社会に出て英語を使う機会がなく、会社に言われて受けてみたら400点前後だった、というのはよくあることです。
400点が取れるということは上に挙げたように、英語の基礎的な力は持っているので、これから学習を進めていくことで、十分にスコアアップを図ることができます。
TOEICの点数別のレベルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
社会人、学生にとってのTOEICの意味
TOEICは、大学入試や大学院入試では「英語試験免除」「出願資格」「得点換算」「加点」、大学は「単位認定」、就職や転職活動では英語力の指標、企業では昇給や昇進の要件といった具合に、さまざまな形で利用されています。社会人、学生を問わず、TOEICを受験することには意味があるといえるでしょう。
ではどのような意味があるのか?
- 社会人、学生のTOEICの必要性とは?
- 転職、就職活動における評価
- 企業が求めるTOEICスコアは600点以上
という3つの点を詳しく説明していきます。
社会人、学生のTOEICの必要性とは?
先ほど挙げたようにTOEICはさまざまな形で利用されています。以前は英語とは無縁な業界や業種であっても、日本では人口減少、市場縮小が続くため、今後新たに海外展開を始める企業や、訪日外国人相手の事業展開を図る企業は増えてくると思われます。
TOEICは、スコアが高くても、ビジネス英語が使えない人がいることや、受験者の大半が日本人と韓国人で、国際的には英語力の指標となっていないことを理由に、TOEICの必要性に疑問符をつける方もいます。しかし、TOEIC受験をきっかけに、英語学習への意欲が高まり、英語力の向上へつながることもよくあるので、決して無駄なわけではありません
一方で、転職する人で、専門分野の知識や経験が十分あって、それだけで企業へのアピールになる場合や、英語の苦手意識が強くて、時間や労力をかけてTOEICの学習をすることが負担になる場合は、必要性は高くないのかもしれません。
転職、就職活動における評価
「TOEICのスコアが何点だったら履歴書に書けるのか」「400点でも書いてよいのか」と疑問に思う人がいると思います。現在の400点というスコアだけを見ると、就職や転職、特に知識や経験を問われる転職活動においては、残念ながら高い評価を受けるとは言い難いと思います。
しかし、面接や履歴書で、今後も努力を続ける意欲をうまく伝えられれば、「400点だから書くと評価が下がる」とは言い切れないと思います。
例えば、400点を取ったばかりの人であれば、「スコアアップを目指して学習を継続しており、次回は〇カ月後に受験を予定している」や「〇カ月前に受験したときは200点台や300点台だったが、継続して学習をしており、今400点までスコアアップした段階である」のように、伝え方次第で、相手に良い印象を与えることもできます。
TOEICスコアを履歴書に記入する際のポイントについて、以下の記事で詳しく解説しています。
企業が求めるTOEICスコアは600点以上
先ほど挙げた最新のTOEICのデータを見ると、平均を若干上回るスコアは645点となっています。600点以上=平均以上と考えていいでしょう。つまり、600点以上であれば、就職や転職で英語力をアピールできるといえます(例外的に、英語を使う職種で700点、外資系企業で800点以上が求められる場合があります)。特に大企業では600点を要件としている場合があります。
TOEIC600点がクリアできないために希望する企業へ応募すらできないのはもったいないことです。せっかく400点をとったなら、ぜひ600点へのスコアアップを目指してほしいと思います。
400点から600点への道のり
同じ英語力でもTOEICの対策をしている人としていない人では、スコアは変わってきます。また、対策をするにしても、むやみに学習するのではなく、TOEICの問題形式や傾向、今の自分に足りない力を知ったり、いつまでに目標を達成するかを決めたりすると効果的です。
- どのくらいの学習時間が必要か
- 600点のために必要な勉強法
- 試験でのタイムマネジメント
以上の3点について解説します。
どのくらいの学習時間が必要か
オックスフォード大学出版局の論文では、400点から600点までスコアを上げるには約450時間の学習が必要と言われています。
もし1年後のテストでスコアアップしたいなら、例えば、平日は通勤や通学時間を活用して1日1時間、週末は1日2時間学習すると、450時間が達成できます。半年であればその倍になるので、平日は2時間、週末は4時間が必要です。こうなると、なかなかハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、ポイントを押さえて効率的な学習ができれば、大幅に時間を短くすることが可能で、逆もまたしかりです。
2024年度の公開テストは、日曜日が12回、土曜日が6回、計18回開催されました。毎回受験する必要まではないですが、実際の会場でTOEICを受験してみると、自宅で模試を解く以上に、学習の成果が分かります。TOEIC受験には、学習時間を短くする効果があると思います。
600点のために必要な勉強法
400点から600点まで、200点の底上げを図るためには、まずは語彙を増やすことが効果的です。選択肢に書かれている単語が分からなければ解答は難しくなります。リスニングでもリーディングでも、英文全体の意味が完全に理解できなくても、単語の意味が分かればなんとなくでも解答を選ぶことが可能です。語彙があれば、選択肢を3つや2つまで絞ることができるので、非常に重要です。
TOEIC400点を取るのに必要な語彙は約3000語(英検準2級に相当)、600点は5000語(英検2級に相当)と言われています。400点から600点にスコアアップするのに2000語覚えることが必要というと、大変な目標に感じますが、適切な教材を選び、既に知っている単語の類義語、対義語、関連表現を学んでいけば、案外難しくないと思います。
語彙を増やすには繰り返しの復習が効果的、というよりも不可欠です。有名な「エビングハウスの忘却曲線」(時間の経過に伴いどれだけ覚えたことを忘れるかを表すグラフ)では、復習をしなければ、覚えたことを1時間で約50%、1週間で約75%忘れるといわれます。
試験でのタイムマネジメント
TOEICはリスニングが約45分で100問、リーディングが75分で100問、計約2時間で200問と、他の英語試験に比べて問題数が多いのです。スコア400点の人には、リスニングで最後まで集中して聴けない、あるいはリーディングの問題が最後まで解けない、といった悩みを抱えている人もいると思います。
リスニングはPart 1~4まで分かれていますが、音声が流れ続けるので自分で時間配分を決めることはできません。Part 1は写真問題なので、問題が始まる前の諸注意(Directions)が流れている間に、問題用紙の写真を眺めておきます。Part 3と4はできる限り問題の合間に、次の問題の設問に目を通すことで、1問ごとの頭の切り替えがしやすくなります。
リーディングはPart 5~7に分かれており、時間配分が重要です。文法問題であるPart 5と6は、分からない問題にあまり時間を使わず、長文読解であるPart 7にできるだけ時間を残すという方針で臨むといいでしょう。あとは焦る気持ちを抑えて、リスニングとリーディングの間に一呼吸置くことも、集中力の維持に効果的です。
TOEICの時間配分について、以下の記事で詳しく解説しています。
TOEIC600点を目指すための参考書とアプリ
TOEICのスコアアップには英語力の向上が必要ですが、TOEIC対策のテクニックも、知っていると役に立ちます。特に勉強にかけられる時間が限られている学生や社会人は、テクニックを紹介した参考書やアプリを使うのもいいでしょう。
また、書店に行っても周囲に聞いても、あまりにも教材があって、どれを使えばよいかと戸惑っていると時間がもったいないので、おすすめの参考書とアプリを4つ紹介します。
- Santaアルク
- キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600
- はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略
- 公式 TOEIC Listening & Reading 問題集
Santaアルク
2022年、2023年と、2年連続で国内TOEIC学習アプリのダウンロード数No.1を獲得したのが「Santaアルク」です。AIスコア診断により、自分のニーズに合ったコンテンツが勧められ、予想スコアを知ることもできます。教材を買ったけどなかなか学習が進まない人や、そもそもどの教材を使ったらいいのか分からないという人でも、一つのアプリで単語、リーディング、リスニングのすべての学習が網羅できます。
さらに、ただ問題を解くだけでなく、分からない部分は「Santa Lumi」にチャットで質問ができるのも魅力です。学習の成果を図るのに、毎回模擬試験を受けると時間がかかりますが、Santaアルクでは12問の問題に答えればスコア診断が受けられます。短期間でも集中的かつ効果的に学習を進めていくことが可能なアプリです。
キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600
シリーズ累計500万部を突破した「キクタン」の中でも、TOEIC600点を目指す人にぴったりの単語集です。リズミカルな音楽に乗せて「英語→日本語→英語」と音声が流れる「チャンツ」を聞いて気軽に学習ができます。
センテンスの音声は、実際のTOEICで使用される5カ国(アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド)のうち、ニュージーランドを除く4カ国の発音で収録されており、リスニング練習にもなります。
1回の学習が2分でできるので(最短の場合)、時間のない学生や社会人が移動中などのスキマ時間に取り組むのにぴったりです。「音声DL付」なので、パソコンやスマホで学習が進められます。
はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略
TOEIC400点の人が600点を目指すのだから、「はじめて受けるわけじゃないけど」と思う人がいるかもしれませんが、本書は決してTOEIC初心者だけが対象ではありません。タイトルの通り、パート別の攻略法が紹介されていますが、問題レベルが「600点クリア(必須)」と「730点以上狙い(高得点)」に分けられているため、600点を取るだけでなく、730点以上を目指す人にも向いています。本書を学習することで、自分ができている分野と苦手分野を確認できます。
教材をいくつも買わず、1冊でTOEICの学習を完結させたい、という人にもおすすめです。試験までにはまだ時間があるという人であれば、苦手なパートの教材を追加で購入し、さらなる学習やスコアアップを目指すことも可能です。ただの問題集ではなく、解法テクニック付きなのもうれしいポイントで、600点を目指す人にはぜひ本書を使いこなしてほしいとい思います。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集
「公式問題集って何?」と思われる人がいるかもしれません。受験した人は知っていると思いますが、TOEICは問題用紙へのメモも禁止、持ち帰りも禁止となっています。そのため、日本ではTOEICの過去問が出版されておらず、実質的にはこの「公式問題集」をいわゆる「過去問」のように使用する人が多いのです(過去問は韓国で出版されていて、輸入できますが、リスニングの音声を韓国のサイトから自分でダウンロードする必要があり、解説も韓国語なので、使うのは手間がかかります)。
本書はこれまで挙げた教材のようなTOEIC対策というよりも、試験形式に慣れることが目的の1冊と言えます。解説やテクニック、アドバイスが充実しているわけではないので、学習途中での成果の確認や、直前の実力チェックに適しています。すべての人にとってベストな解答の順番や、時間配分の戦略があるわけではありません。本書を通じて実際のテストと同様の問題を解いて、自分なりのコツをつかむことが重要だと思います。
まとめ
学生や社会人の方で、TOEICのスコアが400点だったとしても、悲観的になる必要はありません。400点が取れていれば、適切な学習で600点を目指すことが十分に可能ですし、600点が取れれば就職、昇任、転職で有利になります。「せっかく勉強してもスコアアップできなかったらどうしよう」と悩むのではなく、少しでも多くの人がここに挙げた教材やアプリを活用して、前向きに学習を始めようと思ってもらえれば幸いです。
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