TOEIC600点は、就職活動やキャリアアップの第一歩として目指すべき重要なスコアです。
「まず600点は取得して、履歴書にスコアを記載したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、効率よくスコアアップするために役に立つ問題集を、文法・単語・リスニング・長文読解・総合対策と、分野ごとに厳選して紹介します。
自分に合った問題集を選び、目標達成に向けた学習を始めましょう!
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目次
TOEIC600点のレベルとは?
そもそも600点とはどのようなレベルかご存じでしょうか?
多くの人が600点を目標としていますが、「実際どのくらいの英語スキルがあれば取れるか分からない」という人もいると思います。
ここでは、以下のポイントからTOEIC600点について詳しく解説します。
- 600点はTOEICの平均点
- TOEIC600点に必要な勉強時間
- TOEIC600点は履歴書に書ける?
それぞれ確認していきましょう。
600点はTOEICの平均点
結論からお伝えすると、TOEIC600点とは受験者全体の平均に近い点数です。
実施年度 | 平均点 |
---|---|
2021年度 | 611点 |
2022年度 | 608点 |
2023年度 | 612点 |
また、2022年度に受験した大学生の平均点は588点でしたので、学生でTOEICのスコアが600点以上であれば、ある程度の英語力があるとアピールできるでしょう。
日本では、「英語の資格」=「英検」というイメージが強いです。
そのため、文部科学省の資料から、TOEICスコアと英検の級の対照表を作成しました。
英検 | TOEIC |
---|---|
英検3~5級 | 120点以上 |
英検3級 | 225点以上 |
英検2級 | 550点以上 |
英検準1級 | 785点以上 |
英検1級 | 945点以上 |
上記の表を見ると分かる通り、TOEIC600点は英検2級程度とされています。
英検2級とは高校卒業程度の英語レベルです。
日常的な会話はある程度でき、簡単な連絡事項についてメールや電話でやりとりできる力があると考えるとよいでしょう。
TOEIC600点に必要な勉強時間
オックスフォード大学出版局が発表した資料によると、TOEICスコアを100点アップさせるために必要な時間は200〜300時間程度とされています。
そのため、現時点で400点の人や初心者の人が600点を目指すのであれば400〜600時間、500点の人なら200〜300時間、必要だということになります。
ただし、個人の英語力や学習環境には差があるため、絶対にこれが正しいとは一概にはいえません。
勉強時間ばかりにこだわるのではなく、質の高い学習を心がけ、目の前の課題を一つ一つクリアしていくことで、効率的に600点を達成できるようになるでしょう。
TOICの勉強時間については、以下の記事で詳しく解説しています。
TOEIC600点は履歴書に書ける?
TOEIC600点は履歴書に書いてアピールできるスコアです。
TOEICの平均点が600点前後であるため、少なくとも平均以上の英語スキルがある証明になります。
そのため、企業によっては就職活動で有利になることもあるでしょう。
ただし、外資系企業など頻繁に英語を使う業界であれば、600点では十分なアピールにはなりません。
こうした企業では、「英文メールが問題なくできる」「会議の議題が難なく理解できる」「英語の会議に参加できる」といった、高度な英語コミュニケーションスキルが必要なため、最低でも730点以上が求められることが多いからです。
一方で、600点以下の人は履歴書にスコアを記載することはおすすめできません。
なぜなら、スコアが平均よりも低いと示すことになるため、「英語力が標準以下である」と見なされる可能性があるからです。
もし今500点台しか持っていない人や、まだ受けたことがない人は、まず600点を目指すようにしましょう。
履歴書にTOEICスコアを記載する際のポイントについて、以下の記事で詳しく解説しています。
問題集選びのポイント
TOEICで600点を達成するためには、自分に合った問題集を選ぶと効果的です。
しかし、さまざまな問題集が書店に並んでいるのを見ると、どれがいいのか分からなくなってしまいますね。
ここでは、そんなときに役立つ「問題集選びで意識すべきポイント」について解説します。
- TOEICに特化したものを選ぼう
- 自分のニガテ分野に合わせたものを選ぼう
- 問題が多く収録されているものを選ぼう
- それぞれ詳しく説明します。
TOEICに特化したものを選ぼう
英語学習用の教材はさまざま販売されていますが、TOEICの対策をするには、専用のものを選ぶようにしましょう。TOEICの問題はすべて英語で、問題の形式は常に同じなので、最低限それを知ってから受験するのがおすすめです。TOEIC対策用の教材で問題形式に慣れるとよいでしょう。
また、TOEICの問題の特徴は、英検のような学術的な内容ではなく、ビジネスシーンや日常的な場面が出題されることです。
そのため、TOEICに特化した問題集を使うことで効率的に対策することができます。
自分のニガテ分野に合わせたものを選ぼう
TOEICはリスニングとリーディングの2つにセクションが分かれており、全部で7つパートがあります。
各セクション・パートで問われるスキルは異なるため、苦手分野を見つけて、その対策できる問題集を選ぶことが重要です。
例えば、リスニングが苦手だと感じる場合は、音声が豊富に付属している問題集を選ぶのが効果的です。
一方、文法や語彙力が弱いと感じる場合には、それぞれの分野専用の問題集や単語集を使うようにしましょう。
まだ自分の弱点が分からない人は、まずは模擬試験を活用するのがおすすめです。
模擬試験を解いて、低得点だったパートを中心に対策を進めることで、効率的にスコアアップを狙えます。
自分の弱点を重点的に強化し、得意分野に変えていくことで、TOEIC全体のスコアをバランスよく伸ばしていきましょう。
自分のレベルやニガテ分野を把握したい方は、Santaアルクで無料レベルチェックを行ってみましょう。数分間のテストでAIがあなたのニガテ分野を分析します。
問題が多く収録されているものを選ぼう
TOEICスコアアップには、練習問題を解くことが欠かせません。
一般的に、TOEIC600点を目指している人は、中学卒業程度の基礎的な英文法は理解できているものの、高校レベルになると抜けている知識がある人が多いです。
TOEICの特徴である、ビジネスシーンの英単語が不足しているケースもよく見られます。
また、TOEICの問題数はリスニングとリーディング合わせて200問と、他の試験より多いため、解ききれない人も多いようです。
これらの対策には実践あるのみ。
そのため、問題数が豊富な問題集を選ぶのがポイントです。
特に、公式問題集や模擬試験を選び、間違えた箇所をしっかり復習すれば、苦手分野を補強できます。
そして問題を繰り返し解くことで、問題形式や出題傾向を把握することができ、試験本番での時間配分のコツも分かってくるでしょう。
解き方のテクニックを学べる教材を使うと、スコアアップに直結するでしょう。
ただし、問題は、単に解くだけでは意味がありません。
解説をしっかりと読み理解を深めることが大切です。
【文法編】TOEIC600点を目指すためのおすすめ問題集
TOEIC対策書はさまざまあるため、「どれを選べばいいの?」と悩む人が多いもの。
ここからはおすすめの問題集を紹介します。
まずは文法です。文法はTOEIC600点を目指す上で、最も重要な分野の1つです。
以下の問題集を活用して基礎をしっかり固めましょう。
『TOEIC®テスト 中学英文法で600点』
TOEIC対策で最も重要な要素である基礎の英文法が、一から分かりやすく解説されている一冊です。
一見英語初心者向けに感じますが、TOEICでは中学レベルの知識で解ける問題が実は多くあります。
そのため、600点を目指すのであれば、本書に最初に取り組むのがいいでしょう。
「誤解しやすいポイント」や「混同しがちな項目」などを、注意したい部分をきめ細かく取り上げているので、英語の基礎力をアップさせることもできます。
さらに、中学英文法を活用した受験テクニックも解説されているので、短期間でスコアを上げたい人にもおすすめです。
世界一わかりやすいTOEICテストの英文法
TOEIC対策全般に必要な文法の知識を学ぶことができる問題集です。
Part 5や6だけではなく、リスニング・リーディング、どちらでも求められる文法が、この1冊に詰まっています。
ただし、中学レベルから解説されているわけではないため、基礎から学習を始めたい人にとってはやや難しいかもしれません。
この教材の特徴は、「英文法の核となる理屈」を解説しているので、暗記が減らせるという点です。
丸暗記することがないので、記憶への定着率もかなり高いでしょう。
また、TOEICテストに必要な順番で文法項目が紹介されているので、時間がなくても最大限のスコアアップが期待できます。
高校レベルの英語に不安が残る人は、文法書代わりにして、文法の復習に活用しても良いでしょう。
【単語編】TOEIC600点を目指すためのおすすめ単語帳
語彙力は、リーディングやリスニングの基礎を支えるのに重要な要素です。
単語が理解できなければ、問題も解くのは難しくなります。
TOEIC頻出単語を効率よく覚えられる教材を活用し、語彙力をアップさせましょう。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
本書で紹介されている単語を全て覚えることができれば、TOEIC600点を取得できるくらいの語彙力がつきます。
そのため500点以下のTOEIC初心者の人は、まずこの本から単語学習を始めると良いでしょう。
紹介される単語が、基礎→発展の順で並んでいるため勉強しやすく、頻出単語だけでなく、定型表現や多義語も収録されています。
紙面では、左ページにフレーズ、右ページに単語と解説があるので、使いやすいのもうれしいポイントです。
初めてTOEICを受ける人や、中学レベルの単語は完璧という人はこの1冊を暗記すれば、600点を目指せます。
ぜひ、この単語帳で着実にステップアップし、試験にチャレンジしてください。
世界一わかりやすい TOEICテストの英単語
これまでの「単語学習=丸暗記」という考えを覆す、「丸暗記なしで覚えられる」本です。
各単語がどんな場面で使われるものなのか、核となるイメージや、TOEICでどのように出題されるかまでしっかりと解説されています。
ただし、解説が豊富なため、人によっては少し読みにくいと感じるかもしれません。
それでも、「単語帳=単語のみ」という本が多い中で、この「世界一わかりやすいTOEICテストの英単語」では、きちんと熟語まで収録されているのが大きな魅力です。
600点を取るためには必ず覚えておく必要のある、単語・熟語に限定して紹介されているので、かなり効率よく語彙力を上げられます。
TOEICテストの問題を解いた際、「単語が全く分からない」という方が、基礎力をつけるのに最適な1冊です。
【リスニング編】TOEIC600点を目指すためのおすすめ問題集
リスニングセクションはテスト全体の半分を占めるため、特に重点的な対策が必要です。
例年リーディングセクションよりも平均点が高く、「リスニングは点数が稼ぎやすい」と言われています。
中でも特に取り組みやすい問題集をピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)
短期間でTOEICのリスニング問題を解くのに必要な知識を習得できる問題集です。
リスニングセクションでは欠かせない単語や、頻出問題のパターン、その対策方法はもちろんのこと、目指すスコアごとの目標正答率まで書かれています。
この問題集の最大の特徴は、「テクニックが具体的で即効性がある」という点です。
例えば、ある部分が聞き取れなかったとしても、「○○という考え方から解答を導ける」というような、TOEICで正解する秘訣が説明されています。
そのため、「すぐにスコアアップしたい!」「TOEICまでもう時間がない…」という人でも安心です。
ただし、問題数はあまり多くないため、まずはTOEICリスニングセクションの解き方を知りたい人におすすめします。
公式TOEIC Listening&Reading問題集(1~11)
TOEIC受験者なら、必ず持っておきたい1冊がこの「公式TOEIC Listening&Reading問題集」(1〜11)です。
実際のテスト制作機関ETSが、テストと同じプロセスで作った公式問題集だからこそ、どんな問題集よりも本番に最も近い問題を解くことができます。
24年11月現在で11冊まで出ていますが、最新のものから挑戦し、解き終えたら一つ前のバージョンに進むのがおすすめです。
問題の難易度が本番と同じのため、最初は難しく感じるでしょう。
しかし、スコアアップするためには、「テストに慣れる」ことが欠かせません。
リスニングのナレーターが試験と同じなのも大きなポイントです。
初心者にとってはハードルが高いように思えますが、テストの感覚をつかむためにも、1冊は持っておきたい問題集です。
【長文読解編】TOEIC600点を目指すためのおすすめ問題集
Part 7(長文読解)は試験の最後に解くパートであり、TOEICの中で最も難易度が高いといわれます。
だからこそ、点数を伸ばすためには、長文に慣れておくことが欠かせません。
これから紹介する問題集で、長文読解を繰り返し練習し、本番でもスムーズに問題を解ける力を身に付けましょう。
世界一わかりやすいTOEICテストの授業[Part7 読解]
問題数よりも1問あたりの「解説の質」にこだわり、頻出語句や公開テストで狙われるポイントが詳しく説明されている1冊です。
語句や英文法は理解している前提で作られている問題集が多い中で、この問題集は非常に語注や解説が丁寧です。
長文問題を解く上で必要最低限な知識、解き方のテクニックが盛り込まれているので、短時間でスコアアップが期待できます。
そのため、分厚い問題集に挫折した経験がある人でも、比較的学習に取り組みやすいでしょう。
TOEICのPart 7は、コツをつかむことで格段に点数アップできるパートです。
1駅1題TOEIC®L&R TEST 読解特急
スキマ時間でも学習に取り組みやすいコンパクトサイズの問題集で、毎日短時間で少しずつ取り組める内容になっています。
他の問題集との違いは、解説の一部が著者たちの対話形式で書かれていて、より理解しやすくなっている点です。
また、長文問題対策であるにもかかわらず、問題の解答時間が3分と短く、移動時間や就寝前などのちょっとした時間でも解くことができます。
効率の良い問題の解き方についても丁寧に解説されているため、小さいサイズながら非常に効果のある1冊です。
【その他】TOEIC600点を目指すためのおすすめ問題集
TOEIC600点を目指すためには、幅広い分野をカバーした問題集が役立ちます。
ここでは、全パートに対応したものや、模擬試験がついた問題集を紹介します。
どちらか1冊は持っておくとよいでしょう。
はじめて受けるTOEIC®L&Rテスト全パート完全攻略
TOEICスコアアップには欠かせない全ての要素が詰まった総合対策本です。
「パート別攻略」「実力アップ勉強法」が紹介されていて、さらに「完全模試」が付いています。
「実力アップ勉強法」では、TOEIC対策で終わらない、本物の英語力をつけるトレーニング方法が紹介されています。
「パート別攻略」では、他の受験者にグッと差をつける、解法テクニックが解説されています。「完全模試」を受けて弱点を見つけたら、「パート別攻略」で復習を重ねることで、苦手分野を補強できます。
1冊でTOEIC対策をしたい人に特におすすめの問題集です。
TOEICL&R目標スコア奪取の模試
目標スコアに応じて「模試の取り組み方」を解説する問題集です。
TOEICスコアで600点を目指すためには、「問題の取捨選択」や「タイムマネジメント」のスキルが欠かせません。
このテキストでは、スコアごとに捨てるべき問題が具体的に記されています。
さらに、付属の模試を使って、設問のどこにヒントがあるのか、問題や選択肢のどこに注目すべきか、といったポイントまで解説されています。
ただ闇雲にTOEICの問題を解いていると、難し過ぎると感じることもあるでしょう。
そういう場合、この問題集を活用すれば、問題を解くコツが分かり、効率よくスコアアップできます。
TOEIC初心者が200問全てを解き切るのは簡単ではないので、まずはこの1冊で問題を見極める力を身につけると良いでしょう。
まとめ
今回は、TOEICで600点取得を目指す人に向けておすすめの問題集を紹介しました。
TOEIC600点は、就職活動やキャリアアップの指標となる重要なスコアです。
また、600点を目指す学習をすると、単にスコアアップできるだけでなく、英語力全般の向上にもつながります。
数ある中から自分に最適な教材を見つけるのは難しいかもしれませんが、この記事が、みなさんの問題集選びや学習計画のヒントとなり、目標達成の一助となれば幸いです。
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