「TOEICのリーディングで、時間が足りなくなってしまう…」「TOEICの速読のコツって何だろう?」そんなお悩みを抱えていませんか? この記事では、TOEICのスコアアップを目指す方に向けて、リーディングセクションで効率よく得点するための速読&時短テクニックを解説します。
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目次
TOEICで時間が足りなくなる理由
TOEICのリーディングセクションでは、多くの受験者が「時間が足りない」と感じます。ここからはそうなる理由を解説します。
- 単語数が多い
- WPMとは?TOEICにはどのくらい必要?
単語数が多い
TOEICのリーディングセクションでは、試験時間内に非常に多くの単語を読む必要があります。Part 5〜7を合わせると、約4000〜4500語程度の英文が出題されます。これを制限時間75分で解答するとなると、1分あたり約53〜60語を読む必要があり、多くの人にとってこれはかなりの負担となるでしょう。
さらに、知らない単語が出てくると、理解に時間がかかることも問題です。特に、専門用語や複雑な表現に気を取られると、他の問題に割く時間が不足してしまいます。そのため、語彙力の向上と同時に、効率よく読む技術を身に付ける必要があります。
WPMとは?TOEICにはどのくらい必要?
WPM(Words Per Minute)は、1分間に読める単語数のことで、読む速さを示す指標として使われます。WPMの測り方としては、英語の文章を1分間読んで、何語読めたかを数えると分かります。
目安として、TOEICの全問題を解くには150〜200WPMが必要です。日本人のWPMの平均は100程度といわれるので、問題を最後まで解き終えるのには、平均よりも早く英文を読む必要があります。これが、試験本番で多くの受験者が時間不足を感じる原因の一つです。
ただし、この速度を無理に目指す必要はありません。次に紹介する「時短テクニック」を活用すれば、重要な情報を効率よく読み取ることができ、WPMを大幅に上げなくても、高いスコアを獲得できるようになります。
参考:iibc
「速読」の練習の前に:リーディングセクションの時短テクニック
TOEICのリーディングセクションで時間が足りないと感じる人は多いですが、限られた時間内で問題を解くには、速く読むだけでなく、効率的に解答するテクニックを知っておくのが重要です。ここでは、解答の「時短」につながる方法を解説します。
- 先に選択肢を確認
- 分からない問題は後回しにする
- 問題をパターン化して分類する
先に選択肢を確認
TOEICでは、問題を解く際に、選択肢から確認するのが効果的です。特にPart 6やPart 7の長文問題では、選択肢の特徴やキーワードを先に把握することで、長文からどんな情報を探すべきかが明確になり、解答に必要ない部分を読み飛ばすことができます。
また、Part 5やPart 6では、選択肢を見ることで、文法の問題か語彙の問題かといった、問題のタイプが分かります。問題のタイプによっては、解答に必要な部分だけを読めば解答することが可能です。このアプローチにより、解答時間が短縮できるだけでなく、正答率も向上します。
分からない問題は後回しにする
TOEICでは、分からない問題に時間をかけ過ぎると、他の問題を解く時間が足りなくなってしまいます。そのため、解ける問題から確実に解答していくことが重要です。問題を後回しにする基準を自分なりに決めておくと、迷わなくなります。それによって時間管理がしやすくなり、スコアアップにつながります。
問題をパターン化して分類する
TOEICのPart 5や6の問題は大きく分けて
- 問題文をすべて読まなくても解ける問題
- 判断が必要な問題
- 問題文全体の内容把握が必要な問題
があり、上2つをどれだけ時間をかけずに解けるかが重要です。問題のパターンは選択肢から見分けます。
品詞を選ぶ問題(品詞問題)は問題文をすべて読まなくても解答可能です。選択肢に前半が似ているが、品詞が違う語が並んでいたら、品詞問題と判断できます。例えば選択肢が以下の
(A) final
(B) finalize
(C) finals
(D) finally
のような場合です。
選択肢に接続詞や前置詞が並んでいる問題は、問題文をすべて読む必要があるかどうかは、問題によって異なります。
一方で、品詞が同じ単語がさまざま並んでいる場合は、単語の意味を問う問題(語彙問題)です。このタイプは、問題文全体の内容把握が必要で、解くのに時間がかかります。他の問題で節約した時間を、このタイプにかけられるようにすることが重要です。こうした戦略を立てることで、時間内にすべての問題に解答できるようになります。
ここからはサンプル問題を使って解説します。
*Part 5の問題のパターンについては「TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術」(ロバート・ヒルキ、相澤俊幸、ヒロ前田 著・アルク)でも詳しく解説されています。
品詞・代名詞の格を選ぶ問題
選択肢から適切な品詞や代名詞を選ぶ問題は、Part 5の中でも時間がかかりません。例えば、以下のサンプル問題を考えてみましょう。
サンプル問題
The manager attended the meeting will submit the report tomorrow.
(A) who
(B) whom
(C) whose
(D) which
この問題では、選択肢に関係詞が並んでいるので、主語と文構造を確認します。この場合、空欄の前にmanagerと人があるので、モノを表す(D)は不適切。空欄の後ろに動詞attendedがあることから、主語として使われる関係代名詞の(A) whoが正解です。このように、Part 5を素早く解答するためには、文構造を瞬時に判断する力も必要です。
TOEICでは、こうした問題をいかに素早く解くかが重要です。問題パターンの見分け方を覚え、頻出の文法項目を学習することで、解答時間を短縮できるようになります。こうした問題は得点源となるため、確実に解ける力をつけましょう。
前置詞・接続詞を選ぶ問題
選択肢に接続詞や前置詞が並んでいる問題はPart 5で頻出するタイプです。この種の問題では、問題文をすべて読む必要があります。
サンプル問題
The team postponed the meeting the unexpected weather conditions.
(A) despite
(B) because of
(C) during
(D) instead of
この問題では、空欄の後にthe unexpected weather conditions(予想外の天候)という内容が続いています。文の前半と後半の因果関係に注目すると、「天候【のために】会議を延期した」となれば、文脈に合うのが分かります。正解は(B)のbecause of(〜のために)です。接続詞や前置詞の問題は、文の論理的なつながりを示すため、問題文をすべて読んで解答します。
このような問題では、頻出する接続詞や前置詞の使い方を事前に学び、練習することが時間短縮の鍵です。
単語を選ぶ問題
選択肢に同じ品詞の単語がさまざま並んでいる場合は、文脈に合った単語を選ぶ問題(語彙問題)です。選択肢同士が近い意味を持つ場合が多く、正解を導くには空欄の前後からヒントを探す必要があります。サンプル問題
The new marketing strategy has been widely by industry experts.
(A) appreciated
(B) applied
(C) announced
(D) approached
この問題では、空欄の後にby industry experts(業界の専門家によって)とあるため、空欄の前後は「業界の専門家に広く評価された」という意味になると適切です。正解は(A)のappreciated(評価された)です。他の選択肢も過去分詞なので、文法的には正しい形ですが、文脈にそぐわないため除外できます。
こうした問題では、空欄の前後にある関連情報を素早く見つけ、全体の意味を把握する練習が重要です。特に、指示語(this、that、theseなど)や接続詞に注目すると、ヒントを得やすくなります。効率的に文脈を把握する練習をすることで、こうした問題を短時間で解くことができ、時間配分の管理にも役立ちます。また、選択肢の単語が全く分からない場合は、時間を使わずに、適当にマークシートに記入して、次の問題に進むことも必要です。
Part 6で長文を読む必要のある問題
Part 6には、空欄の前後から答えが分かる問題と、長文の文脈を理解して解答する問題があります。特に、空欄に挿入する文を選ぶ問題は、接続詞や指示語(this、that、theseなど)に注目することで効率よく解けますが、全体の文脈を把握するのに時間がかかりやすいのが特徴です。そのため、このような問題は、最初の1〜2問目にあっても後回しにして、他の問題を解きながら長文の内容を把握した後に、解くのがおすすめです。
サンプル問題
___ the company plans to expand its services in the coming year.
(A) For example,
(B) As a result,
(C) However,
(D) Meanwhile,
この問題は、空欄の前後の文脈を理解して解く必要があります。例えば、前の文で「現在のサービスが成功している」と述べられていれば、正解は(B)のAs a result,(その結果)となります。このような問題は、長文をすべて読んでから解く方が、正確に答えられます。
Part 6の問題をパターンごとに整理し、解く順番を工夫することで、時間を効率的に使えます。この戦略を使えば、他の問題を解く時間を確保できるようになるでしょう。
TOEICでの「速読」を身につけるために意識するべきポイント3選
TOEICのリーディングセクションで「速読」ができるようになるには、いくつかコツがあります。ここでは、効率的に読解力を高めるための重要なポイントを3つご紹介します。
- 分からない単語・表現に固執しない
- 接続詞に着目して文脈をつかむ
- できるだけ英語のまま理解できるようにする
分からない単語・表現に固執しない
TOEICのリーディングセクションでは、すべての単語を理解しようとすると時間が足りなくなる可能性があります。一部の単語や表現が分からなくても、文脈から意味を推測することが大切です。例えば、知らない単語が出てきたら、前後の文章や文脈から内容をつかむようにしましょう。過去の試験データでも、一語一句理解するよりも文脈を重視した方が、高スコアを得られる傾向があります。
接続詞に着目して文脈をつかむ
接続詞は、文脈や文章の論理構造を把握するための重要な目印です。
例えば、therefore(その結果)やas a result(結果として)は因果関係、nevertheless(それにもかかわらず)や on the other hand(その一方で)は対比や逆接、specifically(特に)や furthermore(さらに)は具体例や追加情報を表します。
特にTOEICの長文問題では、これらの接続詞を最初に確認すれば、文章全体の構造が把握でき、細部を読み込む時間を減らすことが可能です。接続詞の使い方を意識しながら、リーディング練習を続けて、「速読」のコツを身に付けましょう。
できるだけ英語のまま理解できるようにする
英文を読むたびに日本語に訳したり、頭の中で音読したりすると、問題を解くのに時間がかかります。そのため、英語は英語のまま理解する練習をするのが重要です。日常的に英語のニュースサイトやTOEIC問題集を使い、英語の語順で意味をとらえる練習を行いましょう。1文1秒を目安に読む「速読トレーニング」を続けることで、時間短縮だけでなくリーディングスピードの向上にもつながります。
速読スキルを鍛えるトレーニングとおすすめ参考書
TOEICで「速読」できるようになるには、実践的なトレーニングが重要です。特にTOEICのリーディングセクションでは、時間内に効率よく解答することが求められます。ここでは、「速読」のための具体的な練習方法と役に立つ参考書をご紹介します。
- 文章を正しく理解する練習
- 多読を習慣づける
- 語彙力を鍛える
文章を正しく理解する練習
TOEICでは「速読」といっても、文章の意味を正確に理解する必要があります。「文をじっくり読んでも内容が頭に入らない」と感じる場合は、文法や語法(語句の慣用的な使い方)の理解が不十分なことが原因でしょう。短めの文章を使い、トピックセンテンス(その段落の中で言いたいこと。英文では段落の冒頭に来る)やキーワードを素早く判断する練習をしつつ、文法や語法を確認することで、文章全体の構造を把握しやすくなります。信頼性の高い教材として「速読英単語(必修編)」がおすすめです。TOEICに特化した練習を重ね、スピードと正確性を両立させましょう。
多読を習慣づける
「速読」は、たくさんの英文を読むことで自然にできるようになります。ニュース記事や短編ストーリーを読む習慣をつけ、英語に慣れることが大切です。興味のあるジャンルの英文なら、読書が楽しくなります。多読の練習ができる教材として、「英文速読トレーニング ソクトレ150 【標準編】」(中野達也 著監・アルク)がおすすめです。
一方、毎日机に向かう時間が取れない人には、無料アプリを使って、通勤・通学などのスキマ時間に勉強するのも効果的です。例えば「Santaアルク」はTOEIC対策に特化したアプリなので、効率よく学習を進められます。これらを活用し、「速読」の力と英語力をバランスよく高めましょう。
語彙力を鍛える
「速読」の基盤となるのは語彙力です。知らない単語が多いと、そのたびに考え込んでしまい、読むスピードが落ちます。語彙力を高めるには、単語集やアプリを活用し、TOEIC頻出単語を覚えることが効果的です。特に動詞や接続詞、ビジネス英語の表現に注目すると、リーディングセクションで効果を発揮します。
おすすめの教材として、「出る単特急 金のフレーズ」(TEX加藤 著・朝日新聞出版)や「DUO 3.0」(鈴木陽一著・アイシーピー)があります。例文を使った形式で単語が紹介されているので、表現の使われ方が理解できるようになります。これらを活用し、「速読」に欠かせない語彙力を身に付けましょう。
まとめ
TOEICのリーディングセクションで「速読」を実現するには、正しいアプローチと日々の練習が重要です。「速読」の基礎となる語彙力の強化や、問題を効率的に解く「時短」テクニックを取り入れることで、解答時間の不足を解消できます。さらに、日常的に多読を習慣づけることで英語に慣れ、スコアアップにつなげることが可能です。
今回ご紹介した方法や教材を活用し、計画的に学習を進めてください。試験直前には緊張し過ぎず、自信を持って本番に臨むことが大切です。TOEIC対策は継続がカギですので、焦らず地道に取り組んでいきましょう。
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