TOEICで効率的に点数を上げる対策として最も有力なテキストのひとつが「公式問題集」です。
TOEICの公式問題集は「公式」と表記されている通り、TOEICの試験を作成しているアメリカの機関であるETSと、日本でTOEIC試験を運営している機関であるIIBCが監修している 本番形式 の問題集です。TOEICの「公式」が作る「本番形式」の問題集を効率的に使えば、より少ない時間と努力で、より高い点数&成果を得ることができます。
この記事では、そんなTOEICの公式問題集を使って、効率よく点数を伸ばす方法を解説します。
目次
TOEIC公式問題集とは
TOEIC公式問題集によく似たテキストに「TOEIC模試」や「TOEIC本番模試」がありますが、「模試」はTOEIC本番の試験形式に「よく似せた」問題なのに対してTOEIC公式問題集は、TOEICの「公式」であるETSとIIBCが、試験本番に出る問題形式で作った問題集です。
つまり、「模試」が「他社が似せて作った問題集」なのに対して、「TOEIC公式問題集」は「TOEICの公式が試験本番を意識して作った問題集」というわけです。
TOEICの公式問題集について以下の点から深堀りしていきます。
- TOEICの試験形式と重要性
- 公式問題集の特徴と利点
TOEICの試験形式と重要性
TOEICで効率的に点数を上げるためには、本番の試験形式を理解して、問題を解く最適な戦略を身に着けることがとても効果的です。
なぜなら、TOEICの試験方式は「初心者でも解ける問題」と「上級者だけが解ける問題」、そして 一見難しそうに見えるが、実は初心者でも解ける問題 が混ざっている独特な構成になっているからです。
イメージをしやすいように、簡単にTOEICの形式を紹介します。
TOEICの試験形式
TOEICの試験はPart1からPart7までの7パートに分かれています。
リスニング(聴解)問題がPart1からPart4まで、リーディング(読解)問題がPart5からPart7までに分かれています。
Part1は写真を見て、英語で流れるナレーションの中から、写真を最も的確に表現している選択肢を選ぶ問題です。
例として、TOEIC公式HPのサンプル問題を見てみましょう。
Part2は問題文が問題用紙に載っておらず、流れてくる英語に対して、最も自然な解答となる選択肢を選びます。(選択肢も英語の音声で流れてきます。)
例として、TOEIC公式HPのサンプル問題を見てみましょう。
問題文が”Where is the new fax machine?”なので、解答は「どこにあるのか」を答えるのが自然ですよね。
選択肢の中で最も自然なのはAの”Next to the water fauntain.”となります。
Part2はひっかけ問題(サンプルで言う”I'll send a fax tomorrow.”のように、よく似た発音を使ったひっかけ問題)があったり、WhenやWhereに対して”Sorry, I'm not sure.”といった意地悪な問題もありますが
基本的に初心者でも問題形式に慣れて意識さえすれば正解を選びやすい問題だと言えます。
Part3とPart4は長めの音声問題で、ひとつの音声につき3つの問題に解答します。
Part3は複数人の会話の音声が流れ、Part4はひとりのスピーカー(話し手)のアナウンスやナレーションの音声が流れます。
文章が長いので難しく感じがちですが、Part2と違ってひっかけ問題が少なく、聞こえた音声を素直に解答して正答できるものが多いので、諦めずに問題に食らいつくだけでも得点源になるパートです。
Part5からリーディング(読解)問題に入って、Part5と6は空欄(カッコ内)を選択肢の中から埋める方式で問われます。
例として、TOEIC公式HPのPart5、Part6のサンプル問題を見てみましょう。
Part5は単語と熟語の知識や文法力を問われ、Part6は文章を読んで前後関係を一致させる問題がメインです。
Part7は「長文問題」で、本文を読み内容理解をして選択肢を選ぶ問題となっています。
長文問題のPart7の中でも、本文がひとまとまりの「シングルパッセージ」、関連する2つの文書(メールの本文と返信など)がセットになった「ダブルパッセージ」、関連する3つの文書(講演会のビラと新聞記事、それに関するメールなど)が3セットになった「トリプルパッセージ」があります。
Part7を時間内に最後まで解答できる受験者はスコア800点を超える受験者に限られてくるので、落ち着いて「解ける問題を解く」ことに専念すると点数が伸びやすいです。
TOEICの試験形式に慣れるのはなぜ大切?
TOEICの試験形式は少し独特で、TOEICの試験方式は「初心者でも解ける問題」と「上級者だけが解ける問題」、そして「一見難しそうに見えるが、実は初心者でも解ける問題」が混ざっていることは少し触れましたね。
特に「一見難しそうに見えるが、実は初心者でも解ける問題」を落としてしまうのはすごくもったいないですよね。
こうした問題を的確に見抜いて解答するには、TOEICの公式問題集を使って試験形式に慣れるのが最も効果的だと言えます。
例えばTOEICの参考書でも、初心者にわかりやすいように本番よりも簡略化された問題が多く、
せっかく勉強したのに本番で難しく感じてしまい、パニックになってしまって思ったように点数を取れなくなってしまいます。
何を隠そう、今これを書いている筆者がそんな状態に陥ったことがあります。
TOEIC公式問題集は本番形式の問題なので、本番に近い環境で演習ができるのも強みです。
例えば筆者は、過去に試験形式を意識するあまり、Part2のような「似た発音でひっかけ問題が来る!」という意識を、Part3とPart4にまで引きずってしまった結果、スコアを100以上落としてしまった苦い経験があります。
こうした「TOEICの形式慣れ」は、ただ頭に入れるだけでなく「実際にTOEIC本番形式で解く」ことが大事です。
以上のことから、TOEIC本番と同じ環境で本番演習ができる公式問題集こそ、TOEICの試験形式に慣れるのにピッタリだと言えるわけです。
公式問題集の特徴と利点
TOEIC公式問題集の特徴と利点について解説します。
TOEIC公式問題集の特徴
TOEIC公式問題集の大きな特徴として、以下の2点が挙げられます。
- ETSとIIBCが監修。
- TOEICの試験本番2回分を収録
TOEIC試験本番形式の模試はいくつかありますが、TOEIC公式問題集の最も大きな特徴と言えるのが「ETSとIIBCが監修する、公式の試験本番形式問題集」であることでしょう。
また、試験本番の問題2回分を収録しているのも特徴です。
TOEIC本番の試験形式で演習もできますし、問題傾向を掴むのにも役に立ちます。
TOEIC公式問題集の利点
TOEIC公式問題集の最大の利点は、「本番に最も近い難易度、形式で演習」ができることでしょう。
他の参考書ではTOEIC対策に特化したものでも、理解を促す目的で、本番よりも簡単かつシンプルにした問題、TOEIC本番では出題されない形式の問題(記述式の問題や語句整序問題など)を取り扱うものも多いです。
もちろん「多少遠回りをして、時間をかけて英語力を養う」のであれば、TOEIC形式でない問題を解くことのメリットはあるでしょう。
しかし、より効率的にTOEICの問題に慣れて点数を上げるには、より本番と同じ形式と問題の傾向を掴んで解き続けるのが最短ルートだと言えるでしょう。
TOEIC公式問題集の選び方
TOEIC公式問題集を選ぶ上で重要なポイントを解説します。
- 公式問題集の番号の意味とは?
- 結局どの公式問題集を買えば良いの?
- 最新の公式問題集を入手するには
公式問題集の番号の意味とは?
TOEICの公式問題集には、表紙に大きく「9」とか「10」とか「11」といった数字が書かれていますよね。
TOEIC公式問題集に書いてある番号は、「発売された順番」を表しています。
つまり、番号が若い(数字が少ない)ものが昔に発売されたもので、番号が遅い(数字が多い)ものが新しく発売されたものだと言えます。
結局どの公式問題集を買えば良いの?
では、結局どの公式問題集を買えば良いのでしょうか?
結論から言えば、新しく買うのであれば「最新のものから過去3回分まで」を目安に買うのがおすすめです。
「同じ公式問題集ならどれも変わらないのでは?」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かにTOEIC公式問題集は、多少古くても良質な問題集であることには変わりありません。
しかし、TOEICは年々難易度や問題の傾向が変わって来ています。
試しに最新の公式問題集と、「1」と書かれた公式問題集を解き比べてみればわかります。
明らかに「1」の公式問題集の方が簡単に感じるでしょう。
私達が受験するTOEICのテストは、その時点で最新のテストを受けるわけですから、最新の難易度と傾向に最も近い最新のTOEIC公式問題集が好ましいです。
今この記事を執筆している2024年10月現在で最新のTOEIC公式問題集は 11 です。
ですから、今から買って取り組むのであれば最新の「11」を、「11」を終えてしまってまだ取り組みたいならさかのぼって10や9の公式問題集に取り組むのが良いでしょう。
最新の公式問題集を入手するには
最新のTOEIC公式問題集は、お近くの書店やAmazon、楽天などの通販で買うことができます。
2024年10月現在、最新の「TOEIC公式問題集11」は、発売から3ヶ月程度経っているので書店に並んでいるでしょう。
TOEIC公式問題集を使った効果的な学習法
TOEIC公式問題集の特徴やメリットがわかったところで、ここからはTOEIC公式問題集を使って効果的に勉強を進める方法をご紹介します。
- 最初に模試を解いて問題形式や時間の感覚を理解する
- 苦手分野を強化する
- 何回も復習する
- Santaアルクのパーソナライズ学習でスコアアップ
最初に模試を解いて問題形式や時間の感覚を理解する
最初はTOEIC公式問題集を使って模擬試験として演習をしましょう。
TOEICは英語の試験の中でも、限られた時間で、時間管理を上手にこなしてひとつでも多くの問題を解く力が必要なテストだと言えます。
試験本番までに、時間の使い方と問題形式に慣れているかが点数アップの鍵を握ります。
問題形式に慣れ、時間の使い方を最適化するには、限りなく本番に近い模擬演習をするのが一番の近道です。
特にパートをまたぐとき(Part1からPart2に移るときや、Part5からPart6に移るときなど)に、意識しなくても「このパートはこんな問題が出て、こんな風に解く」とわかっている状態になると、スムーズに問題に取り組めます。
こうした「TOEIC全体の流れ」に慣れることも、公式問題集を使った本番に近い模試演習が最適だと言えます。
苦手分野を強化する
TOEIC公式問題集を使って模擬演習をしたら、間違えた問題を意識して苦手分野を強化しましょう。
特に「間違いはしたけど、よく考えて解けば正解できるはずだった問題」は、簡単に改善できる大きな伸びしろだと言えます。
初心者でも点数を伸ばしやすいPart5を例に挙げてみましょう。
Part5は単語力や熟語力、そして文法力を問われる問題で構成されています。
間違えた問題が単語力を問う問題であれば、ノートなどにメモをして意味と使い方を覚えてしまうのが良いでしょう。
文法力を問われる問題なのであれば、TOEIC公式問題集の解答解説を読んで理解を促すと良いです。
(ただし、解説を読んでも難しければ、飛ばしてしまって構いません。)
他にもPart3やPart4のように、初心者には難しい長文のリスニング問題でも、「ここは聞き取れたのに間違えてた!」という問題もあるはずです。
自分の苦手な分野と向き合うのは精神的に大変ですが、すぐ改善できる部分も多いので、むしろ点数を伸ばす大チャンスだと思って取り組みましょう。
何回も復習する
TOEICの公式問題集を使って模擬演習をし、苦手分野を把握したら、次は何回も復習をしましょう。
「何回も復習すると、答えを覚えてしまって身についている実感がないのでは?」
と考えがちですが、解答だけでなく「解説」をしっかり読むことで、答えに至るまでの思考も養われます。
例えばPart5の単語力を問われる問題では、単純な「単語の知識」を問われているので、復習する時に「答えを覚えちゃってるから意味がない」と感じてしまいがちです。
しかし、TOEIC本番の形式で復習することで、単語の意味だけでなく
- その単語が、英語の文章中でどんな使われ方をするのか
- TOEICの問題では、どんな問われ方をするのか(傾向把握)
を学べます。
他にも長文問題を扱うPart7の問題も
- 本文の話、内容がどんな風に展開されていくのか
- 本文に書いてある内容がどんな風に問題文と選択肢で問われるのか
など、「TOEICの傾向把握」という面で大いに役に立ちます。
さらに「答えを覚えてしまっている」ことも
- 自分の間違えやすい問題を把握できている
- 「間違えた経験」を思い出して、似た問題を正解しやすくなる
という利点があります。
2つ目については「これ進◯ゼミでやったところだ!」みたいなイメージですね。
TOEIC本番の試験を体験できる公式問題集だからこそ、「傾向把握」できる「復習」ができるわけですね。
Santaアルクのパーソナライズ学習でスコアアップ
TOEICを効果的にスコアアップするために、TOEIC公式問題集と並行して「Santaアルク」のアプリを使った「パーソナライズ学習」をするのがおすすめです。
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TOEIC公式問題集と合わせて、スコアアップに最適な学習ができるようになるでしょう。
まとめ
この記事では、TOEIC公式問題集についての基本情報と効果的な使い方について解説しました。
TOEIC公式問題集は、TOEICを作成&運営しているETSとIIBCが作っている公式の問題集です。
- 最初に公式問題集を使って模擬演習をしてみる
- 模擬演習の結果からご自身の苦手分野を把握&対策する
- 何回も復習をする
以上の3点を意識して、効果的にTOEIC公式問題集を活用しましょう。
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