TOEIC IPテストのスコアは履歴書に書ける?公開テストとの違いやメリットを解説

英語力を測る世界共通のテストであるTOEICには、「公開テスト」と「IPテスト」の2種類あるのをご存知でしょうか?
同じTOEICであっても違いを知らずに受けてしまうと、後から「IPテストは記載不可」と使用できない場合もあります。
そこで本記事では、TOEIC IPテストについて、公開テストとの違いやメリット、対策方法を徹底解説します。

TOEIC IPテストとは

TOEIC IPテストとは、団体受験の制度のことです。

企業や学校など各団体がテスト実施期間と開催日をそれぞれで設定することができます。

2020年4月からは、テレワークの普及に伴いオンライン方のテストも導入されました。

オンライン受験は、試験期間を一定期間設けることができ、さらにインターネット環境があれば受験できるため、場所や時間に縛られることなく、各自の都合に合わせて受験可能です。

この記事では、TOEIC IPテストのメリット・デメリットを公開テストとの違いを踏まえて解説していきます。

IPテストのメリット

公開テストとIPテスト、どちらを受験するべきか考えるために、IPテストを選ぶメリットについて確認していきましょう。

IPテストのメリットは以下の7点です。

  • 試験時間が短い
  • 受験料が安い
  • 基本的に正式なスコアとして使用可能
  • 初心者におすすめ!難易度を自動で調整してくれる
  • リスニングの音声を集中して聞ける
  • 場所・時間を自分で選べる
  • スコアがすぐに確認できる

一つひとつ分かりやすく解説していきます。

試験時間が短い

IPテストのメリットは、まず「試験時間が短い」ことが挙げられます。

TOEIC IPテスト(オンライン)は、公開テストの半分である1時間で受験可能です。

オンライン版では、受験者の能力に合わせてリアルタイムでテスト内容が変化するため、試験時間が短縮されます。

これにより、忙しい社会人や学生であっても、比較的スケジュール調整しやすくなります。

また、試験時間が短縮されることにより、集中力が続きやすく、ベストパフォーマンスを発揮できる可能性が高いというのも魅力の1つでしょう。

受験料が安い

TOEIC IPテストのは、公開テストと比べて受験料が安いというのが魅力の1つです。

公開テストが7,810円であるのに対し、IPテストは4,320円と、約55%の価格で受験可能です。

一度の受験で目標スコアを達成できなかった場合や、自分の現在の実力を確かめたい方にとって、IPテストであれば手軽に何度も受けやすいでしょう。

TOEICテストの肌感を知りたい方や、公式認定書の必要のない方は、まずはIPテストを受験して現時点での英語力を確認するのが有効です。

基本的に正式なスコアとして使用可能

TOEIC IPテストの結果は、基本的に正式なスコアとして使用できます。

IPテストは公開テストと問題の構成や難易度は同様であるため、履歴書にスコアとして記載して英語力をアピールすることが可能です。

TOEICテストを運営しているIIBCの公式サイトでも、相手先から公式認定証の提出を求められていないのであれば、正式なスコアとして提示しても良いと記載されています。

ただし、中には不可能とされているケースもありますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

TOEIC Listening & Reading Test・TOEIC Bridge Listening & Reading Tests(テスト実施後)|団体のご担当者様|【公式】TOEIC Program|IIBC

初心者におすすめ!難易度を自動で調整してくれる

TOEIC IPテストは、オンライン版ではCTAというシステムが導入されており「難易度を自動で調整してくれる」という点が初心者に嬉しいポイントになります。

CTA(Computer Adaptive Test)とは、受験者のレベルに応じて出題する問題が変わる、最適化する仕組みのテストです。

TOEIC IPテスト(オンライン)では、前半の25問は全員共通の問題ですが、そこでの正答率に合ったレベルの問題が出題されるようになっています。

このように自分のレベルに合った問題を解くことになるため、初心者でも無理なく受験にチャレンジできるでしょう。

TOEICを初めて受ける初心者の方は、以下の記事も参考にしてみてください。

リスニングの音声を集中して聞ける

TOEIC IPテスト(オンライン)のリスニングは、イヤホンが使えることから、音声を集中して聞けるのもメリットです。

公開テストでは、スピーカーから音声が流れるため、周囲の雑音が気になることもあるでしょう。

しかしながら、オンライン受験ではイヤホンを使うことでそういった外部の音を遮断できるため、より集中できる環境で問題に取り組むことができます。

場所・時間を自分で選べる

TOEIC IPテストは、オンライン受験であれば「場所・時間を自分で選べる」というのも、時間がない受験者にとって大きな魅力です。

各団体、学校、企業に試験会場を指定された場合はそこへ出向く必要がありますが、オンライン方式で受験する際には、インターネット環境があれば、指定期間内に24時間どこでも受験することができます。

場所や時間を選ばず受験できるため、忙しい方でも都合の良いタイミングを見つけてテストに挑戦できるでしょう。

スコアがすぐに確認できる

TOEIC IPテストは、スコアがすぐに確認できるのもメリットの1つです。

オンライン版では、テスト終了次第その場で結果が表示されます。

また、マークシート形式であっても受験日から約5営業日後に所属の団体あてに結果が届けられるので、公開テストよりかなり早くスコアを確認することができます。

このようにすぐに結果を確認できるというのは、「早くスコアを知ってアピール材料にしたい」、「苦手な部分を知って早急に対策に取り組みたい」という方にとって非常に大きいメリットなのではないでしょうか。

IPテストのデメリット

TOEIC IPテストには、多数メリットがある一方でデメリットもあります。

IPテストのデメリットは以下の3点です。

  • 企業・団体に所属していないと受験できない
  • 問題の先読みできない場合がある
  • 公式認定証が発行されない

それぞれ詳しく解説していきます。

企業・団体に所属していないと受験できない

IPテストは、企業・団体に所属していないと受験できません。

つまり、自分が所属している団体が実施していなければ、受験が難しいということです。

ただし、TOEIC IP テスト実施団体によっては、登録等の手続きや講座を受講することにより受験が可能な場合もあります。

また、大学によっては受験が強制になっていたり、単位取得の条件になっていたりする場合もあるので確認してみましょう。

問題の先読みができない場合がある

TOEIC IPテスト(オンライン)のリスニングテストは、先読みすることができません。

1問1問進める形式になっているため、先の問題を確認することができず、音声を聞きながら、選択肢を読む必要があります。

このため、TOEICに慣れていない方は筆記テストよりも難しく感じることがあるでしょう。

公式認定証が発行されない

TOEIC IPテストの結果には、公式認定証が発行されません。

多くの大学受験や留学、大学院進学の際には、英語力を示す証明書として、公式認定証の提出を求められるのが一般的です。

また、公務員試験や一部企業の採用試験で英語科目免除を受ける場合にも公式認定証が必須となります。

IPテストではスコアレポートが発行されますが、これは自身がスコアを取得した証明となる一方で、公式認定証とは異なるということを理解しておきましょう。

TOEIC IPテストの試験内容

TOEIC IPテストにはマークシート版とオンライン版の2種類ありますので、それぞれ問題構成と時間について紹介します。

リーディングセクションの内容と問題数

リーディングセクションの内容と問題数は以下のとおりです。

【オンライン版】

||||
|------------------|----------------------|----------------|---|
| Unit1 (約23分間) | Incomplete Sentences | 短文穴埋め問題 | 5 |
| | Text Completion | 長文穴埋め問題 | 4 |
| | Reading Comprehension| 読解問題 | 16|
| Unit2 (約14分間) | Incomplete Sentences | 短文穴埋め問題 | 7 |
| | Text Completion | 長文穴埋め問題 | 4 |
| | Reading Comprehension| 読解問題 | 9 |

【マークシート版】

||||
|--------------------------------|---------------------|----------------|------|
| リーディングセクション (75分) | Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
| | Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
| | Part7 | 1つの文書 | 29問 |
| | | 複数の文書 | 25問 |

このように、マークシート版は公開テストと変わりませんが、オンライン版は構成は同様であるものの問題数が少なくなります。

また、公開テストは常に問題が更新されるのに対し、IPテストは過去の問題を組み合わせて出題されるのも特徴です。

リスニングセクションの内容と問題数

リスニングセクションの内容と問題数は以下のとおりです。

【オンライン版】

||||
|-------|-----------------------------|----------------|---|
| Unit1 | Photographs | 写真描写問題 | 3 |
| | Question-Response | 応答問題 | 4 |
| | Conversations (with and without a visual image) | 会話問題 | 9 |
| | Talks (with and without a visual image) | 説明文問題 | 9 |
| Unit2 | Question-Response | 応答問題 | 5 |
| | Conversations (with and without a visual image) | 会話問題 | 9 |
| | Talks (with and without a visual image) | 説明文問題 | 6 |

【マークシート版】

Part1写真描写問題6問
Part2応答問題25問
Part3会話問題39問
Part4説明文問題30問

リスニングセクションについても、マークシート版は公開テストと構成や問題数に違いはありません。

しかし、マークシート版はリーディングセクションと同じく問題数が少なくなります。

参照ページ:TOEIC L&R IPテスト(オンライン)_受験のしおり

TOEICの問題形式についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

TOEIC IPテストのスコア活用法

TOEIC IPテストの詳細が理解できたところで、実際に受験後、どのようにスコアを活用するかについて紹介します。

スコアの見方と評価基準

引用ページ:TOEIC Program IPテスト(オンライン)|IIBCの活動

TOEIC IPテストのスコアや評価の意味合いについては公式テストと変わりません。

TOEICテストでは、合格・不合格といった明確な判定はなく、リスニング5〜495点、リーディング5〜495点、合計990点の間でスコアが算出されます。

評価基準については、TOEICを実施しているIIBCが公式に発表している以下の画像を参考にしてください。

PROFICIENCY SCALE - 国際ビジネスコミュニケーション協会

IPテストのスコアは履歴書に書ける?

結論からお伝えしますと、TOEIC IPテストは基本的に履歴書に記載できます。

IPテストは、企業や大学が主催者となる点や受験方式に違いがありますが、試験の内容や問題のレベルに大きな差はありません。

そのため、履歴書にIPテストのスコアを記載することで英語のアピールができます。

ただし、企業や学校などによって公式認定証の提出を求められることがあります。

その場合は、IPテストでは公式認定証が発行されないため、記載することはできません。

実際履歴書にTOEIC IPテストのスコアを記載する際には、「免許・資格」の欄に取得年月と「TOEIC Listening&Reading IPテスト(オンライン)などと書きましょう。

を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

免許・資格
20○○□□TOEIC Listening&Reading IPテスト(オンライン)750点取得

履歴書の書き方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

IPテストを受ける前に確認しておくべきこと3選

TOEIC IPテストで失敗することのないよう、受ける前に確認しておくべきことを押さえておきましょう。

周囲の音

TOEIC IPテスト(オンライン)を各自で受験する場合には、周囲の雑音などが気にならず、自分が集中できる環境を作ることが大切です。

公開テストやマークシート版の際には、会場スタッフが管理してくれますが、自宅受験では自分で整えなければなりません。

万全な準備ができていないと試験が不利になる可能性もあるため、周りに人がいない部屋で受験したり、イヤホンなどで外部の音を遮断したりするなど、しっかり対策をしておくようにしましょう。

回線は問題ないか

オンライン受験では、トラブルが起こることなく問題が解き終えられるよう、最適なインターネット環境を整えることが重要です。

インターネット回線が不安定な場合、受験中に画面が固まってしまったり、最後まで解けずに中断してしまったりする可能性があります。

そのため、受験に使用するデバイスは最新版にアップデートし、無線LANやインターネット環境も良好かどうか確認しておきましょう。

webカメラの動作も確認しておく

オンライン受験する前には、webカメラの動作も確認しておく必要があります。

というのも、TOEIC IPテスト(オンライン)では、不正防止の観点から、AIを活用した試験監視サービス「AI監視サービス」が導入されているからです。

このサービスでは、受験者の試験中の様子を録画したデータをAIが事後解析します。

試験直前に不具合に気づくと対応が難しいため、事前に一度、webカメラの動作を確認しておくのが最善です。

IPテスト特有の対策法

TOEIC IPテストの問題構成は、公開テストと大きな違いはありません。

しかし、試験時間や問題数は異なりますし、最大の違いは「オンライン受験」もあるという点です。

ここではIPテスト(オンライン)ならではの対策法について紹介します。

モニターを使った問題演習に慣れておく

TOEIC IPテスト(オンライン)では、ペーパーテストとは異なり、モニター上で問題を解くことになります。

そのため、普段からインターネットを利用した問題演習に慣れておきましょう。

モニターでの読解速度は、ペーパーに比べて遅くなることが多く、慣れているかどうかが非常に重要です。

そして長時間パソコンの画面を見ていると、目が疲れてくるため、デバイスの設定変更やブルーライト対策眼鏡をかける、液晶ディスプレイにフィルムを張るという対策がおすすめです。

あなたの使っているデバイスだと、どのような感じで受けることになるのか、日頃からオンライン環境での模試や過去問などで練習を重ねておくと良いでしょう。

その際におすすめな方法は、TOEIC対策アプリ「Santaアルク」を活用することです。

アプリで手軽に、本番さながらの問題を解くことができるので、ぜひチェックしてみてください。

先読みはできないので音声に集中する

TOEIC公開テストの有効な点数アップの方法として、問題の先読みを実践している方もいるでしょう。

しかしながら、TOEIC IPテスト(オンライン)では、音声が読まれる直前に問題が表示されるので、先読みすることができません。

先読みができない分、公開テスト以上に集中して音声を聞く必要があります。

流れる英文を聞き逃すことのないよう、しっかりと集中し、正確に問題を理解できれば、先読みできなくともしっかりと得点に繋げることができるでしょう。

まとめ

今回は、TOEIC IPテストについて、公開テストとの違いや特有の対策方法を解説しました。

IPテストは、英語力を測る点においては公開テストと変わりありません。

しかしながら、受験方法や問題数、公式認定証の有無などには明確な違いがあるため、目的に応じてどちらを受験するべきか、じっくり確認することが重要です。

特にIPテストでは、オンライン受験することができるため、通常のTOEIC対策に加えて、オンラインに特化した準備もしておきましょう。

TOEIC対策アプリ「Santaアルク」では、IPテストのようにインターネット上で模擬試験を受けることもできるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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