TOEIC(Test of English for International Communication)は、ビジネスシーンにおける英語コミュニケーション能力を測定する世界標準のテストです。近年、グローバル化の進展に伴い、多くの企業がTOEICのスコアを採用や昇進の指標として活用しています。この記事では、TOEICの最新情報や各パートの特徴、効果的な対策方法などを詳しく解説します。
目次
TOEICの基本情報
TOEICには複数の種類がありますが、ここでは最も一般的なTOEIC L&R(Listening & Reading)について、以下のポイントを解説します。
- TOEICとは?
- 試験の全体構成
- TOEIC IPテストについて
- TOEIC Bridgeについて
TOEICとは?
TOEICは、英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を評価するためのテストです。主にビジネスシーンでの英語使用を想定しており、日常生活やビジネス場面で遭遇するさまざまな状況での英語理解力を測ります。結果は5点刻みで、10〜990点のスコアで示されます。TOEIC L&Rにはリスニングとリーディングの問題があり、答えは選択肢から選ぶ形式です。
試験の全体構成
TOEIC L&Rテストには、以下のような問題があります。
リスニング | Part 1 | 写真描写問題 |
Part 2 | 応答問題 | |
Part 3 | 会話問題 | |
Part 4 | 説明文問題 | |
リーディング | Part 5 | 短文穴埋め問題 |
Part 6 | 長文穴埋め問題 | |
Part 7 | 読解問題 |
テスト全体の所要時間は2時間で、リスニングが45分(100問)、リーディングが75分(100問)の構成になっています。
TOEIC IPテストについて
TOEIC IP(Institutional Program)テストは、企業や学校などの団体が独自に実施するテストです。通常のTOEICと同じ形式ですが、実施日時や場所は団体によって決定され、自宅で受けられるオンラインテストもあります。IPテストでは、公式認定証が発行されませんが、公式のスコアとしては使用可能であり、主に組織内での英語力の把握や、英語研修の効果測定などに活用されている点が特徴です。
TOEIC Bridgeについて
TOEIC Bridgeは、TOEIC L&Rテストよりもやさしい内容で構成された試験です。初級~中級レベルの英語学習者向けに作られており、リスニング50問、リーディング50問の計100問で構成されています。所要時間は約1時間で、結果は20〜180点のスコアで示されます。TOEIC Bridgeは、TOEIC L&Rテストにチャレンジする前の実力の確認に適しています。
パート別の概要と特徴
ここでは、TOEIC L&Rテストの各パートの特徴と解答のコツを詳しく解説します。
- Part 1(リスニング/写真描写問題)
- Part 2(リスニング/応答問題)
- Part 3(リスニング/会話問題)
- Part 4(リスニング/説明文問題)
- Part 5(リーディング/短文穴埋め問題)
- Part 6(リーディング/長文穴埋め問題)
- Part 7(リーディング/読解問題)
Part1(リスニング/写真描写問題)
Part1は、問題用紙にある写真を最も適切に描写している英文を選ぶ問題です。6問出題され、各問題に4つの選択肢があります。選択肢は音声で流れるだけで、問題用紙には書かれていません。各問題につき解答時間は約5秒です。写真に写っているのは、人物、物、風景など多岐にわたります。解答のコツは、写真全体を素早く観察し、主要な要素を把握することです。特に人物の動作、表情、服装などに注目しつつ、背景や周囲の状況も確認しましょう。
Part2(リスニング/応答問題)
Part2は、短い質問や文を聞いて、それに対する最も適切な答えを選ぶ問題です。25問出題され、各問題に3つの選択肢があります。質問や文は1度だけ音声で流れ、問題用紙には書かれていません。各問題につき約5秒の解答時間があります。解答のコツは、問題用紙にある質問を先に読み、ヒントになる部分を待ちながら音声を聞くことです。話者の意図や感情の変化に注意を払うことも大切です。
Part3(リスニング/会話問題)
Part3は、2人以上の人物による会話を聞き、その内容に関する質問に答える問題です。13の会話が出題され、各会話につき3つの質問があります。解答のコツは、問題用紙にある質問を先に読み、ヒントになる部分を待ちながら音声を聞くことです。話者の意図や感情の変化に注意を払うことも大切です。
Part4(リスニング/説明文問題)
Part4は、アナウンスやナレーションなど、1人の人物が語る説明(トーク)を聞き、その内容に関する質問に答える問題です。10のトークが出題され、各トークにつき3つの質問があります。1つの質問に対して、選択肢は4つです。トークの音声と質問は一度だけ流れますが、選択肢は読まれません。解答のコツは、問題用紙にある質問を先に読み、ヒントになる部分を待ちながら音声を聞くことです。数字や時間、場所などの具体的な情報をメモすることも有効です。
Part5(リーディング/短文穴埋め問題)
Part5は、文の中の空所に入る最も適切な語句を選ぶ問題です。30問出題され、各問題に4つの選択肢があります。文法、語彙、イディオムなどが問われます。解答のコツは、あらかじめ問題のパターンを覚えておいて、問題文を全て読んで答える問題か、空所の前後だけを読めば解ける問題かを判断することです。また、頻出の単語・イディオムや、文法項目(時制、関係詞、仮定法など)を重点的に学習するのも効果的です。Part 5全体を約10分で解くことを目標にして、分からない問題に時間をかけすぎないようにしましょう。
Part6(リーディング/長文穴埋め問題)
Part6は、長文の中の空所に入る最も適切な語句を選ぶ問題です。4つの文章が出題され、各文章に4つの空所があります。各空所に対して、選択肢は4つです。長文の内容は、ビジネス文書や広告など、実践的なものが多く出題されます。解答のコツは、パート5と同じですが、文が入る箇所を選ぶ問題など、文脈を把握して答える問題もあります。このパートも、分からない問題に時間をかけすぎないようにしてください。Part6全体を約10分で解くことを目標にしましょう。
Part7(リーディング/読解問題)
Part7は、1つまたは複数の文書を読み、その内容に関する質問に答える問題です。各文書に2〜5の質問があります。ビジネスメール、広告、記事など、さまざまなタイプの文書が出題され、非常に読む分量が多いため、時間を取られやすいパートです。解答のコツは、見出しや太字の部分から文書の概要を素早く把握するスキミングと、必要な情報だけを拾い読みするスキャニングという、リーディングのテクニックを効果的に使い分けることが挙げられます。複数の文書がある場合は、1つの文書に関する問題と、複数の文書を比較する問題があり、文書の共通点や相違点に注目することも重要です。時間配分は、文書が1つのもの(29問)を25分で、ダブルパッセージとトリプルパッセージ(25問)を30分で解くことを目安にするとよいでしょう。
TOEICの問題形式の特徴
TOEICで頻出する内容や、問題形式について解説します。
- TOEICでよく出る内容
- 問題形式の変化
- TOEIC試験当日の注意点
TOEICでよく出る内容
TOEICでは、ビジネスや日常生活に関連する内容がよく出題されます。具体的には、オフィスでの会話や業務連絡、出張や旅行に関する状況、広告やマーケティング、人事や採用に関する話題などです。また、会社の方針や手順の説明、製品やサービスの紹介、環境問題やCSR活動に関する内容も見られます。これらの題材に関連する、語彙や表現を事前に学習しておくことが重要です。
問題形式の変化
TOEICは時代の変化に合わせて、問題形式を微調整しています。最近の主な変更点は、リスニングセクションでの会話の自然さの向上や、アクセントの多様化(北米以外の英語圏の話者の増加)が挙げられます。また、Part7での複数文書を用いた問題の増加や、ビジネスメールやSNSなど、デジタルコミュニケーションに関する問題の増加も見られます。最新の試験は全体的に語彙・語数の増加、内容の難化が見られるため、注意が必要です。
TOEIC試験当日の注意点
試験当日は、十分な睡眠をとり、リラックスした状態で臨むことが大切です。試験会場の場所とそこまでの所要時間を事前に確認し、必要な持ち物(受験票、身分証明書、筆記用具など)を忘れずに準備しましょう。また、時計を持参して、時間配分に気をつけてください。さらにマークシートも丁寧に塗るように心がけましょう。これらの注意点を守ることで、実力を十分に発揮できる環境を整えることができます。
効果的なTOEIC対策
スコアアップを目指すためには、計画的かつ効果的な学習が欠かせません。ここでは、TOEIC対策の効果的な方法について以下のポイントを説明します。
- アプリで効果的に学習しよう
- 参考書と模試の活用法
アプリで効果的に学習しよう
スマートフォンやタブレットで使うTOEIC学習アプリは、隙間時間を有効活用できる便利なツールです。学習に効果的なアプリは、実際のTOEIC形式に沿った練習問題があるものや、リスニング問題の音声再生機能があるもの、弱点分析や進行状況の管理ができるものです。また、単語帳機能やフラッシュカードで語彙力強化ができたり、オフライン学習に対応していたりすると、便利です。アプリを使用する際は、毎日少しずつでも学習を継続することが重要です。通勤・通学時間や休憩時間を利用して、コンスタントに英語に触れる習慣をつけましょう。これからTOEICの学習をしたい人には、「Santaアルク」というアプリがおすすめです。このアプリは、本番さながらの練習問題や、効果的な単語学習機能を備えているほか、最先端のAIがユーザーの弱点を分析し、それに応じた学習プランを提案してくれる機能もあります。通勤や通学時間、待ち時間などを利用して、スマートフォンやタブレットで手軽にTOEIC対策ができるので、忙しい方にも最適です。「Santaアルク」を活用すれば、効率的かつ効果的なTOEIC学習が可能になるでしょう。
参考書と模試の活用法
参考書や模試は、体系的な学習と実力確認のために欠かせないツールです。参考書を選ぶ際は、自分のレベルに合ったものや、解説が詳しく理解しやすいものを選びましょう。また、ダウンロード音声やオンライン教材が付属しているものも便利です。学習計画を立てる際は、目標スコアと試験日から逆算し、各パートの学習時間を均等に配分することが大切です。弱点克服に重点を置いて、学習計画を立てることも効果的です。模試の活用も重要です。定期的に本番と同じ形で模試を受験し、実力を客観的に把握しましょう。時間配分や集中力の維持を実践的に訓練できる良い機会となります。解答後は必ず解説を読み、間違えた問題を徹底的に復習することが大切です。
復習の際は、間違えた問題について、なぜ間違えたのかを分析し、関連する文法事項や語彙を重点的に学習しましょう。正解できた問題でも、より効率的な解き方がないか検討することで、さらなる実力向上につながります。
参考書や模試を効果的に活用することで、TOEICの出題傾向や自分の弱点を把握し、効率的なスコアアップを図ることができます。
まとめ
TOEICは、ビジネスにおける英語コミュニケーション能力を測る重要な指標として、多くの企業で活用されています。本記事では、TOEIC試験の基本情報から各パートの特徴、効果的な学習方法まで幅広く解説しました。これらの情報を参考に、自分に合った学習計画を立て、着実にスコアアップを目指しましょう。継続的な学習と実践的なトレーニングを重ねることで、必ず結果はついてきます。TOEICで高得点を取得し、グローバルなビジネスシーンで活躍する自分を想像しながら、日々の学習に励んでください。
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