「買う」「理解する」「機会がある」「病気になる」を表せる動詞は何?【アンちゃんの英会話頻出ワード】

連載「使いこなせる!英会話頻出ワード」。言語学者のアンちゃんことアン・クレシーニさんが、「英語のネイティブスピーカーがよく使うけれど、日本語では理解しづらい言葉」を徹底解説します!今回は289も意味があるという動詞「get」を取り上げます。目からうろこの意味もたくさんあります!

見出し

私は3年間、母国のアメリカに行っていません(日本は私のホームなので「帰る」とは言わないようにしています)。もちろん家族には会いたいですが、コロナウイルス感染症の状況や、その水際対策を大いに心配している私は、多くの日本在住の外国人と同じように日本から出ようともしませんでした。

2020年3月に亡くなった父の葬儀も行うことができず、母に「落ち着いたらしよう」と何回も言っていましたが、結局、何もできないまま2022年になってしまいました。

今年に入って水際対策が少し緩和されたので、「よしっ!アメリカに行く!」と決めて、いろいろ計画を立て始めました。でも、航空チケットを買った途端、コロナがまたとんでもないことになりました。感染が爆発的に広がって、多くの友人や知り合いが感染してしまいました。

今、「私はいつかかるだろう?」と思いながら毎日過ごしています。ただ、アメリカに行きますし、日本に帰る前にはPCR検査をクリアしなければならないので、どうしてもコロナにかかりたくありません。

さて、この「コロナにかかりたくない」という表現は、皆さん、英語で言えますか?

「病気にかかる」を表す英語はたくさんあります。catch、contract、get infected with ~ を使いますが、会話に最もよく出てくるのはgetです。

I so don’t want to get COVID before I go to the U.S.
アメリカに行く前にどうしてもコロナにかかりたくない。

I got COVID last year.
去年コロナになった。

Everyone around me is getting COVID.
周りの人がみんな、コロナにかかっている。

I haven’t gotten COVID yet.
私はまだコロナにかかっていない。

このカジュアルな英単語は、きっと多くの日本人を悩ませていると思います。ある調査の結果によると、getには289もの違う使い方があるあるそうです。

その289個全てのはできませんが、頻繁に使うものを解説していきます。

さて、始めましょう。

病気になる、病気にかかる

日本語の「病気」は英語にすると、よくsickになります。

「病気」は重いイメージがあります。でも、英語のsickは必ずしもそのイメージではありません。英語では程度と関係なく、調子が悪いときにsickを使います。

風邪、インフルエンザ、コロナ、腸炎、がん、中耳炎など、全てsickと言ってよいです。

そのため、英語で単にI’m sick.と言っても、それがどの程度悪いのか、何の病気なのかといったことは文脈がないと分かりません。ですから、英語のI’m sick.を日本語で表したいときは、「病気です」とするのではなく、「調子が悪い」「具合が悪い」とした方が、意味が近いと思います。

もし、さらに詳しく「調子」を説明したいのであれば、そのほかの情報を加えましょう。

My mom got sick last year.
My mom got sick with cancer last year.
My mom got cancer last year.

去年、母ががんになった。

She’s sick with the flu so she can’t come.
彼女はインフルエンザにかかったので、来られない。

She got sick with COVID last year and has yet to fully recover.
彼女は去年コロナにかかって、まだ完全に回復していない。

I got the chicken pox when I was a kid.
子供のとき、水ぼうそうにかかった。

I got the flu on Christmas Day, but I got better in a couple of days.
「クリスマスの日にインフルエンザにかかったけど、数日で回復した。

次のような医療系の使い方もあります。

I got vaccinated against COVID, but I still caught it.
コロナのワクチンを打ったけれど、感染した。

私は、無事にアメリカに行って、そして、無事に日本に帰ることができたかどうか、後日にお知らせします!報告を楽しみに!

もらう、いただく

getの最も分かりやすい使い方は、恐らく日本語の「もらう」に相当するものです。

I got a great birthday present from my boyfriend.
彼氏からすてきな誕生日プレゼントをもらった!

I got a lot of compliments on my new haircut.
新しいヘアスタイルをたくさん褒められた。

I got this from my mom.
これは母からもらったの。

I got a lot of support from my family while I was chasing my dream.
夢を追い掛けていたときに、家族にたくさん助けてもらった。

She got a new car on her 16th birthday.
16歳の誕生日に、新車をもらった。

I got my bad eyesight from my mother.
視力が悪いのは、母からの遺伝だ。

You got your good looks from me!
あなたがカッコいいのは、私のおかげだ(私の遺伝だ)!

得る、取得する

このカテゴリーは上の「もらう」に近いですが、この使い方は「自分の努力のおかげだ」というニュアンスを含んでいます。

I got my driver’s license when I was 18.
18歳のときに運転免許を取得した。

I got a perfect score on the TOEIC test.
TOEICテストで満点を取った!

My brother got a great job in England.
兄はイギリスでとても良い仕事を見つけた。

You should study hard so you can get into a good college.
一流の大学に入るために、一生懸命勉強した方がいい。

I got really good grades in high school.
高校での成績はとても良かった。

理解する、分かる

このENGLISH JOURNAL ONLINEの元々の名前はGOTCHA!でした。皆さん、その時代を覚えていますか?

GOTCHA!は、I got you.の省略で、「あなたは言っていることが分かります!」という意味です。

えば、I’ll meet you at seven at the station.(7時に駅で待ち合わせしよう!)と言われたときに、GOTCHA!(分かった!)と答えたりします。

Got it? 分かる?
Got it! 分かった!

こういうやりとりを英語の日常会話でよく聞きます。

I don’t get what you are saying.
あなたの言っていることがよく分からない。

Do you get it?
分かるの?

I totally don’t get it.
全く分かりません。

I don’t get calculus at all.
微分積分がさっぱり分からない。

I get what you are saying, but I don’t agree.
あなたが言っていることは分かりますが、賛成はできません。

I don’t get what he is thinking.
彼の考えていることが、全く理解できない。

I don’t get Japanese comedy.
日本のお笑いは、何が面白いのか分からない。

買う

これは2つ前に紹介した「取得する」に近い表現です。これも普通に会話で使われます。

例文を幾つか見てみましょう。

That's such a cool shirt! Where did you get it?
あのシャツはめっちゃかっこいい!どこで買ったの?

I want to get a new smartphone. This one is so slow and the screen is cracked.
新しいスマホを買いたいな。今持っているのはめっちゃ遅くて画面が割れてる。

Let’s get sushi for dinner.
今日の夕飯は寿司を取ろう。

My parents got this for me.
両親がこれを買ってくれた。

~する機会がある、~ができる

何かが「特別に」できるようになるときもgetを使います。アメリカ人のお母さんは、子供にI am so thankful that I get to be your mom.とよく言います。直訳すると「あなたのお母さんになる機会が与えられて、本当に感謝しています!」となります。

例文を幾つか見てみましょう。

I get to sleep in tomorrow because it’s my day off.
明日は休みだから、遅くまで寝ることができる。

Not everyone gets this opportunity. You should be very thankful.
こんな機会はなかなかないよ。感謝すべきだ。

I really hope that I get to meet Kiroro one day.
いつかKiroroに会えたら、ほんとにいいな。

No one else in my family got to go to college. I was very lucky.
私以外、家族の誰も大学に進むことができなかった。私はとても恵まれている。

I got to take an extra day off since I worked on Christmas Day.
クリスマスの日に勤務したので、特別休暇がもらえた。

句動詞のget

句動詞は「動詞+前置詞/副詞」の形になるものです。getを含む句動詞はたくさんあります。例を挙げてみましょう。

get back 下がる
get over ~ 立ち直る、乗り越える
get through ~ ~を乗り越える
get on ~ ~に乗る
get off ~ ~から降りる
get out ~ 出る
get into ~ ~に乗る、~に入る
get by なんとか生きていく
get along ~ 仲良くする

この句動詞を使っている例文を見てみよう。

Get on the train at Hakata Station and get off at Kokura.
博多駅で電車に乗って、小倉駅で降りてね。

It took me a really long time to get over my boyfriend’s betrayal.
彼氏の裏切りを乗り越えるまで、かなり長くかかった。

It’s dangerous! Get back!
危ないよ!下がって!

I get along really well with my sisters.
私は妹たちととても仲が良い。

I am barely getting by.
生きるだけで精一杯だ。

My son got into Tokyo University.
息子は東京大学に入ることができた。

I tripped as I was getting out of the taxi.
タクシーから降りようとして、転んだ。

As I was getting into my car, I threw out my back.
車に乗ろうとしたときに、ぎっくり腰になった。

get into ~ だけでもさまざまな使い方があります。例えば、get in(to) troubleには「困ったことになる」「怒られる」「厄介なことになる」などの意味があります。

I got into trouble for breaking my curfew.
門限を守らなかったから、親に怒られた。

I got into trouble with the police when I was a teenager.
10代のときに警察の世話になった。

Please call me if you ever get into trouble.
困ったことになったら、いつもでも連絡してね。

get in(to) the moodと言うと、「~にする気分になる」という意味になります。

Yikes! I need to get into the mood to study.
やばい!勉強する気分に切り替えないと!

I need to get myself in the mood to exercise.
運動する気にならなきゃ!

もっと、もっとたくさんあるよ!

My best friend is getting married next year.
大親友が来年結婚します。

That guy is really getting under my skin.
あの人には本当にいらいらさられる。

I got caught speeding.
スピード違反でつかまった。

My English is getting better.
私の英語は上達している。

I am getting fat, so I need to go on a diet.
最近太ってきたから、ダイエットしないと。

My mom gets angry at me for using my phone all day.
一日中スマホを使うので、母に叱られる。

It is easy to get discouraged if you fail, but don’t give up.
失敗するとがっかりするよね、でも諦めないでね。

You have been watching TV all summer! You need to get to work on your homework!
夏休みの間ずっとテレビを見ているね!宿題をやらないと!

I am getting hungry. Can we go to dinner soon?
おなかがすいてきた。そろそろ食べに行かない?

You are almost 20 years old. You need to get your act together!
もうすぐ20歳になるよね。しっかりしないといけないよ!

I got a haircut yesterday.
昨日、髪を切りに行った。

Let’s get started!
始めよう!

I need to get going soon.
そろそろ帰らなくちゃ!

We got a cat about two months ago.
2カ月前に猫を飼い始めたの。

You need to get some rest! You look so tired.
少し休んだ方がいい!とても疲れた顔をしている。

Do you get nervous when you are on TV?
テレビに出るとき、緊張するの?

We will get there around 7 p.m.
夜7時ごろに着きますよ。

まとめ

getは日常会話によく出てきますが、フォーマルな文では使わないほうがいいと言われています。代わりに次のような表現を使うのがよいかもしれません。

取得する obtain

> I got my driver’s license when I was 18 years old.I obtained my driver’s license when I was 18 years old.
18 歳のときに運転免許を取った。

感染する、病気になる catch、contract、get infected

> I got COVID in the U.S.I contracted COVID in the U.S
アメリカでコロナにかかった。

~になる become

> I am getting sleepy.I am becoming sleepy.
眠くなってきた。

をもらう receive

> I got an award in high school.I received an award in high school.
「高校生の時、賞をもらった。」

到着する arrive

> What time will you get here?What time will you arrive?
何時に着きますか?

理解する understand、comprehend

> I don’t get it.I don’t understand.
分かりません。

買う buy、purchase

> Where did you get those shoes?Where did you buy those shoes?
その靴はどこで買ったの?

~ができる have the opportunity、have the chance

> I get to go to Europe next summer.I have the opportunity to go to Europe next summer.
来年の夏に、ヨーロッパに行く機会がある。

英語には、敬語や丁寧語など日本語ほどバリエーションに富んだ言い方があるわけではありませんが、「大人の話し方」や「品のある話し方」はあります。そういう微妙なニュアンスが理解できるようになるのはなかなか難しいですが、英語を使えば使うほど分かってくると思います。

Maybe you don’t get English now, but as you get more chances to practice you will get better and better. So don’t get discouraged!

頑張ってね!

アン・クレシーニ
アン・クレシーニ

アメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。著書に『アンちゃんの日本が好きすぎてたまらんバイ!』(合同会社リボンシップ)。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページも更新中! 写真:リズ・クレシーニ

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