新型コロナウイルス「変異株」って英語でなんて言う?【ニュースな英語】

ニュースな英語

イギリスを中心にヨーロッパで昨年末に発見された新型コロナウイルスの変異株。日本やアメリカでも確認され、感染拡大が深刻化しています。今回は「変異株」に関する英語フレーズがニュースの中でどのように表現されているかを紹介します。

今回のニュースな英語

variant

2020年の年末も押し迫ったころに、新型コロナウイルスの変異株(「変異種」と報じられているケースも多々見られます)がイギリスから発生したとして報道をにぎわせました。

2021年最初の「ニュースな英語」は、今年も引き続き注意が必要になりそうな新型コロナウイルスの話題から、「変異株(変異種)」を意味するvariantをご紹介します。

背景

12月14日、イギリスの公共放送BBCは 'New variant' of coronavirus identified in England(コロナウイルスの「変異株」をイングランドで確認)と報じました。

BBCはこの変異株について、このように書いています。

The changes or mutations involve the spike protein of the virus - the part that helps it infect cells, and the target Covid vaccines are designed around.

この変化あるいは変異は、ウイルスのスパイクタンパク質に関係している。ウイルスが細胞に感染するのを手助けする部分であり、コロナワクチンが狙うようにつくられている部分でもある。

この時点では、この変異によりどのような影響が出るのかわかっていませんでした。

ところがその後1月2日、BBCはCovid-19: New variant 'raises R number by up to 0.7'(新たな変異株のRは0.7増)と報じました。

このRは、basic reproduction number(基本再生産数)のことで、感染力のある1人の感染者が次に平均で何人にうつすかを数値化したものです。

「variant」はどんなふうに使われている?

新型コロナウイルス「変異株」って英語でなんて言う?

さて、このように従来型と比べて感染力が高いとされる新型コロナウイルスの変異株ですが、英語では主に、variantやstrain、mutationなどという単語で表現されています。

variantは名詞の場合、通常は「異種」や「異形」を意味します。そのため、COVID-19 variantは、新型コロナウイルスの中でも従来とは異なるもの、ということです。

イギリスで特定された変異株はB117(またはB.1.1.7)型と呼ばれています。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは12月31日の時点で、これまでに3つのタイプの変異株が見つかっており、いずれかの新株が検出されている国は31カ国に上ると報じていました。

www.aljazeera.com

Three new variants of COVID-19 have been detected in recent weeks, leading to increased vigilance across the world as officials say a variant found in the United Kingdom could be up to 70 percent more transmissible.

ここ数週間で、COVID-19の新たな変異株が3種類検知されており、世界中で警戒感が高まっている。当局によると、イギリスで見つかった変異株は、感染力が最大で70%も高い可能性があるためだ。

transmissibleは「感染させることができる」という意味で、more transmissibleだと、従来型の新型コロナウイルスより感染力が高いという意味になります。

変異株のほかの2種は、南アフリカで見つかった501.V2とナイジェリアで見つかったP681Hです。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によるとほかにもあるようですが、もっとも顕著なのがこの3種ということです。

アメリカで初めてB117の感染が確認されたことを伝える米紙USAトゥデイ(12月29日付)の記事では、strainという単語が変異株そのものを表す名詞として、variantは「異なる」「異形の」という意味の形容詞として使われています。

Scientists in the United Kingdom believe the variant strain to be more contagious than previously identified strains but not more severe.

イギリスの科学者らは、これまで見つかっている変異株と比べB117は感染力が高いが、重い症状を引き起こしやすいわけではないと考えている。

the variant strainは、本文の文頭でthe COVID-19 variant B.1.1.7と説明されています。またcontagiousは、先ほど出てきた表現のtransmissibleと類似の意味です。

www.usatoday.com

まとめ

変異株(変異種)は、もっとも一般的な言い方はvariantですが、ほかにもstrainやmutationといった単語が使われることもあります。

ちなみにstrainは、「圧力」や「重い負担」「緊張」という意味の名詞や、「緊張させる」「精神的に参らせる」という意味の動詞でもあります。

変異株を伝える1月2日付のUSAトゥデイでは、こんなふうに使われていました。

A more contagious COVID-19 variant first identified in the United Kingdom continues to crop up across the U.S. and around the globe, threatening to further strain overburdened health care systems just as vaccines are rolling out worldwide.

最初にイギリスで確認された感染力の高いCOVID-19の変異株は、アメリカや世界各地でも見つかっており、世界規模でワクチン接種がまさに開始となる中、すでに逼迫(ひっぱく)している医療体制にさらなる負担を強いる恐れがある。

www.usatoday.com

overburdenedは過度に負担がかかっている状態で、そこにさらにstrainをかける、つまり「負担を強いる」という意味になります。

変異株を扱うニュースでこの表現が出てくると紛らわしく感じてしまうかもしれませんが、文脈からどちらの意味か正しく判断してくださいね。

松丸さとみ

松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング (・ときどき通訳)を行っている。
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