「薬物をこっそり入れる」って英語でなんて言う?【ニュースな英語】

ニュースな英語

アメリカをはじめとする海外では、バーやクラブでアルコールなどの飲み物にこっそりと薬物を混入し、相手の意識を失わせるといった行為が後を絶ちません。そんな中、カナダ在住の女性が飲み物に異物の混入を防ぐ方法の動画を配信して、SNSで話題になっています。今回のニュースな英語は「飲み物に薬物をこっそり入れる」ことを意味するフレーズをご紹介します。

今回のニュースな英語

drink spiking

バーやクラブなどで、飲み物に薬物を入れられてレイプされたり金品を奪われたりといった事件がここ数年、増えています。今回のニュースな英語は、飲み物に薬物をこっそりと入れることを意味するフレーズ「drink spiking」を取り上げます。

背景

飲み物に薬物が入れられる事件の中でも、ここ最近はレイプ被害が報じられることが目立っており、そのためこうしたケースで使用される薬は俗に「date rape drug」(日本語ではレイプドラッグ)などと呼ばれています。

date rape drug」は特定の薬を指しているわけではなく、こうした事件で使用される薬全般のことで、抗うつ剤や精神安定剤、睡眠導入剤の他、違法薬物が使用される場合もあるようです(アメリカの保健福祉省傘下のウェブサイトより)。

そんな中、短編動画投稿アプリTikTokで最近、カナダ在住のメル・ホールさんが、「自分の飲み物を守るには、コースターを使うべき」という動画を投稿し、バズりました。

@renaissancewomanhood

I would drink my ##ginandtonic out of a sippy cup if they offered it 🌞 ##safetyfirst ##drinkinghacks

♬ Money Trees - Kendrick Lamar

さらに、この動画に「被害妄想が過ぎる」とコメントが付いたことを受けて、メルさんが今度は、実際にどのくらい簡単に、人に気付かれずに飲み物に異物を入れられるかを示した動画を投稿。こちらも話題になっています。

@renaissancewomanhood

Reply to @ivanp2020 I feel really icky after doing that... even if it wasn't real🥺 ##besafeeveryone

♬ Money Trees - Kendrick Lamar

メルさんは、たった2分練習しただけで、簡単に気付かれないように異物を飲み物に入れられるようになった、と注意喚起しています。

どんなふうに使われている?

ニュースな英語

さてこの「drink spiking」という言葉ですが、「drink」という名詞と「spike」という動詞がくっ付いた言葉です。「spike」は、いろいろな意味がある単語なのですが、その中の一つに、「(飲み物にアルコールや麻薬などを)こっそり加える」という意味があります。

例えば、先ほどのメルさんの動画を取り上げたイギリスの新聞メトロは、こう表現しています。

metro.co.uk

The effects of drink spiking vary depending on what you’ve been spiked with.
薬物混入の影響は、どの薬物を入れられたかによってさまざまだ。

メトロの記事ではそのまま名詞形にして「drink spiking」が使われていますが、イギリスのタブロイド紙ミラーに掲載された、別の事件の記事で使われた見出しでは、「drink spiked」と、受け身になっています。

www.mirror.co.uk

Teenage student found dead 'after soft drink spiked with ecstasy' at freshers party
十代の学生、新歓パーティでソフトドリンクにエクスタシーを混入され死亡

 

この記事の本文では、

his soft drink was spiked with ecstasy…
ソフトドリンクにエクスタシーがこっそり入れられた・・・

と、drinkとspikeをそれぞれ単体で使って表現しています。

さらに、

Spiking carries a jail sentence of up to 10 years.
薬物を飲み物に入れる行為は、最長で禁錮10年となる。

と、文脈から「何に何を混入するか」が明らかな場合は、単に「spiking」だけで表現されています。ここでは一般論として、「薬物を飲み物に入れる行為」を指しています。

ちなみに、この事件の被害者は、18歳の男子大学生でした。drink spikingの被害者は女性だけではありません。男性も注意してくださいね。

まとめ

「毒を盛られた」を表現するには、「drugged」とか「poisoned」などの表現も使えますが、バーやクラブなどで飲み物にレイプドラッグをこっそり入れらるという行為を表現する場合、「drink spiking」がもっとも一般的に使われています。

当然ながら、欧米だけの話ではなく、このような事件は日本でも報じられており、日本の内閣府は、専用のウェブページを開設して注意喚起しています。

バーやクラブなど見知らぬ人が集まる場で飲み物を飲む機会が多い人は、一読しておくことをおすすめします。

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松丸さとみ

松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング (・ときどき通訳)を行っている。
Blog:https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp