
英語の音が聞き取れず、思うようにリスニングが上達しないと感じていませんか? 多くの学習者がリスニングに苦手意識を持っていますが、実はコツを知ればリスニング力は劇的に向上します。この記事では、リスニング力を効率よくアップさせる勉強法や、おすすめの教材を紹介します。ぜひ日々の学習にお役立てください。
目次
英語のリスニングが難しい理由

リスニングはなぜ難しいのでしょうか。以下の4つの理由が考えられます。
速度に追いつけない
語彙力が不足している
音の変化(リンキング・リダクション)に慣れていない
日本語と英語の語順の違いに対応できない
英語が聞き取れない理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。
速度に追いつけない
英語のリスニングが難しい理由の一つは、ネイティブ・スピーカーの話す速度にあります。実際、ネイティブ・スピーカーは1秒間に約3語というペースで話すため、多くの学習者は理解が追いつかなくなってしまいます。
日本人講師が話すゆっくりした英語なら理解できても、自然な会話の速度になると途端に聞き取れなくなるのは、話すスピードが原因です。
語彙力が不足している
英語が聞き取れない理由に、語彙力の不足も挙げられます。音として正確に聞こえても、単語の意味を知らなければ内容を理解できません。未知の単語があると、その部分で集中力が途切れたり、文全体の意味を把握することが困難になったりします。
語彙力を鍛えるには、日常会話でよく使われる単語を重点的に覚えることが重要です。また、単語を例文とともに覚えれば、単語が使用される文脈が理解しやすくなるでしょう。同義語や関連表現、音もセットで学習してください。
音の変化(リンキング・リダクション)に慣れていない
音の変化に慣れていないとリスニングは難しくなります。ネイティブ・スピーカーが話すとき、単語同士がつながる「リンキング(連結)」や、音が省略される「リダクション(脱落)」といった、音の変化が起こります。これを知らないと、聞き取りが難しいかもしれません。
例えばI want to goがI wanna go(アイワナゴー)のように短縮されたり、Did you eat?がDidja eat?(ディジャイート)と変化したりします。
こういった音の変化のパターンを知り実際の発音に慣れることで、リスニング力を効果的に向上させられます。
日本語と英語の語順の違いに対応できない
日本語と英語では語順が違うのも、リスニングが難しい理由の一つです。
例えば「昨日買った車」は英語では「the car I bought yesterday」となり、先に「車」が来てから、「昨日買った」という修飾部分が続きます。この語順の違いにより、日本人は英語を聞きながら、頭の中で日本語の語順に直そうとしがちです。そのため、英語を聞いて理解するのに時間がかかってしまいます。
リーディングであれば何度でも読み返せますが、リスニングでは戻って音声を聞き直すことはできません。そのため、語順のまま英語を理解する練習が不可欠です。
英語リスニングのコツ3選
英語を聞き取る際に意識するべきことは、以下の3つです。
音の変化に注意する
脳内で日本語に訳さない
リズムと強弱を意識する
音の変化に注意する
英語リスニング上達のためには、音の変化を理解することが重要です。
ネイティブ・スピーカーは自然な会話の中で、単語を個別に発音するのではなく、音をつなげたり省略したりします。単語単位で覚えた発音と、文中での発音が異なるため、ネイティブ・スピーカーの会話を聞き取ることは難しくなってしまいます。
ここでは、英語の主な音の変化のパターンを紹介します。
音の変化パターン | 特徴 |
---|---|
連結(リンキング) | 子音と母音が並ぶと、音がつながる 例:turn on が「ターンノン」のように聞こえる |
脱落(リダクション) | 子音と子音が並ぶと、音が落ちる 例:what time が「ワッタイム」に変化する |
同化 | -d, -t, -s という音が並ぶと、音が変化する 例:did you が「ディジュ」に変化する |
このような音の変化のパターンを覚えて、実際の音声を繰り返し聞くと、ネイティブ・スピーカーの自然な会話も徐々に聞き取れるようになります。
脳内で日本語に訳さない
リスニング力を向上させるためには、脳内で日本語に訳さずに理解することが重要です。
英語と日本語では語順に違いがあり、英語の「主語→動詞→目的語」を、日本語の「主語→目的語→動詞」のように並び替えて理解しようとすると、時間がかかってしまい、リスニングはうまくいきません。
この問題を解決するには、自分の英語力よりやさしい英語を大量にインプットし、英語を日本語に変換せずに、英語のまま理解する感覚を積み重ねることが効果的です。
例えばShe is reading a book.と聞いたとき、彼女が本を読んでいる場面を思い浮かべましょう。「彼女は→本を→読んでいる」のように、日本語には変換しません。このように英語の語順のまま映像や感覚で理解することで、スピードの速い英語も徐々に聞き取れるようになります。
リズムと強弱を意識する
英語のリスニングのコツをつかむには、英語特有のリズムと強弱パターンを理解することも重要です。
英語では名詞、動詞、形容詞などの重要な単語(内容語)を強く・長く・はっきり発音し、at、in、to、wasといった、前置詞、冠詞、助詞など(機能語)は弱く・短く発音します。全ての語句を完璧に聞き取れなくても、強調されている単語が分かれば、文の意味は把握できるはずです。
リスニングの練習をする際は、「強く、はっきり聞こえる単語」に注目してください。例えばI went to the store yesterday.という文を聞くと、went、store、yesterdayの部分がはっきり聞こえるはずです。I、to、theは弱いですが、聞き取れなくても気にする必要はありません。はっきり聞こえた3つの単語だけで「昨日お店に行った」という内容は理解できます。
最初は、大きく、はっきり聞こえる単語だけを拾う練習から始めましょう。はっきり聞こえる単語同士をつなげるだけで、話の大まかな内容が把握できるようになります。
効果的な英語リスニング勉強法とは?

では、リスニング学習で効果を出すにはどうしたらよいでしょうか。ここからはその方法を解説します。
継続できるコア教材を見つける
ディクテーションを行う
生の英語に触れる習慣をつける
英語学習を継続させるコツや習慣については、以下の記事で詳しく解説しています。
継続できるコア教材を見つける
リスニング力向上には、重点的に取り組む「コア教材」(核となる教材)を決めることが重要です。毎日の学習習慣を作るためには、継続して学習しやすい教材を選び、一定の学習量を確保する必要があります。
「コア教材」として最適なのは、定期的に更新されるオンライン英語学習プログラムや、月刊の英語学習誌などです。新しいコンテンツが定期的に提供されるため、学習に飽きにくいというメリットがあります。
おすすめの教材として、スマートフォンで学習できる「1000時間ヒアリングマラソン」(アルク)や、テレビやラジオで学べるNHK語学講座などがあります。どちらも体系的なカリキュラムが組まれているため、おすすめです。
選んだ教材を日々の学習ルーティンに組み込み、毎日決まった時間に取り組むことで、リスニング力アップが期待できます。
ディクテーションを行う
英語のリスニング力アップには、聞いた音声を文字に書き起こす「ディクテーション」という練習が効果的です。
ネイティブ・スピーカーの発音では単語がつながったり、音が省略されたりして、変化します。聞こえた音を書き出すことで、音の変化が理解できるようになり、自分が聞き取れていない部分も明確になるでしょう。
具体的な練習方法として、月に2回程度、1分程度の短い音声を選んでディクテーションを行いましょう。音声を5〜6回繰り返し聞きながら、英文を書き取り、その後スクリプトと照らし合わせて、聞き取れなかった部分をチェックしてください。長過ぎる音声は、集中力が続かないため、避けましょう。
ディクテーションを続けることにより、英語の音の変化に慣れ、リスニング力が向上します。
生の英語に触れる習慣をつける
リスニング力向上には、生の英語に日常的に触れることも重要です。
ネイティブ・スピーカーは話すスピードが速く、音が変化し、多様な表現が使われます。より幅広い英語に触れるには、生の英語を聞くことが効果的です。教科書や問題集は基礎学習に適していますが、現実の英語を聞くことで、学習教材にはない「生きた英語」が体験できます。
例えば、NHK WORLDのニュースを毎晩視聴したり、週末に趣味関連の英語の動画を見たりすることをおすすめします。また、2カ月に1冊は英語の本を読んだり、英語の映画を1本見たりして、長めの英語に触れる経験をしてください。
生きた英語に日常的に触れることで、教科書では学べない自然な表現やリズムに慣れ、実践的なリスニング力が身に付きます。
【目的別】おすすめの英語リスニング教材3選

おすすめのリスニング教材として、以下の3つを紹介します。
「1000時間ヒアリングマラソン」
「Santaアルク」
『改訂版 究極の英語リスニング Vol. 1』
「1000時間ヒアリングマラソン」
英語のリスニング力を本格的に向上させたい方におすすめなのが、アプリ版の通信講座「 1000時間ヒアリングマラソン 」です。1年間の受講で英語を1000時間聞くことを目指します。講座では英語を大量に聞く訓練と、細部まで緻密に聞く練習の両方があり、学習を通して英語を英語のまま理解できることを目指します。
教材には、オリジナルドラマからニュース、ネイティブ・スピーカー同士の会話まで、「生の英語」が豊富に収録されています。リスニング力向上に必要な、自然な表現や会話のリズムなどにも、慣れることができるでしょう。
継続的な学習により、英語圏で実際に使われている語彙力と表現力を身に付け、リスニングの苦手意識を解消できます。
「Santaアルク」
TOEIC対策でリスニング力を効率的に伸ばしたい方には、アプリ「Santaアルク」がおすすめです。診断テストを受けると、AIがスコアを予測し、苦手分野の克服に最適な問題を出題してくれます。
リスニングでは、アメリカ・イギリス・オーストラリアの発音ごとに正答率が表示されるため、どの国の発音が聞き取りにくいかが一目で分かります。苦手な発音を集中的に鍛えることで、会話を聞き取る力も大幅にアップするでしょう。
Santaアルクは、わずか30時間の学習で平均183点のスコアアップを実現した実績があります。スマホさえあれば、通勤通学のスキマ時間にTOEIC対策ができるのも便利です。
「改訂版 究極の英語リスニング Vol. 1」
英語のリスニングの基礎固めに最適なのが、書籍「改訂版 究極の英語リスニング Vol. 1」です。学習に使用する英文は基礎的な1000単語だけで書かれているため、語彙力に不安がある人でも安心して学習に取り組めます。
音声の聞き方は3つのモードから選ぶことができ、自分のレベルに合わせて、学習可能です。英文の長さやスピードは3段階でレベルアップするため、無理なく段階的にトレーニングできます。
英文の内容もバラエティに富んでおり、日常会話から表現豊かな文章まで幅広く収録されています。基本語彙を繰り返し聞くことで、英語の音に慣れながら、自然とリスニング力の土台が築けるでしょう。シリーズでVol. 4まであり、使用される語彙がレベルアップするので、自分の実力に合ったものを選ぶことも可能です。
まとめ

英語のリスニング力向上には、速度・語彙力・音の変化・語順という4つの課題への対処が重要です。音の変化(リンキングやリダクション)を理解し、脳内で日本語に訳さないことが大切です。また、英語特有のリズムと強弱を意識して聞くことで、さらなる上達が期待できます。今回紹介した教材・勉強法を組み合わせ、継続的に学習することで、リスニング力を向上させましょう。
【1000時間ヒアリングマラソン】 ネイティブの生音声を聞き取る実践トレーニング!
大人気通信講座が、アプリで復活!
1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
アプリ版「1000時間ヒアリングマラソン」は、アウトプット練習や学習時間の計測などの機能を盛り込み、よりパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
・学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話すときや海外映画を見るとき、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか? 1000時間ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
・こだわりの学習トレーニング
音声を聞いてすぐにスクリプトを確認する、一般的なリスニング教材とは異なり、英文や日本語訳をあえて後半で確認する構成にすることで、英語を文字ではなく音から理解できるようにしています。英文の書き取りやシャドーイングなど、各トレーニングを一つずつこなすことで、最初は聞き取りが難しかった英文も深く理解できるようになります。
・あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ
なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
1000時間ヒアリングマラソンは、現在7日間の無料トライアルを実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?