
英語学習において「リスニング」と「ヒアリング」という言葉をよく耳にしますが、この2つの違いを正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。「リスニング」は意識的に耳を傾け内容を理解しようとする能動的な行為、「ヒアリング」は自然に音が耳に入ってくる受動的な状態を指します。本記事では、この違いを詳しく解説するとともに、リスニング力を効果的に高める4つの方法をご紹介します。英語の「聞く力」を磨き、コミュニケーション能力を向上させたい方必見の内容です。
目次
リスニングとヒアリングの違いとは?

英語学習を進める中で、「リスニング」と「ヒアリング」という2つの言葉に出会うことがあります。どちらも「聞く」という行為を表すため、混同されがちですが、実はその意味合いには明確な違いがあります。
英語の原義から見る違い
「リスニング(Listening)」と「ヒアリング(Hearing)」は、それぞれ英語の動詞「listen」と「hear」の動名詞形です。この2つの動詞の意味の違いを理解することが、両者の区別の鍵となります。
- ヒアリング(Hearing): 「hear」は自然に「音が聞こえてくる」状態を表します。意識的な努力なしに音を知覚する受動的な行為です。例えば、聴力検査は「hearing test」と呼ばれます。
- リスニング(Listening): 「listen」は意識して「よく聴く、耳を傾ける」というニュアンスで使われます。能動的に音声を聞き取り、内容を理解しようとする行為です。英語学習では、この「聴解」の意味でリスニングテストやリスニング教材という言葉が使われています。
日本語での使われ方
日本語においても、この2つの言葉は微妙に異なる文脈で使用されています。
- ヒアリング: ビジネスシーンでは「顧客ヒアリング」「ヒアリング調査」など、情報収集や聞き取り調査の意味で使われることが多いです。
- リスニング: 英語学習の文脈で「リスニング能力」「リスニングテスト」など、英語を聞き取る能力や試験を指すことが一般的です。
英語学習においては、単に音を聞くだけでなく、内容を理解し意味を捉える「リスニング」の能力を高めることが重要です。リスニング力を向上させることで、英語でのコミュニケーション能力全体が大きく向上します。
リスニング力を上げる方法3選

英語のリスニング力を向上させることは、英語学習において非常に重要な要素です。リスニング力が高まれば、英語でのコミュニケーションがスムーズになり、自信を持って会話に参加できるようになります。ここでは、効果的にリスニング力を向上させるための3つの方法を紹介します。
洋画や海外ドラマを見る
英語のリスニング力を高めるには、「教科書英語」を超えて、生きた英語に触れることが重要です。洋画や海外ドラマは、まさにその宝庫。以下のような点で、英語耳を育てるのに非常に効果的です。
- ネイティブの自然な話し方に慣れられる:教科書では学べない自然な会話のリズム、イントネーション、スラングなどを学ぶことができます。
- 文脈から意味を推測する力が身につく:映像と音声を組み合わせることで、知らない単語があっても文脈から意味を推測する能力が養われます。
- 興味があるからこそ継続できる:好きな俳優やストーリーに引き込まれることで、楽しみながら継続的に英語に触れることができます。
おすすめ洋画・ドラマ1:The Office(オフィス)|中級〜上級

『 The Office (オフィス) 』は、アメリカのペンシルバニア州スクラントンにある架空の製紙会社「ダンダー・ミフリン」を舞台にしたモキュメンタリー形式のコメディドラマです。2005年から2013年まで放送され、世界中で高い人気を誇る作品です。
ビジネスシーンの英語が学べる
『The Office』の最大の魅力は、実際のオフィス環境で使われる自然な英語表現が豊富に登場することです。会議、プレゼンテーション、同僚との雑談など、ビジネスシーンで役立つ表現を数多く学ぶことができます。特に主人公マイケル・スコット(スティーブ・カレル)の独特なマネジメントスタイルを通じて、時に「こうは言わない方がいい」という反面教師的な表現も学べるのが面白いポイントです。
例えば、「That's what she said(彼女もそう言ってた)」というマイケルの決め台詞は、アメリカの職場でよく使われる冗談のひとつで、文化的な背景も含めて学ぶことができます。
登場人物の表現がユニークでスラングも多い
『The Office』の登場人物たちは、それぞれ個性的な話し方や独自の表現を持っています。例えば:
- ドワイト・シュルート:極端に形式的で古風な表現を使うことが多い
- ジム・ハルパート:皮肉やユーモアを交えた現代的な話し方
- ケリー・カプール:若者言葉やトレンドを取り入れた話し方
このキャラクターごとの多様な英語表現に触れることで、様々な話し方のパターンやスラングを学ぶことができます。また、カジュアルな会話からフォーマルな場面まで、状況に応じた言葉遣いの違いも自然と身につきます。
字幕付きで見れば十分理解できる
『The Office』は基本的に明瞭な発音で話されることが多く、中級レベル以上の学習者であれば、英語字幕を併用することで十分に内容を理解できます。特に以下のような視聴方法がおすすめです:
- 1.まず英語音声+日本語字幕で全体のストーリーを理解する
- 2.次に英語音声+英語字幕で細かい表現を学ぶ
- 3.最終的に字幕なしで聞き取れるようにチャレンジする
各エピソードは約20分と短めなので、忙しい日常の中でも継続的に学習しやすい長さです。また、シーズン1は全6話と特に短いため、まずはシーズン1から始めてみるのがおすすめです。
『The Office』は単に英語学習のためだけでなく、アメリカのオフィス文化や人間関係、ユーモアのセンスなども学べる教材として、中級から上級の英語学習者に最適な作品です。
おすすめ洋画・ドラマ2:Stranger Things(ストレンジャー・シングス)|中級

『Stranger Things(ストレンジャー・シングス)』は、1980年代のアメリカの小さな町を舞台にした超自然現象をテーマにしたNetflixオリジナルドラマです。2016年から配信が始まり、世界中で大ヒットした人気シリーズです。
若者言葉、家族の会話、警察のやりとりなど多様な英語に触れられる
『Stranger Things』の魅力のひとつは、登場人物の年齢層や社会的背景が幅広く、様々なタイプの英語表現に触れられることです。
- 10代の子どもたち:マイク、ダスティン、ルーカス、ウィル、イレブンなどの中学生たちは、80年代の若者言葉やスラングを使います。「Totally」「Awesome」「Chill out」などの表現が自然に登場します。
- 家族間の会話:ホッパー保安官とイレブン、ジョイスと息子たち、ウィーラー家など、家族間の日常会話が多く登場します。親子間の会話は比較的シンプルで理解しやすい英語が使われることが多いです。
- 職場での会話:ホッパー保安官を中心とした警察署のシーン、ジョイスが働くお店、学校の先生たちなど、職場での会話も豊富です。フォーマルからカジュアルまで、状況に応じた言葉遣いの違いを学べます。
この多様性により、様々な場面で使える英語表現を自然と吸収することができます。
SF×会話のバランスが良く、飽きずに観られる
『Stranger Things』は、超常現象やSF要素と日常的な人間ドラマのバランスが絶妙です。このバランスが英語学習にも大きなメリットをもたらします。
- 視覚的な要素が理解を助ける:SF的な展開は視覚的に分かりやすく表現されるため、英語が100%理解できなくても内容を追うことができます。
- 感情表現が豊か:恐怖、驚き、喜び、悲しみなど、感情表現が豊かなシーンが多く、表情やジェスチャーと合わせて英語表現を学べます。
- 適度な緊張感で集中力が持続:ミステリーやサスペンス要素があるため、「次は何が起こるのか」という好奇心から集中力が持続し、長時間の視聴でも飽きにくいです。
また、1話あたり約50分という長さは、十分な英語インプットを得られるちょうど良い時間です。1シーズンが8〜9話程度とコンパクトなので、達成感も得やすいでしょう。
『Stranger Things』は、80年代のポップカルチャーへの参照が多く含まれているため、アメリカの文化的背景も同時に学べる点も魅力です。中級レベルの英語学習者にとって、楽しみながら英語力を向上させるのに最適な作品と言えるでしょう。
リスニング学習に特化したアプリを使う

スマートフォンの普及により、いつでもどこでも英語学習ができる環境が整いました。特にリスニング学習に特化したアプリは、効率的かつ継続的な学習をサポートする強力なツールです。
リスニングアプリの利点は、単に英語を聞くだけで終わらない、完結した学習サイクルを提供していることです。
- 1.インプット:ネイティブの自然な英語を聞く
- 2.理解確認:聞き取った内容の理解度をクイズなどでチェック
- 3.分析:聞き取れなかった部分の原因を分析
- 4.復習:弱点を集中的に練習
- 5.応用:学んだ表現を別のコンテキストで活用
このような一連の流れをアプリ内で完結できるため、効果的な学習サイクルを自然と身につけることができます。
おすすめリスニングアプリ1:1000時間ヒアリングマラソン

「ヒアマラ」(正式名称:1000時間ヒアリングマラソン)は、アルクが提供する英語リスニング特化型のアプリです。その名の通り、1000時間の英語音声を聞くことを目標としたマラソン形式の学習アプリで、継続的なリスニング学習をサポートします。
- 英語の網羅的な学習が可能:リスニング学習を中心として、シャドーイング、ディクテーション、リピーティング、同時通訳練習などのアウトプット練習も豊富に用意しているので、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を、網羅的かつ効率的に習得できます。
- 上達を実感できる採点機能:英語のアウトプット練習はすべて音声判定機能で採点されるので、上達を実感しながらのトレーニングが可能です。
- 学習管理とランキング機能:「1000時間ヒアリングマラソン」での学習時間に加えて、英語に触れたすべての時間を記録して、合計1000時間の英語学習を目指します。他の学習者の学習ペースをランキング形式で確認できるので、自分の現在地を確認しながら、ランキングを励みに学習を継続できます。
おすすめリスニングアプリ2:TEDICT

TEDICTは、世界的に有名なプレゼンテーションイベント「TED Talks」の動画を教材として活用した英語学習アプリです。知的好奇心を刺激する内容と実用的な英語を同時に学べる点が大きな特徴です。
- 質の高いコンテンツ:TEDの講演は、各分野の専門家や著名人によるプレゼンテーションで、内容が充実しています。科学、テクノロジー、ビジネス、芸術など、様々なジャンルから自分の興味のある講演を選べます。
- ディクテーション機能:動画を見ながら、聞こえた英語をタイピングして入力するディクテーション(書き取り)機能が搭載されています。これにより、単に「聞く」だけでなく、「書く」という行為を通じて、より深く英語を理解することができます。
- 多言語字幕対応:英語と日本語の字幕を切り替えられるため、理解度に応じて適切な学習方法を選べます。最初は日本語字幕で内容を理解し、徐々に英語字幕、最終的には字幕なしで聞き取れるようにステップアップできます。
外国人がいそうなイベントに行く

英語学習には「インプット」だけでなく、「実践の場」が欠かせません。とくにリスニング力は、リアルな音声環境に身を置くことで急激に成長するスキルです。外国人が集まるイベントに参加することは、リスニングの"実戦トレーニング"そのものです。
- 「音声の多様性」にさらされることで耳が鍛えられる:様々な国籍、アクセント、話し方の人々と交流することで、多様な英語に対応できる耳が育ちます。
- 「意味を理解しようとする集中力」が自然と高まる:実際のコミュニケーションでは、相手の言葉を理解しようという強い動機が生まれ、集中力が高まります。
- リスニングとスピーキングの往復で記憶に残る:聞いた表現をすぐに使ってみることで、より深く記憶に定着します。
イベントを英語リスニング力向上に活用するコツは、「聞くだけ」にとどまらず積極的に参加することです。最初は緊張するかもしれませんが、以下のようなステップで徐々に慣れていくとよいでしょう:
- 1. 初めは「英日バイリンガル」イベントから:日本語と英語が混在するイベントなら、完全に理解できなくても安心して参加できます。
- 2. 定期的に同じグループに参加:顔見知りが増えると心理的安全性が高まり、リラックスして英語を聞けるようになります。
- 3. テーマ型のイベントを選ぶ:映画鑑賞、料理、ハイキングなど、共通の活動があるイベントは話題が限定されるため、リスニングに集中しやすいです。
イベントは単なる英語学習の場ではなく、新しい友人や人脈を作る機会でもあります。リスニング力向上という目的を持ちつつも、交流を楽しむ姿勢で参加すると、より自然な形で英語力が伸びていくでしょう。
まとめ
この記事では、「リスニング」と「ヒアリング」の違いを明確にし、英語学習において重要なリスニング力を高める4つの方法を紹介しました。洋画・ドラマ視聴、学習アプリ活用、実践的なイベント参加などを通じて、能動的に「聞く力」を育て、英語での理解力とコミュニケーション能力を向上させましょう。
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