
「リスニングにはシャドーイングがいい」と聞いて始めたものの、なんとなく自己流で続けていませんか?実は、シャドーイングで成果を上げるためには、十分な単語力・文法理解、英語特有の音の変化に慣れることなど前提スキルが必要です。
多くの学習者が正しいやり方を知らずにいきなり始めてしまうため「何となく口を動かしているだけ」の状態に陥り、効果を感じられずに挫折してしまいます。
そこで本記事では、シャドーイング学習で確実に成果を上げる正しい方法を丁寧に解説します。おすすめのシャドーイング教材も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
シャドーイングとは?

英語のシャドーイングとは、その名の通り、聞こえてくる音を「影(shadow)」のように追いかけながら発音する学習法です。
通常の音読やリピート練習とは異なり、聞こえた瞬間にすぐ口に出すため、より高い集中力が必要になります。
シャドーイングは、プロの通訳者が通訳の訓練として取り入れていることでも知られています。正しい方法で行えば、リスニング力はもちろん、発音やスピーキング力も総合的に高めることが可能です。
シャドーイングのやり方
多くの学習者が「音声を流してとりあえず口を動かす」という自己流の方法でいきなりシャドーイングを始めがちです。実は、この間違ったアプローチこそが挫折の最大の原因となっています。
自己流のリズムでくりかえし読んでも、正しいシャドーイングとは程遠く、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。では、どうすれば効果的にシャドーイングができるのでしょうか。
正しいシャドーイングのやり方は、以下のとおりです。
ステップ1:スクリプトを読み込む
まずは、これから使う音声のスクリプト(原稿)を読み込みましょう。知らない単語や発音があれば事前に調べ、内容を理解しておくことが重要です。
ステップ2:音声と合わせて音読する
次に、音声を聞きながらスクリプトを声に出して読みます。これを「オーバーラッピング」と言い、発音を丁寧にまねる練習法です。最初は音声を2~3秒ごとに止めてもかまいません。
ステップ3:シャドーイングに挑戦する
オーバーラッピングに慣れたら、いよいよシャドーイングを始めましょう。音声を聞きながら、その意味も理解しつつ、正確に発音するように努めます。もし難しく感じたら、もう一度ステップ1に戻ってみてください。
スクリプトを読み込んだり、オーバーラッピングを行ったりなどの下準備が、シャドーイングの効果を左右する大切なプロセスです。
最終的には、スクリプトを見ずに、聞こえてきた音声をそのまま口に出せるように練習をくりかえしましょう。
シャドーイングの効果
シャドーイングは、リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えられる一石二鳥の学習法です。具体的にどのような効果が期待できるのか、詳しく見ていきましょう。
1.リスニング力の向上
シャドーイングでは、音声知覚(聞いた音を単語として認識する力)が鍛えられます。英語を聞くだけでは文脈から意味を推測しがちですが、シャドーイングでは聞こえた音を正確にリピートするため、一言一句を確実に聞き取る必要があるからです。
シャドーイングを行うことで、通常では見落としがちな前置詞や冠詞まで意識的に聞き取る習慣が身につき、リスニング力が向上します。
2.発音やスピーキング力の強化
シャドーイングは、スピーキング力も大きく高めます。聞こえた音をまねるので、英語の独特なリズムや抑揚、アクセントが身につくからです。正しい音を再現する練習により、相手に伝わりやすい発音が身につきます。
また、シャドーイングを続けると、単語の組み合わせだけでなく、複数の単語からなる「チャンク」(意味のまとまり)をたくさんストックすることが可能です。
たとえば、「as far as I'm concerned」(私に関する限り)といった決まり文句が自然に口から出てくるようになります。単語をひとつずつ組み立てるよりも、チャンクを組み合わせる方が圧倒的に速く話せます。
参考: 外国語教授法としてのシャドーイング活動の効果――リスニング力、英文復唱力、プロソディの観点から|「石巻専修大学 研究紀要」第29号 73―82 2018年3月
シャドーイングおすすめ教材6選

シャドーイングにおすすめの教材をデジタルと書籍にわけて6つ紹介します。
デジタルor書籍 | 教材名 |
---|---|
デジタル | - 1000時間ヒアリングマラソン - シャドテン - Shadowing Buddy - シャドプラス |
書籍 | - 改訂新版 英語シャドーイング超入門[音声DL・電子版付] - CNNニュース・リスニング |
各教材のレベル・費用・特徴を詳しく整理しているため、自分に合わない教材を選んで時間とお金を無駄にするリスクを避けられます。
1000時間ヒアリングマラソン
難易度・レベル | 初級~上級 |
---|---|
無料体験 | あり・初回1週間無料 |
プラン別の月額料金(税込) | - Free:無料 - 3ヶ月プラン:月額6,600円 - 12ヶ月プラン:月額4,150円 |
※2025年8月時点
※税込価格
1000時間ヒアリングマラソン は、本格的なシャドーイング練習ができる教材です。音声判定機能が搭載されているため、発音やリズムの正確性をリアルタイムで採点してもらえます。
シャドーイング以外にもディクテーションやリピーティングなど豊富なアウトプット練習が用意されており、英語の4技能「聞く」「読む」「話す」「書く」を効率よく伸ばせるのが魅力です。総合的に英語力を伸ばしたい人におすすめです。
シャドテン
難易度・レベル | 初級~超上級 |
---|---|
無料体験 | あり・初回1週間無料 |
プラン別の月額料金(税込) | - 月額21,780円(Webページから申し込んだ場合) - 月額25,800円(アプリを利用した場合) |
※2025年8月時点
※税込価格
シャドテンは、シャドーイング学習に特化したビジネス英語教材です。
1日30分程度の練習を録音・提出すると、英語のプロが毎日添削してくれる点が大きな特徴です。
レベルや目的に合わせた課題が用意されており、初級者から上級者まで効率的にリスニング力を強化できるシステムになっています。専門家による細かなアドバイスを通じて、自分では気づけない発音の癖や改善点を把握できます。
Shadowing Buddy
難易度・レベル | 初級~上級 |
---|---|
無料体験 | あり・10日間無料 |
プラン別の月額料金(税込) | 月額17,424円 |
※2025年8月時点
※税込価格
シャドーイングバディは、専門コンサルタントによる個別添削サービスが受けられます。翌日にはアドバイスが届くため、すぐに修正点を意識して次の課題に取り組めるのが魅力です。
さらに、毎週開催されるオンライングループセッションでは、専門家がシャドーイングのやり方を詳しく解説してくれます。学習法で分からない点があれば、コンサルタントに気軽に相談できる環境も整っているため、確実に英語力を伸ばせます
シャドプラス
難易度・レベル | 初級~上級 |
---|---|
無料体験 | あり・初回1週間無料 |
プラン別の月額料金(税込) | - バリュープラン:月額4,378円 - フィードバックプラン:月額21,780円 |
※2025年8月時点
※税込価格
シャドプラスのフィードバックプランでは、専任の添削チームがあなたのシャドーイング音声を細かくチェックしてくれます。発音やリズムのズレを的確に指摘してもらうことで、一人では気づけない弱点が明確になり、練習の質を高められます。
ベストセラー英文法書の著者による特別動画講座もついているため、シャドーイングと合わせて文法の基礎を固めたい人にもおすすめです。
また、パーソナルトレーニングをオプションで利用できるのも魅力です。言語習得のプロが90分間マンツーマンで指導してくれるので、どうしても越えられない壁にぶつかったときに、ピンポイントで悩みを解消できます。
改訂新版 英語シャドーイング超入門[音声DL・電子版付]
改訂新版 英語シャドーイング超入門[音声DL・電子版付]は、はじめてシャドーイング英語教材に挑戦する初心者に特におすすめの書籍です。
この教材は、英語独特の抑揚や感情表現を学ぶことに力を入れています。たとえば、喜びや怒り、驚きなどの感情を声に乗せる練習は、実践的な英会話に役立ちます。また、徐々に難易度が上がり、海外旅行で使う表現やニュースのスクリプトまで挑戦できるのが特徴です。
定価は1,870円です。書籍を購入すると、音声付き電子版を無料で利用できるため、スマホひとつでも練習ができます。
###CNNニュース・リスニング
CNNニュース・リスニングは、CNNのニュースを題材にした教材です。英文は約30秒と短いので、集中力を維持しながらシャドーイングができます。
CNNニュース・リスニングは、中上級者向けですが、初級者でも「ニュースを題材に英語を学びたい」という強い意欲があれば、挑戦する価値があります。
定価は1210円で、CDは付属せず、音声はウェブサイトからダウンロードで入手します。購入者は、電子版PDFも無料でダウンロード可能なので、スマートフォンにダウンロードして、通勤などのスキマ時間に学習することが可能です。
CNNニュース・リスニングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
シャドーイング教材を選ぶ際の注意点

シャドーイング教材を選ぶ際の注意点は、以下のとおりです。
-自分のレベルに合った教材を選ぶ
-スクリプトがついているものを選ぶ
-興味・目的に合っているものを選ぶ
自分のレベルに合った教材を選ぶ
シャドーイングの教材を選ぶときは、自分のレベルに合ったものを選びましょう。簡単すぎると学習効果が薄く、反対に難しすぎると挫折につながる可能性が高くなります。目安としては、スクリプトを黙読したときに内容の7〜8割が理解できる教材が良いでしょう。
単語や文法が難しすぎると、意味を考えられずただ音をまねするだけの「音まね」になりがちです。これではせっかくのシャドーイングの効果が半減します。自分の英語力に合った教材を選べば、意味も同時に考えながら練習できるため、より高い学習効果が期待できます。
スクリプトがついているものを選ぶ
シャドーイングの教材を選ぶときは、スクリプト(原稿)がセットになったものを選びましょう。
シャドーイングは負荷の高いトレーニングのため、いきなりスクリプトなしで行うのは難しい場合があります。まずはスクリプトを見ながら音源を聴くことで、音源に慣れたり、分からない単語や文法を調べたりできるため、シャドーイングの負荷を減らせます。
スクリプトを事前に確認することで、シャドーイングの下準備ができるわけです。
興味・目的に合っているものを選ぶ
シャドーイングの効果を得るには、何より継続することが大切です。しかし、シャドーイングは単調に感じやすく、飽きてしまう人も珍しくありません。そこで、シャドーイングの英語教材を選ぶときは、自分が興味を持てるテーマや目的に合ったものを選ぶことが重要になります。
好きなジャンルや身近なトピックの教材を選べば、モチベーションを維持しやすいでしょう。たとえば、仕事で英語を使うビジネスパーソンなら、ビジネス関連のニュースや会話がおすすめです。TOEICのスコアアップを目指すなら、試験形式の教材を使うと本番対策にもなります。
このように、興味や目的に沿った教材を選ぶことで、集中力が上がり、楽しみながら続けられます。結果として、学習効率も高まるでしょう。
まとめ

シャドーイングは正しい方法で行えば、リスニング力もスピーキング力も同時に伸ばせる一石二鳥の学習法です。ただし負荷の高い学習法なので、挫折する人も珍しくありません。無理なく続けるには、自分のレベルや興味・目的に合った教材選びが欠かせません。あなたに合った教材で、効果的なシャドーイング学習を始めてみてください。
【1000時間ヒアリングマラソン】 ネイティブの生英語を聞き取る実践トレーニング!
大人気通信講座が、アプリで復活!
1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用した「ヒアリングマラソン」。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
アプリ版「1000時間ヒアリングマラソン」は、日常、ビジネス、フリートーク、時事英語、物語などの多彩なジャンルのコンテンツを収録し、さらに豊富なアウトプット練習や学習時間の計測などの機能を盛り込み、よりパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話すときや海外映画を見るとき、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか? 「1000時間ヒアリングマラソン」には、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
こだわりの学習トレーニング
音声を聞いてすぐにスクリプトを確認する、一般的なリスニング教材とは異なり、英文や日本語訳をあえて後半で確認する構成にすることで、英語を文字ではなく音から理解できるようにしています。英文の書き取りやシャドーイングなど、各トレーニングを一つずつこなすことで、最初は聞き取りが難しかった英文も深く理解できるようになります。
あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ
なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
「1000時間ヒアリングマラソン」は、現在7日間の無料トライアルを実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?