
I got my peaches out in ~♪ — ジャスティン・ビーバーのヒット曲『Peaches』のこの一節。聞いたことがある人も多いのですが、ところでこの 曲には“Peach State(ピーチ州)” が出てきますが、どの州を指しているか知っていますか?実は、アメリカの各州には、それぞれの個性を表す「ニックネーム」があります。この記事では、「Peach State(ピーチ州)」がどこなのか、そしてなぜそう呼ばれるのかを、英語文化の豆知識と一緒に紹介します。
Peach State(ピーチ州)とは?
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「Peach State」とはジョージア州のことで、ピーチはこの地の誇りであり、南部の豊かな自然と人々の温かさを象徴しています。
“I got my peaches out in Georgia” の歌詞を耳にしたら、ただの地名ではなく“南部の優しさと甘い文化”を詩的に表現した言葉として感じてみてください。
ジョージア州は北をテネシーとノースカロライナ、西をアラバマ、南をフロリダに接し、東は大西洋に面する温暖な州で、アトランタを中心に豊かな自然と都市が共存しています。ここで収穫されるピーチは香り高く果汁たっぷりで甘みが強く、19世紀後半から20世紀初頭にかけて農業の主力として発展し、“南部の宝石”と呼ばれるブランド果実となりました。
「ジョージア・ピーチ(Georgia Peach)」は単なる果物名にとどまらず、“ジョージアの女性”や“南部らしい優しさ・品の良さ”を象徴する言葉としても使われ、たとえば “She’s a real Georgia Peach.” は「彼女は本当に上品で魅力的だ」という賛辞になります。
州内の至るところでピーチのモチーフが見られ、道路標識や町名(アトランタの代表的な “Peachtree Street” など)に使われるほか、毎夏の「Georgia Peach Festival」では巨大ピーチパイの試食会が開かれ、地元と観光客に親しまれています。つまり、“Peach State”という愛称は、単なる名産の呼び名を越えて、ジョージア州の自然・文化・人々のあたたかさを凝縮した象徴なのです。
州のニックネーム文化
アメリカのすべての州には、特徴を表すニックネームがあります。たとえば——
New York is called the Empire State(帝国州)
→ 富や力を象徴する名前。
California is the Golden State(黄金の州)
→ ゴールドラッシュにちなんでいる。
Texas is the Lone Star State(ひとつ星州)
→ 独立精神・個人主義の象徴。
Florida is the Sunshine State(サンシャイン州)
→ 一年中温暖で晴れの日が多いから。
こうしたニックネームは、歴史・気候・文化・価値観など、その土地のアイデンティティを表現しています。
ジョージアが「ピーチ州」と呼ばれる理由
ジョージアのピーチは全米でもトップクラスの品質を誇ります。甘くて、ジューシーで、大きくて、まるくて、香りが豊か。まさに“ピーチの王国”と呼ぶにふさわしい存在です。
このため、州の公式ニックネームが “The Peach State” とされ、農産物としての誇りや温かい南部文化の象徴となりました。ピーチは単なる果物ではなく、ジョージアの“おもてなし”や“南部の優しさ”を表す言葉でもあるのです。
豆知識:ナンバープレートにもピーチ!
ジョージア州の車のナンバープレートには、小さなピーチのイラストが描かれています。アメリカでは、州ごとにプレートのデザインが異なり、地元の象徴をモチーフにするのが一般的です。
たとえば、ニューヨークには自由の女神、フロリダにはヤシの木、そしてジョージアにはピーチ。もしアメリカを旅行することがあれば、ぜひナンバープレートにも注目してみてください。きっと各州の「個性」を感じられるはずです。