
日本語でよく使う「その場しのぎ」という表現。とりあえず今だけ問題を回避するけれど、根本的な解決にはならない対応を指します。英語でも同じニュアンスを伝えることができる表現があります。今回はその代表的な言い回しを紹介します。
目次
「その場しのぎ」は英語で?
「その場しのぎ」は、英語で状況や文脈に応じていくつかの表現に言い換えることができます。
band-aid solution(一時的な対応)
最もよく使われるのがband-aid solutionです。これは「絆創膏のような一時的な解決策」という意味で、根本的な問題を解決しない対処を表します。
That’s just a band-aid solution, not a real fix.
それはただのその場しのぎで、本当の解決策じゃないよ。
We need to address the root cause, not apply a band-aid solution.
その場しのぎじゃなくて、根本的な原因に取り組む必要がある。
temporary fix(仮の解決)
temporary fixもよく使われる表現です。「とりあえず動くようにした」「ひとまず対応した」といったニュアンスがあります。
The software update was only a temporary fix.
そのソフトウェアのアップデートは単なるその場しのぎに過ぎなかった。
ネガティブな意味を含まない関連表現
以下の表現は「その場しのぎ」のように否定的な響きはなく、むしろ「工夫」「柔軟さ」「創造性」といった前向きなニュアンスを含みます。
make do(間に合わせで済ます)
make doは「あるもので何とかする」「工夫してやり過ごす」という意味です。不満よりも柔軟さや順応性を評価するニュアンスで使われます。
We don’t have the right tool, but we can make do with this one.
適切な道具はないけど、これでその場をしのげるよ。
improvisation(即興対応)
improvisationは「即興で対応する」という意味です。批判的ではなく、むしろ創造的にその場を乗り切ったニュアンスを含む場合もあります。
His speech sounded like pure improvisation.
彼のスピーチは完全に即興に聞こえた。
まとめ
日本語の「その場しのぎ」にあたる否定的なニュアンスを表すときには、band-aid solutionやtemporary fixがよく使われます。どちらも「根本的な解決ではない」という批判的な響きを持っています。
一方で、make doやimprovisation*は否定的な意味合いを含まず、「あるものでやりくりする」「即興で対応する」といったニュートラルあるいはポジティブな表現として用いられます。
文脈によって「批判的に言いたいのか」「柔軟さを評価したいのか」を意識し、適切に使い分けるのがポイントです。
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