日本語の「顔が広い」は、「多くの人と知り合いであり、複数の分野やコミュニティにわたって人脈を持っていること」を意味します。単に知り合いが多いだけでなく、「つながりが広範囲に及んでいる」というニュアンスを含む表現です。では、この「顔が広い」は英語でどのように表現すればよいのでしょうか。英語では一語で置き換えることはできず、意味を分解して考える必要があります。
目次
まず結論:「顔が広い」を細分化して考えよう
日本語の「顔が広い」に完全に対応する英語はありません。英語では「顔が広い」という意味をさらに分けて、何に焦点を当てるかによって表現が変わります。
- 影響力のある人脈を持つ → well-connected
- 人脈作りが得意な人 → networker
- 単純に知り合いが多い → knows a lot of people
重要なのは、「人脈そのもの」なのか、「行動」なのか、「性格」なのかを区別することです。後ほど、性格を表す語も紹介します。
「顔が広い」の意味を整理する
「顔が広い」は、次のように定義できます。
多くの人と知り合いであり、業界や地域など、複数のコミュニティにまたがる人間関係を持っている状態。
ポイントは、「有名であること」ではなく、「人的ネットワークの広さ」にあります。
well-connected
well-connected は、「有力な人々とつながりがある」「影響力のある人脈を持っている」という意味で使われます。特にビジネスや政治の文脈でよく用いられます。
He is well-connected in the shipping business, which has helped him in his career.
彼は海運業界で顔が広く、それが彼のキャリアに役立っています。
この表現は、単に知り合いが多いというよりも、「価値のあるコネクションを持っている」というニュアンスを含みます。
networker
networker は、「積極的に人脈を広げる人」という意味です。人脈を広げる行動の結果として顔が広い人を指すこともありますが、焦点は“行動”にあります。
He’s a great networker, always looking to connect with new people.
彼は人脈作りが得意で、常に新しい人とのつながりを求めています。
「顔が広い人」というより、「顔を広げようとする人」に近い表現です。
knows a lot of people
knows a lot of people は、「多くの人を知っている」という直接的な表現です。
She knows a lot of people in the industry.
彼女はその業界で多くの人を知っています。
やや口語的で、文字通り「多くの人を知っている」という意味です。人脈の“質”や“影響力”は含まず、あくまで人数の多さを表す表現です。
補足1:「顔が広い」と混同されやすい表現
「顔が広い」に近いようで、意味が少し異なる表現もあります。
well-known
well-known は、「広く知られている」「有名な」という意味です。
She is well-known in her field.
彼女はその分野で広く知られています。
これは「多くの人に知られている」という意味であり、「多くの人とつながっている」とは限りません。
influential
influential は、「影響力がある」という意味です。
He is an influential figure in the industry.
彼はその業界で影響力のある人物です。
「影響力があること」と「人脈が広いこと」は必ずしも同じではありません。この語自体は「人脈の広さ」を表すわけではありません。
補足2:「社交的」といいたいときに使う表現
「顔が広い」と「社交的」は混同しがちですが、以下のような違いがあります。
- 顔が広い:知人の多さを表す状態
- 社交的:人付き合いの積極性や上手さ
「社交的」である結果、「顔が広く」なる可能性はありますが、英語では、この「状態」と「性格」は明確に区別されます。両者を区別して表現すると、より正確に状況を伝えることができます。
gregarious
gregarious は、「社交的な」「人付き合いを好む」という意味の形容詞です。
Her gregarious nature makes her popular at social events.
彼女の社交的な性質は、社交イベントで彼女を人気者にしています。
これは性格を表す語であり、人脈の広さそのものを直接示すわけではありません。
social butterfly
social butterfly は、「社交的で、さまざまな場に顔を出す人」という意味の名詞句です。特に、多くの社交的なイベントや集まりで活発に活動する人を指します。
She’s a real social butterfly.
彼女はとても社交的な人です。
カジュアルな響きがあり、人脈の広さというよりも、行動スタイルや性格を表します。ビジネス文脈で使うと、やや軽い印象を与えることがあります。「顔が広い」というより、「社交的だ」と言いたいときに使える表現です。
使い分けのポイント
英語では、
- 人脈の質や影響力に焦点 → well-connected
- 人脈形成の行動に焦点 → networker
- 単純な知り合いの多さ → knows a lot of people
- 知名度 → well-known
- 影響力 → influential
- 性格的な社交性 → gregarious
のように、概念が明確に区別されます。つまり、「顔が広い」という日本語は、英語では複数の概念に分解されます。
日本語の「顔が広い」はこれらの概念を一つにまとめた便利な表現ですが、英語では「何が広いのか」を具体的にする必要があります。
まとめ
「顔が広い」は、多くの人と広範囲につながりを持っている状態を表す日本語表現です。しかし英語では、その意味を一語で置き換えることはできません。
人脈の質を強調したいのか、行動を表したいのか、性格を示したいのかによって、適切な語を選び分けることが重要です。翻訳するときは、「何が広いのか」を具体化することが、正確な英語表現への第一歩です。
作成:2023年12月5日、更新:2026年2月27日
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