アルクの英語学習アプリ「booco」に搭載された「1000時間ヒアリングマラソン」から、学習にちょっと役立つ&知ると英語がもっと楽しくなる情報をご紹介する連載。第2回は「主語以外で始まる文」をテーマに、分詞構文の聞き取りに挑戦します。ここでしか聞けない、ヒアリングマラソンの生音声も楽しみながら日々の学習にご活用ください。
主語以外で始まる文とは?
英語をリスニングする際、ほとんどの方は SV(主語+動詞)の順番に発話されることを期待すると思います。しかし、実際のコミュニケーションでは、語順が入れ替わっていることが多々あります。
主語以外で始まるケースを、いくつか確認してみましょう。
Not feeling well, I’ll take the day off today. 体調が良くないので、今日は休みます。
(分詞構文)
In her bag was the puppy. 彼女のかばんの中に、その子犬はいました。
(倒置)
生音声で確認
正誤問題
次の会話の音声には、分詞構文が含まれています。内容を聞いて、以下の①~③の文が正しいかどうか考えてみましょう。※答えは、詳細確認でチェック!
① 男性は、空港の内部に人が多いことに驚いている。
② 女性はGOアプリを使ったことがない。
③ 男性は Taxi Prince に会ったことがある。
【出典:ヒアリングマラソン「標的リスニング(Targeted Listening)」第1回 短文トレーニング】
詳細確認
それでは、会話のスクリプトと和訳、音声を順番に見ながら、①~③の文の正誤を確認しましょう。
スクリプトと日本語訳
Part 1
Woman: Immigration took so much longer than I expected. Let’s grab a cab.
Man: Wow, look at the taxi stand! Quite a line we’ve got here.
W: Why don’t we just hail an Uber?
【解説】
「タクシーを捕まえる」という表現の動詞には、Let’s grab a cab のgrab以外に、get、catchなどが使われます。
正誤問題①)「男性は、空港の内部に人が多いことに驚いている」
男性の Wow, look at the taxi stand! Quite a line we’ve got here.(うわ、タクシー乗り場を見てよ! なかなかの行列だよ)という発言から、タクシー乗り場の行列の長さに驚いていることが分かるので、誤り。
Part 2
M: Well, actually, here in Japan, Uber isn’t as popular as it is in the U.S. We should use a local taxi-hailing service called GO instead.
W: I’ve never heard of GO before. Do you have the app on your phone?
M: Yep. I’m requesting a taxi on GO now. It should arrive in five minutes.
【解説】
近年UberやLyft、日本のGOなどといったtaxi-hailing service(タクシー配車サービスアプリ)が一般的になり、hail a taxi (cab)という表現がよく使われるようになりました。hail an Uberは「Uberを使ってタクシーを呼ぶ」という意味以外に、Uberを taxi-hailing service の代表と見て「アプリで配車すること全体」を意味する場合もあります。日本語の「ググる」=「ネットサーチする」というのと同じですね。
【例文】
Tourists often use their phones to hail a cab in busy city streets.(都会の交通量の多い道では、観光客はよくスマホを使ってタクシーを呼ぶ)
正誤問題②)「女性はGOアプリを使ったことがない」
女性は I’ve never heard of GO before.(GOって今まで聞いたことがない)と述べているため、正解。
Part 3
M: Speaking of taxi-hailing services here in Japan, GO is by far the most popular and is owned and run by someone known as the “Taxi Prince.”
W: The Taxi Prince! Well, if he’s not married yet, I’d be happy to be his princess!
【解説】
主語で始まらない文の中でも頻出の1つが、分詞構文です。「~と言えば」という意味のSpeaking of ~、When it comes to ~またはTalking of ~(やや古い表現)は慣用表現なので、意味と一緒に覚えてしまいましょう。of の後ろに来るものがメインのトピックになるため、しっかり聞き取ると理解の大きな助けになります。
正誤問題③)「男性は Taxi Prince に会ったことがある」
男性は GO ... is owned and run by someone known as the “Taxi Prince.”(GOは「タクシー王子」として知られる人が所有して運営している)と発言しているだけで、「会ったことがある」とは述べていないため、誤り。
シャドーイング
主語以外で始まる文の音声を聞いて、シャドーイング(聞こえた英文をそのまま少し遅れて声に出すこと)をしましょう。
※スクリプトは「フレーズの入れ替え」第1問に記載
フレーズの入れ替え
下線部のフレーズを、指示音声で聞き取った語句に入れ替えて、完成した文を読み上げましょう。
第1問
指示音声
Speaking of taxi-hailing services here in Japan, GO is by far the most popular.
日本でタクシー配車サービスと言えば、GOが圧倒的に人気です。
お手本音声
────────────────────────────────
第2問
指示音声
Speaking of traditional food here in Japan, sushi is by far the most popular.
ここ日本で伝統的な食べ物と言えば、すしが圧倒的に人気です。
お手本音声
────────────────────────────────
第3問
指示音声
Speaking of traditional food here in Japan, sushi is by far the most expensive.
ここ日本で伝統的な食べ物と言えば、すしが圧倒的に高価です。
お手本音声
────────────────────────────────
第4問
指示音声
When it comes to traditional food here in Japan, sushi is by far the most expensive.
ここ日本で伝統的な食べ物に関して言うなら、すしが圧倒的に高価です。
お手本音声
────────────────────────────────
第4問で完成した英文
When it comes to traditional food here in Japan, sushi is considered the most expensive.
ここ日本で伝統的な食べ物に関して言うなら、すしが最も高価だと考えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。リーディングで文構造を把握するときとはまた違った難しさがありますね。聞き取りでは、文全体を見渡すことができないため、聞こえてくる語がどんな役割を果たしているか、判断しながら聞く必要があります。
今回は、ヒアリングマラソンの「標的リスニング」から「主語以外で始まる文」を取り上げました。同コンテンツには、さらに別のタイプの長文や、発音判定機能を使った各種アウトプット練習があり、耳と口を同時に鍛えることができます。
「複雑な文の聞き取りに挑戦したい」、「リスニングをしながら英文法も復習したい」という方は、ぜひアプリ「booco」をダウンロードして、3日間の無料トライアルをお試しください。
【booco 搭載】新・ヒアリングマラソン
あの大人気通信講座が、アプリで復活!
1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
デジタル版の新しいヒアリングマラソンは、アルクの総合英語学習アプリ「booco」に搭載され、さらにパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
・聞いて、話せる英語脳を作る
デジタル化に伴い、AI によるスピーキング評価機能が新たに搭載されました。質の高い英語を耳から大量にインプットし、声に出してアウトプットすることで、現地に行っても困らないリスニング力・スピーキング力が身に付きます。
・学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話す時や海外映画を見る時に、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか。ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
・あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ
なぜ聞き取れないのか? には理由があります。全9種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
デジタル版ヒアリングマラソンは、現在お試し学習を実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?