
今回は「TOEIC Speaking & Writingの試験を受けてみたい」「TOEIC Listening & Readingについての情報は多いけど、Speaking & Writingの情報は探すのが難しい……」と考えている皆さんに、テストの概要から、対策やオススメの問題集などを紹介します。特に問題集は初めて受験する人から上級者まで、さまざまなレベルの人に合うものを紹介するので、ぜひ最後まで目を通してください。
目次
TOEIC S&Wとは?

まずは、TOEIC Speaking & Writing(以下、TOEIC S&W)の概要を解説します。
- TOEIC S&Wの概要
- Speaking Testの概要
- Writing Testの概要
- TOEIC S&Wのスコア評価
これらを押さえておけば、受験についてイメージしやすくなるでしょう。また、自分が目指すべきスコアも見えてくるはずです 。
TOEIC S&Wの概要
TOEIC S&WのSpeakingは英語を「話す」、Writingは英語を「書く」を表します。日常生活はもちろん、グローバルビジネスの場面で活用できる、「英語の話す力・書く力」を測定するテストです。TOEIC L&Rではマークシートに解答を記入しますが、S&Wでは受験にはパソコンを使い、音声を録音したり、解答を入力したりします。
受験料は1万450円(税込み)となっています(25年2月現在)。詳細はテストを実施しているIIBCの公式サイトを参照してください。テストの日程についても公式サイトで確認することができます。
参考:IIBC
TOEIC S&Wを受験する際には、事前の申し込みが必要です。その後、試験会場を書いた「受験案内メール」が届きます。テスト当日に必要な物などの注意事項もあるので、内容を確認してください。テストを受けると、結果は試験日から17日後に申し込みサイトで確認することができます。
Speaking Testの概要
Speaking Testで測定されるのは「話す力」があるかです。具体的には、以下の3つの力があるかを測定します。
- 英語のネイティブ・スピーカーや英語に堪能なノンネイティブ・スピーカーに理解しやすい言葉で話すことができる
- 日常生活、また仕事上必要なやりとりをするために、適切に言葉を選択し、使うことができる
- 一般的な職場において筋道の通った継続的なやりとりができる
つまり、日常生活やビジネスシーンで、正確で流暢な英語を話すことができるのかが問われます。
Writing Testの概要
Writing Testで測定される「書く力」は、具体的に以下の3つの力があるかを測定します。
- 平易な文でも複雑な文でも、適切な語彙・語句を使用し、文法的に正しい文を作成できる
- 簡単な情報や質問、指示、話などを伝えるために複数の文で構成される文章を作成することができる
- 複雑な考えを表すために、状況に応じて理由、根拠、詳しい説明などを述べながら複数の段階から構成される文章を作成することができる
こちらは日常生活やビジネスシーンで、正確で流暢な英語を書くことができるのかが問われます。
Speaking TestもWriting Testも、特殊なビジネス英語や特定の業界、分野の知識を必要としたり、特定の国の歴史や文化に関連する固有の事象が分からなかったりすければ解答できない問題などは含まれていません。
TOEIC S&Wのスコア別評価
ここでは、Speaking TestとWriting Testのスコアに対する評価を紹介します。
まず、どちらのテストも結果は0~200点の「スコア」で示されます。また、Speakingについては、「発音」「イントネーションとアクセント」も1〜3で評価されます。
TOEIC S&Wでは、多くの企業が求めるスコアがSpeakingとWritingそれぞれ120点だといわれています。IIBCのデータによると、日本人の平均はSpeakingが129.6点、Writingが143.3点なので(2023年度)、それより少し低いスコアだと考えられるでしょう。
IIBCのサイトの「スコアレンジ別評価一覧表」によれば、Speakingの110~120点は「ある程度、意見を述べる、または複雑な要求に応えることができる」「ほとんどの場合、質問に回答し、基本的な情報を提供することができる。しかしながら、しばしば内容は理解しにくい」としています。
また、Writingの110~130点は「簡単な情報を提供し、理由や例をあげて、または説明をして意見を裏付けることは部分的にできる」「簡単な情報を提供する、質問する、指示を与える、または要求するときは、重要な情報を書き忘れることがある、または文章にわかりにくい部分がある」としています。
参考:IIBC
つまり、そのくらいの英語力があれば、企業の求める人材になれるということでしょう。
TOEIC S&Wで出題される問題

次は出題される問題について解説していきます。
- Speaking Testではどんな問題が出題される?
- Writing Testではどんな問題が出題される?
これらはテスト対策する上でも重要なポイントとなるので、理解しておいてください。
Speaking Testではどんな問題が出題される?
Speaking Testはテスト時間が約20分で、問題は5種類(11問)あります。問題は以下の順に出題されます。
Read a text aloud(音読問題)
2問(各45秒)
アナウンスや広告などの短い英文を音読する
Describe a picture(写真描写問題)
2問(各30秒、準備時間各45秒)
写真を見て内容を英語で説明する
Respond to questions(応答問題)
3問(15秒または30秒)
インタビューに答える、または電話で話すという設定で、質問に答える
Respond to questions using information provided(提示された情報に基づく応答問題)
3問(15秒または30秒、準備時間は45秒)
資料や文書を読んで、設問に答える
Express an opinion(意見を述べる問題)
1問(60秒、準備時間は45秒)
あるテーマについて、自分の意見とその理由を述べる
Writing Testではどんな問題が出題される?
Writing Testではテスト時間が60分で、問題は5種類(11問)あります。
Write a sentence based on a picture(写真描写問題)
5問(8分)
与えられた2つの語句を使い、写真の内容を表す文を作る。
Respond to a written request(Eメール作成問題)
2問(各10分)
25〜50語程度のEメールを読み、返信のメールを作成する
Write an opinion essay(意見を記述する問題)
1問(30分)
提示されたテーマについて、自分の意見を裏付ける理由あるいは例を挙げて記述する
TOEIC S&Wの対策

次はSpeaking TestとWriting Test、それぞれの対策について解説します。
- Speaking Testの対策
- Writing Testの対策
Speaking Testの対策
Speaking Testは「話す英語」を測定するテストで、発音・イントネーションが適切か、文法が正しいが、適切な語彙が使用されているかなどが重要になってきます。
対策としてよくいわれるのが、問題を3つのグループに分けるやり方です。
最初の3問は「分かりやすさ」、次の6問が「適切な意思の疎通」、最後の2問は「連続かつ継続したスピーチ」であることが重視されるといわれます。
そのため、傾向に合わせて対策する必要があります。しかし、それには基礎的なスピーキング力が必要です。
スピーキング力をつけると聞いて、思い付くのは「オンライン英会話」だと思います。しかし、これは初心者向けではなく、お金もかかるので、中級者にお勧めできます。
そこで、この記事でお勧めするのは英語での「独り言」または「シャドーイング」です。これらは1人で手軽にできることはもちろん、いつでもどこでも無料で行うことができます。シャドーイングは英語の音声を聞きながら、「影(シャドー)」のようにそれについて行って、後から同じ英語を口に出すトレーニングです。YouTubeなどでトレーニングの仕方を紹介した動画があるので、見てみてください。
初心者の人は、ぜひ英語で「独り言」と「シャドーイング」を行ってみてください。
Writing Testの対策
Writing Testは「書く英語」を測定するテストで、どれだけ正確に英語の文章が書けるかが重要。
ライティングは学ぶ機会が少ないので、基礎力が足りない人が多いと考えられます。
英語を書くことに慣れていない人におすすめする勉強法は、解答の「書き写し」から始めることです。これは正解とされる解答を書き写し、文章のパターンや、正しい文法や単語の使い方を学ぶことを目的としています。
それに慣れてから多くの問題を解くことをお勧めします。また、文法が正しいか不安になる場合には、オンライン英会話や英会話教室でサポートを受けることも考えてみてください。今はAIツールを使って文法チェックを行うこともできますが、チェックが全て正しいとは限らないので注意してください。
TOEIC S&W対策におすすめの参考書

次はおすすめの問題集を6冊、紹介します。
- 公式TOEIC Speaking & Writing ワークブック
- TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
- ビギナーのためのTOEIC S&W テスト全問題チャレンジ!
- はじめてのTOEIC(R)S&Wテスト完全攻略
- TOEIC S&Wテスト総合対策 改訂版
- 頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)
全ての受験者におすすめできるものから、初級者向け、上級者向けなど、幅広く紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
公式TOEIC Speaking & Writing ワークブック
こちらは実際のテストも制作しているETSが手がけた公式ワークブックです。全部でテスト5回分の問題を掲載しているので、たっぷり問題を解くことができます。
この問題集は、今の実力を測るために解くことをお勧めします。勉強を始める前の実力測定から、試験が近づいてきてからの力試しなど、多岐に使用できます。全受験者必読の一冊です。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
こちらはL&R対策の単語集ですが、S&Wを受験する人にもお勧めできます。
TOEICに頻出する単語を集めているので、効率よく単語学習ができます。アプリを使って英語の音声を聞くこともできるので、シャドーイングすることで、スピーキングの練習にもなります。
ここで紹介されている語彙が難しいと感じる人は、同じシリーズの「銀のフレーズ」(TOEICのスコアが300~500の人向け)をチェックしてみてください。
ビギナーのためのTOEIC S&W テスト全問題チャレンジ!
タイトルの通り、S&W初心者向けの一冊です。本書の目標スコアはSpeaking Testで110〜120、Writing Testで110〜130としています。
全パートの練習問題が収録されているので、初めての受験で、全パートの対策をしたい人、どんな問題が出るか知りたい人におすすめです。テストの概要、学習の仕方、得点のポイントも分かります。音声をダウンロードも可能です。
S&Wを知るために、まずは対策書を1冊手元に置きたいという人は、こちらをチェックしてみてください。
はじめてのTOEIC(R)S&Wテスト 完全攻略
こちらもS&W初心者向けの一冊です。「最短時間で最大の効果を上げる すぐ役立つ受験ノウハウを満載」とカバーに書いてある通りの内容で、人気も高いです。
S&Wの問題形式の紹介、模擬試験1回分が掲載されていて、オンライン模擬試験1回分まで付いています。その他にも、時間配分などの、テスト攻略のポイントも掲載されているため、お勧めできます。
本書はS&W初心者の人に一番おすすめできるので、ぜひチェックしてみてください。
TOEIC S&Wテスト総合対策 改訂版
こちらも「はじめの1冊」とカバーに書いてある通り、初心者向けになっています。設問別攻略法と模擬テストを掲載しており、テスト対策によって英語の発信力を鍛えるのも目標です。
さらに、自分の実力を測る「セルフチェック」や、発信力強化トレーニングも掲載されているので、これ1冊で安心して受験に臨むことができます。
頂上制覇 TOEIC(R)テストスピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック)
「TOEIC L&Rテスト 直前の技術」のロバート・ヒルキ氏による、S&W対策書。こちらは上級者向けの内容になっています。
模擬試験を2セット、練習問題も多数収録しているので、多くの問題を解きたい人にお勧めです。ボリュームのある内容になっています。
TOEIC S&Wスコアの活用法

TOEICといえば、Listening & Reading Test(L&R)のことを想像する人が多いのではないかと思います。そこで次は、L&Rとの比較や、S&Wは就職や転職に有効活用できるのかについて解説します。
TOEIC Listening & Reading Testとの比較
まず、L&Rは「聞く」英語力と「読む」英語力を測るテストで、TOEICと聞くとこちらのテストを思い浮かべる人が多いでしょう。そのため、就活や転職での募集要項でよく聞く「TOEIC〇〇点」はこちらのTOEIC L&Rのスコアのことです。
就職や転職に有効活用できる?
先に結論を言うと、有効活用することができます。
ただし、職業や実際の仕事によっては活用しにくい場合もあるのが現状です。しかし、高得点であればマイナスになり得ないですし、職務によっては高く評価されます。
それこそ「話す」「書く」英語力を測るテストなので、海外の人と会議したりメールしたりする機会がある職務に応募する場合は、高い評価が期待できます。
まとめ

さて、TOEIC S&Wを受験したくなりましたか? また、受験するメリットや具体的な勉強法が理解できたでしょうか?
この記事を読んだ人が努力を通して高いスコアを獲得し、夢をつかむことができるように願っています。ぜひ、高い目標を持ってチャレンジしてみてください。
【Santaアルク】3分でできる英語力診断
AIが弱点・伸びしろ・TOEICスコアを予測
- Santaアルクを使って学習しているユーザーは世界で800万人以上!
- 20時間の学習で平均165点のスコアアップ実績
- AIがユーザーのTOEICスコア・弱点・伸びしろを診断し、個別最適化されたカリキュラムを提供