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「自分の今の英語力を知りたい!」と思ったら、TOEICや英検といった資格試験の受験を検討する方も多いでしょう。けれども、どちらを受験するべきかで頭を悩ませがちです。「TOEICと英検って、どっちの方が難しいの?」「そもそもTOEICと英検ってどう違うの?」と疑問に思うかもしれません。本記事ではそんな悩みを解消するべく、英検とTOEICの特徴や違い、そしてそれぞれの試験を誰が受けるべきか、解説します。
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目次
TOEICと英検の違い
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TOEICと英検、どちらも英語に関する資格試験としてひとくくりにしてしまいがちです。しかし、それぞれいったいどのようなテストで、どのような違いがあるのでしょうか。各資格試験の特徴やメリットについてまずは知っておきましょう。
ここでは、以下の3点について解説します。
- TOEICの概要
- 英検の概要
- TOEICと英検のレベル
TOEICの概要
TOEICとは、一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施している、英語技能をはかる試験です。「合格」「不合格」で判定するのではなく、スコアで評価されるのが特徴で、グローバルスタンダードとして世界160カ国でテストが実施されています。知識や教養としての英語ではなく、実際のコミュニケーションで使用される英語の技能をはかることを目的としています。
TOEICには複数の種類のテストがありますが、一般的に「TOEIC」といわれた場合は「TOEIC Listening & Reading Test」を指します。試験内容はリスニングとリーディングで、マークシート方式で開催されます。満点は990点で、毎月1~2回のペースで実施されるため、挑戦できる回数が多いというメリットもあります。
英検の概要
英検とは、実用英語技能検定の略称で、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能を図る試験です。日本国内で実施されている最大級の英語検定試験で、幅広い年齢層が受験しています。レベル別に1級から5級までの7つの級があり、「合格」「不合格」の判定には「英検CSEスコア」という独自の基準が用いられています。このスコアは試験結果とともに通知されるため、「合否」に加えて自分の英語レベルの位置を把握できます。
試験では「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4技能がはかられ、そのバランスを重視した採点が行われます。試験の方式はマークシート方式を中心に、級が上がれば作文や面接方式が加わります。さまざまな方法で英語力をはかれるのがメリットですが、開催されるのは年に3回ほどとなっています。
TOEICと英検のレベル
TOEICと英検のレベルは、一概にどちらが難しい、とはいえません。上述した通り、TOEICはスコアで結果が出るのに対し、英検はレベル別に級が設定されており、合否によってレベルを判別するのが主です。全く異なる指標のため、単純な比較ができません。そこで、ヨーロッパで作成された外国語学習者の習熟度を表す、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)を用いて、それぞれの試験結果のレベルを比較してみましょう。
まず、TOEICのスコアをCEFRのレベルで表すと、以下のようになります。
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TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表 より
そして、英検の結果をCEFRのレベルで比較すると、以下のようになります。
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各種目的に応じて求められる英検®の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドラインより
これらの情報を合わせてTOEICのスコアと英検の級を対比してみると、ざっくり以下のような形となります。
CEFRレベル | TOEIC | 英検 |
---|---|---|
C1 | 945~990 | 1級 |
B2 | 785~940 | 準1級~1級 |
B1 | 550~780 | 2級~準1級 |
A2 | 225~545 | 準2級~2級 |
A1 | 120~220 | 3級~準2級 |
大まかに、どちらも同じぐらいの範囲の英語力をカバーしていると言えるでしょう。
TOEICと英検の試験内容の違い
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TOEICと英検、それぞれの全体像の違いが分かりました。では、それぞれの試験内容自体にはどのような差があるのでしょうか。TOEIC Listening & Reading Testと英検では試験項目が異なるため、今回は下記5つのポイントに絞って、それぞれについて解説します。
- 単語
- 文法
- リーディング
- リスニング
- 試験の難しさ
単語
「単語」という観点からTOEICと英検を比較すると、単純計算では英検の方がより難しいと考えられます。というのも、出題される単語数に違いがあるからです。TOEICのスコアの平均点は600点ほどだと言われていますが、必要な語彙力は4000語程度と推測されています。一方で英検は、同程度のレベルにあたる2級の出題範囲は5000語と言われています。網羅すべき単語数が異なります。
また、TOEICで満点を取るには10000語ほどの語彙力が必要と言われていますが、英検で1級に合格するためには、15000語ほどの知識が必要だと言われています。そのため、単純に必要となる単語数で考えると、TOEICよりも英検の方がより多くの知識を求められていることが分かります。
文法
では、「文法」という側面でTOEICと英検を比較してみましょう。文法の知識を身につけておくことは、どちらの試験でも重要です。単純に文法を問う「穴埋め問題」はTOEICと英検のどちらでも出題されます。しかし、これらはどちらも選択肢があるため、選択肢自体がある程度のヒントとなるでしょう。
厄介なのが、英検の3級以上の試験で行われる「英作文」のテストです。穴埋めとは異なり、まっさらな状態で正しい文法を用いた文章を書かなければいけません。簡単なミスでも減点されることがあるため、注意深く回答することが求められます。異なる対策が必要なため、TOEICよりも英検の方がやや難しく感じるかもしれません。
リーディング
「リーディング」という観点で比較すると、英検よりもTOEICの方が難易度の高い試験だと考えられます。TOEICのリーディング試験は75分間に100問もの設問に答える必要があるからです。英検の場合、1級で100分間の制限時間で出題されるリーディングの問題は35問です。英検については、同じ100分の間にライティングも解かなければならないので単純に数だけで比較はできませんが、TOEICの設問のボリュームの大きさが分かるでしょう。人によっては、TOEICでは制限時間内にすべての問題を読み終えられないこともあります。よって、リーディングの難易度としてはTOEICの方が難しいと考えられます。
リスニング
では、「リスニング」についてはどうでしょうか。こちらも、TOEICの方が難しいと感じる人が多いでしょう。TOEICのリスニング問題は45分間で100問出題されます。一方、英検は級によって異なりますが、大体どの級も30分前後で約30問の設問に答えることになります。英検の場合は級や設問によっては同じ音声が2回放送されることがありますが、TOEICはどの設問でも音声は1回しか流れないので、その分でも差がつきます。
さらに受験者を悩ませるのが、話者のアクセントです。TOEICにはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドという5カ国の話者が登場します。それぞれの国によって英語のアクセントが異なるため、慣れていないアクセントだと戸惑うことがあります。一方の英検では、アメリカ英語を中心にあまりクセがない英語話者がスピーカーとして登場します。クセがない分、聞き取りやすさがあります。これらの観点から、リスニングもTOEICの方が高難易度と言えるでしょう。
試験の難しさ
では結局、TOEICと英検ではどちらの方が難しいのでしょうか。答えは、受験の目的や英語レベルによって異なります。そもそもTOEICは国際ビジネスコミュニケーション協会が開催していることもあり、どちらかというとビジネス英語の知識が多く求められる傾向にあります。そのため、必要とされる語彙力がある程度限られていますし、すべてマークシート方式なので選択肢から選ぶテストになります。
さらに、TOEICはレベル別試験ではないため、受験者の英語力によって難易度の感じ方が異なります。一方の英検では全般的な英語力が問われるため、求められる語彙の範囲が広い上に、自ら英語の文章を作る力が求められます。どちらが難しいかではなく、どちらの試験がより自分に適しているかで選択する必要があります。
TOEICと英検、どちらを受けるべき?
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TOEICと英検はそれぞれに違いがあり、自身の英語学習の目的などによって受験する試験を選ぶ方が良いでしょう。では、どのような人にTOEICはより適していて、どのような人は英検を受けた方が良いのでしょうか。下記3つのポイントを解説していきます。
学生
これから大学進学をする学生の方であれば、英検の受験をお勧めします。大学入試で必要とされる語彙力や文法の多くを英検はカバーしているので、英検に向けた学習は大きな助けとなります。また、近年では英検を利用した受験優遇制度を設けている大学も増加しており、大学入試での英語科目への加点や免除などといった措置を受けられます。なので、大学受験を控える方には英検が有利です。
反対に、大学生の場合はどちらかというとTOEICをお勧めします。海外の学校への留学や就職活動にはTOEICのスコアが有利に働くことが多く、社会人になってから必要となる知識を得る機会にもなるからです。
大学生が目指すべきTOEICスコアについて、以下の記事で詳しく解説しています。
社会人
社会人の方にはTOEICの受験をお勧めします。TOEICではビジネス英語が中心となるため、ビジネスに直結した英語の学習ができます。出題されるシチュエーションも、親しみやすいものが多いでしょう。また、TOEICは試験の開催日が多いため、忙しい社会人でも受験スケジュールの確保が比較的容易でしょう。ただ、英検が社会人に適していないわけではありません。英検の場合はスピーキングやライティングといった試験があるため、英語でのプレゼンテーションやメール・資料作成に必要なスキルをはかれるからです。
社会人が目指したいTOEICスコアについて、以下の記事で詳しく解説しています。
業界別の求められるレベル
では、実際のビジネスシーンにおいて、どの業界でどの程度の英語力が求められるのでしょうか。テーマパークやホテルのスタッフなどの接客業、ITエンジニアなどは日常会話レベルの英語力があれば良い、と言われています。TOEICであれば500点以上、英検の場合は準2級以上です。
キャビンアテンダントや英語事務などビジネスの場でも英語が必要な業界・職種になるとビジネスレベルに近い英語力が求められます。TOEICであれば600点以上、英検の場合は2級以上です。本格的にビジネスレベルの英語が求められるのは、外資系企業や商社に勤める場合で、TOEICで少なくとも800、英検は準1級あれば安心です。さらにそれ以上となると、公認会計士や英語教員、通訳や翻訳業を行う人で、TOEICは900以上、英検1級程度の力が欲しいところです。
TOEICと英検の対策
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TOEICと英検はそれぞれ試験方式が全く異なります。そのため、対策もそれぞれに異なったものが必要となります。英語力を上げるために漫然と学習することも悪くはありませんが、TOEICが英検のどちらかに絞って試験対策を行った方が効率的と言えるでしょう。それぞれどのような対策が必要なのか、ご紹介しましょう。
- TOEIC対策
- 英検対策
TOEIC対策
TOEIC対策用の教材は数え切れないほど存在しますが、重要なことは自分に合った教材を選ぶことです。
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パート別・レベル別のおすすめ教材については、以下の記事で詳しく解説しています。
英検対策
英検対策でも同様に、まずは自分の実力を正しく把握することが重要です。
英検ではTOEICと違い受験する級を決める必要がありますが、その際に参考になるのが英検公式サイトで公開されている過去問です。
問題とともに回答も公開されていますが、解説はありません。まずは公式サイトにある過去問題を解いてみて、受験する級を決定しましょう。
その後、級別に出版されている対策本で合格に向けた学習を進めましょう。
まとめ
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ここまで、TOEICと英検はどちらの方が難しいのか、それぞれの試験の特徴や違いを解説してきました。TOEICと英検はどちらも英語力をはかる試験でありながら、全く異なった形式の試験であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。どちらを受験しようか迷っている方は、ぜひこの記事を参考にして、自分に適した試験はどちらか見極めてみてください。
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