頭の中で英語を考える暇もなく、瞬時の反応が求められる英会話。今回は、相手の言っていることが聞き取れないときや話が理解できないとき、とっさの謝罪が必要なときなど、気まずい状況を切り抜ける「お助け表現」を、コミュニケーション・アナリストの上野陽子さんにご紹介していただきます。
目次
気まずい状況を切り抜ける
相手の言っていることが聞き取れなかったり、細かい点を確認したかったりするときに、何も尋ねずにいたら、どんどん話が進んでしまった、という経験はありませんか?今回はそんな気まずい状況を切り抜けるのに役立つ表現をご紹介します。
聞き取れないときに使う表現
うまく聞き取れなかったとき、遠慮せずに聞き返した方が、後の会話もスムーズになります。
Sorry, but I missed that.
すみません、話を聞き逃しました。
Could you say that again, please?
もう一度、おっしゃっていただけますか?
Could you speak more slowly?
もう少しゆっくり話していただけますか?
理解できないときに使う表現
理解できないときは、会話の速さが問題なのか、話の内容そのものが問題なのかを切り分けて聞き返しましょう。自分が求める速さや内容に言い直してもらえますよ。
I don’t quite get it.
よく分かりません。
Sorry, but I don’t understand what you said.
すみませんが、おっしゃる意味が分かりません。
I’d like to verify what you just said.
今おっしゃったことを確認させてください。
※verifyは「(合っていることを)確かめる」の意。
Could you be more specific?
もう少し具体的にお願いできますか?
電話のトラブルで使う表現
電話で会話を成立させるのは、意外とハードルが高いもの。表情が分からないぶん、会話の内容もうやむやにできないので、しっかり確認をしておきたいところです。
We got cut off. Sorry about that.
電話が切れてしまいました。すみません。
We have a bad connection.
電波が悪いようです。
I can’t hear you very well.
よく聞こえません。
Sorry, I didn’t catch that.
すみません、聞き取れませんでした。
Could you speak a little louder, please?
もう少し大きな声で、話していただけますか?
I’m sorry, but can I call you back?
すみませんが、かけ直してもよろしいでしょうか?
Can you send me an email confirmation that you have received my documents?
書類を受け取ったら、確認のメールを送っていただけますか?
How do you spell that?
どんなスペルを書きますか?
Can you email me the details?
詳細はメールで送っていただけますか?
※emailは、このように動詞で使われることも多い。また、Can you send me the details by email?でもOK。
誘いを断るときに使う表現
せっかくの誘いを断るのは気が引ける・・・。本当は行きたい気持ちや別の予定があることを示唆して、また次回にぜひとチャンスを残してみるといいですね。
I wish I could, but I have another appointment. Maybe next time.
そうしたいんですが、他の予定があるんです。また次の機会に。
※友人などの近しい人に向けて言う場合は、Sorry, but I already have other plans.でOK。
I’ll take a rain check this time.
次にまた誘ってください。
※take a rain checkは(後日誘いに応じると約束する)の意。
rain checkは(野球などの野外イベントが雨で中止になったときに配る、雨天順延切符)のこと。
謝罪するときに使う表現
とっさの謝罪でよく使われるのが、日本語の「大変失礼しました」にあたるI’m sorry about that.など。簡単な表現を覚えて、きちんとした謝罪には今後の対処などを詳しく付けていきます。
I’m very sorry about that.
大変失礼いたしました。
※It won’t happen again.(以降気を付けます)などを付けるとより丁寧です。
Sorry for the inconvenience.
ご不便をおかけして申し訳ありません。
I’ll make sure it will never happen again.
このようなことは二度とないようにします。
※make sure...は(確実に・・・する)の意。
丁寧に頼むときに使う表現
丁寧にお願いをするときは、I was wondering if you could ~で始めるのがおすすめです。ただ、関係性によっては丁寧なお願いでも I have something I need help with. Would you ~?(ちょっとお願いがあるんですが)のような言い方でも大丈夫です。
I was wondering if you could help me out (with ~).
お手伝いをお願いできますでしょうか?
I was wondering if you could help me with something. Would you be able to help me prepare the material for tomorrow’s presentation?
お手伝いをお願いしたいのですが。明日までに会議資料を用意していただけますか?
とても丁寧に頼むときに使う表現
とても丁寧な表現としては以下のような表現もあります。
I would appreciate it if you would call me by tomorrow .
明日までにお電話いただけましたら幸いです。
丁寧に頼むときに使う表現(少し軽めに)
Could you show me how to replace the toner in the printer?
このプリンターのトナーの交換方法を教えていただけますか?
※Could you show me how to do~?で(~のやり方を教えていただけますか?)の意。
This is urgent. I’d like you to make a decision about this.
至急の用件なので、ご判断いただきたいのですが。
Could I have your opinion on this plan?
この企画にご意見を頂けますか?
I would like to ask you to help me out.
お手伝いをお願いできますか?
Is it possible to ask you to pick me up at the station?
駅に迎えに来ていただくことは可能でしょうか?
まとめ
先日イギリスから帰国しました。子供がロンドンの学校に短期で通っていたのですが、「よくしゃべる日本人はめずらしい!」と言われていました。でも、多分アメリカのクラスに入ったなら、英語力以前にclass participation(授業での発言や貢献)のポイント目当てにどんどん話が進む中では、会話に食い込んでいくのが大変かもな、と思います。ついつい遠慮してしまいがちな日本人ですが、よく分からないときもなんとなく話を流してしまわず、しっかり確認してみましょう。場面に即した言い方だけわきまえたら、意見も質問も遠慮なく。たくさんのフレーズをストックしておくと、臨機応変に使い分けができるようになっていきますよ。
次回は都合を聞いたり、伝えたりするときに役立つ表現をご紹介します。どうぞ、お楽しみに。There’s more to come!
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