スペイン語・英語・日本語トリリンガルの英語コーチであるビルドソラ レネさんが、英語と日本語の違いを理解して瞬時に英文を作れるようになる方法を紹介します。
なぜ言いたいことを瞬時に英語にできないのか?
皆さん、Good to see you again!
英語大学代表のビルドソラ レネです。現在、英語大学という英語コーチングスクールを運営しながら、Jリーグで同時通訳の仕事をさせてもらっています。
今回は、英語コーチとして年間100名以上の指導をしている経験から、多くの方が言いたいことを瞬時に英語にできない理由や、私が同時通訳を行うときに意識していることについてお話しします。皆さんの「英語ストレス」を少しでも和らげることができればと思います。
まず、多くの方が言いたいことを瞬時に英語にできない理由から見ていきましょう。早速ですが、皆さんが下の日本語を英語で伝えたいとしましょう。どのように英訳しますか?
「一昨日、友達と遊んだ」
Thinking time・・・
・・・3・2・1!
恐らく多くの方は、「一昨日は英語でなんて言うんだろう?」「遊ぶ=playでいいのかな?」と、英訳できない単語から考えて、言葉に詰まってしまいます。または、下のような英文が出来上がることが多いです。
The day before yesterday, I played with my friends.
100%合っているとも言えず、なんだかしっくりこない感じですよね。
では、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。それは、「話し言葉をそのまま英語にしようとするから」です。学校や多くの英会話スクールでは、「一語一句正しく訳すこと」を教わることが多いので、このような「直訳癖」がついてしまい、その結果、英語が話せないと思ってしまうのです。
では、どうすればいいのか?詳しく解説していきます。
日本語と英語の違いを把握しよう
英語を話したいと思っている方の多くは、まずは「単語の暗記」や「文法の理解」から手を付けてしまうことが多いのですが、日本語と英語は言語としてとても違うものなので、2つの言語の違いを知ることから始めないといけません。
世界の言語は物事をどのように伝えるかによって、下の図のようにグループ分けされています。
日本語
物事を曖昧に伝え、解釈を聞き手に任せる「ハイコンテクスト文化」に分類されます。直接的な表現を避け、曖昧な表現を好む傾向があります。聞き手は行間を読みながら、話し手の意図を理解することが多いです。
英語
物事を具体的に伝え、解釈が話し手の責任である「ローコンテクスト文化」に分類されます。直接的な表現が多く、話し手がメッセージを具体的に伝えないと、聞き手に意図を理解してもらえません。
直訳癖をなくし、伝わりやすい英語を話せるようになるためには、下の表の日本語と英語の基本的な3つの違いから押さえていきましょう!
日本語の特徴(ハイコンテクスト) | 英語の特徴(ローコンテクスト) |
---|---|
「名詞」を軸に話すことが多いので、主語が明らかにされていない | 「動詞」を軸に話すことが多いので、主語が明らかにされている |
「時期」や「頻度」などは「名詞」で表現することが多い | 「時期」や「頻度」などは「数字」で表現することが多い |
「いつ」「どこで」という情報を伝えなくてもいい | 「いつ」「どこで」という情報を入れた方が伝わりやすい |
また、一般的な会話の中では、日本語では1万単語、英語では3000単語使われるといわれているので、日本語を一語一句訳す必要はありません。一語一句訳してしまうと、逆に曖昧な表現になったり、英語では存在しない表現ができたりして、ミスコミュニケーションが生じてしまいます。
話し言葉ではなく、映像を意識しよう
伝わりやすい英文のポイントは、「日本語の話し言葉」ではなく動作を頭の中で思い出し、「具体的な映像」をそのまま伝えることです。ここでは具体的な映像を伝えるトレーニングをしてみましょう。上の表で紹介した英語の3つの特徴を意識しながら、下の画像を文にしてみてください。
例文1:I had a coffee + with my friends + at Starbucks + the day before yesterday.
(一昨日、スターバックスで友達とお茶をした)例文2:I had a coffee + in Shibuya + with my friends from Highschool + 2 days ago.
(2日前に、高校からの友人と渋谷でお茶をした)例文3:My friends invited me for a coffee + last Saturday + in Shibuya.
(先週の土曜日、友達が渋谷でお茶に誘ってくれた)
映像を伝えるためのポイントは下の4つです。
- 主語を変えてもいい
- 数字で表現してもいい
- 具体的な友達や場所を伝えてもいい
- 主語+動詞の後の追加情報は好きな順番でいい(正解は一つではない)
具体的な映像を伝えるイメージがだんだん付いてきたと思うので、今度は下の写真を英語で伝えてみましょう。
ヒント:誰が+何をした+どこで+誰と+いつ
Thinking time・・・
・・・3・2・1!
下に近い英文ができていれば問題ないです!
例文:I went to a karaoke + in Shinjuku + with my friends + 2 days ago.
(2日前に、新宿で友達とカラオケに行った)
このトレーニングを行ってお気付きだと思いますが、難しい英語は一切使っていません。つまり、中学校で学んだ英語を活用すれば、言いたいことは大体言えるようになります。英語は文化として「共有し合うこと」を大切にするので、上の例文のように具体的に伝えた方が印象が良くなります。
Googleの画像検索で「友達と遊ぶ」などで検索するといろいろな画像が出てくるので、ご自身でもこのトレーニングに挑戦してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。言いたいことを瞬時に英語で言うには、下のポイントを意識してみましょう。
- 日本語と英語の基本的な3つの違いを意識しよう
- 「話し言葉」ではなく、「映像」を意識しよう
- 1つの正解にこだわらないようにしよう
- 中学英語を意識しよう
私は普段、日本人の英語の苦手意識をなくすために、こうしたトレーニングを英語大学で行っています。
Instagramでは、いろいろな英語表現を中学英語だけで表現する方法を配信しています。よかったら覗いてみてください。
Instagramアカウント:english.univ
今回の記事で、少しでも皆さんの英語ストレスを和らげることができたら幸いです。それではまた!See you next time!
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