英検合格を目指したいけど、仕事や家事育児が忙しくてなかなか勉強時間が見つけられない、と悩む人は多いでしょう。今回は、仕事と子育てをしながらも英検1級に合格した英語コーチの星名亜紀さんが、効率的な勉強時間の見つけ方について解説します。
忙しい中でも勉強時間を見つける方法
皆さんこんにちは!英語コーチの星名です。第2回の今回は、学習時間の見つけ方についてお話ししたいと思います。
英語コーチングをしている中でよく聞くのが「時間がありません!」というお悩み。フルタイムの仕事があり家事や育児などをしながら英語学習を続けている方も多いと思います。毎日疲れて帰宅後、少しはゆっくり休みたいですし、休日くらい家族や友人と出掛けたいですよね。
「今日くらいは少しお休みしようかな」がいつの間にか2、3日続き、やらないことがすっかり習慣化してしまう・・・。そんなこともあると思います。英検1級は合格率が約10%しかない大変難易度の高い試験です。合格するためには第1回でお伝えしたように、「覚悟を決めて」毎日学習する習慣を作っていくことが欠かせません。
しかし、英検1級に合格する方が毎日何時間もまとまった時間を作る、もしくは睡眠時間を4、5時間にまで削って修行僧のような生活をしているのかというと、そんなことはありません!合格する方は時間の使い方が非常に上手。私の周りの合格者さんはほとんどがフルタイムの仕事を持ち、育児をしながら、うまく時間のやりくりをして学習を継続し、合格を手にしていらっしゃいます。今回は、忙しい中でも勉強時間を見つけて学習を習慣化するためのヒントをお届けしたいと思います。
優先順位を明確にする
まず大切なことは、「英検学習をする」ということを毎日の生活の中でやることリストのTOP3以内にランクインさせることです。一緒に英語学習のオンラインサロンを運営し、これまでTOEIC L&Rテストで80回以上990点満点を取得している濱崎潤之輔先生と、こんなことをお話ししたことがあります。
星名:先生はお忙しい中、どうやってTOEIC学習の時間を作っているのですか?
濱崎先生:それは簡単です。TOEIC学習の優先順位を上げるだけです。僕の生活の中でのやることTOP3は「ジムでの運動」「愛犬(ふうた)のお世話」そして「TOEIC学習」です。この3つはどんなに忙しくても必ず毎日取り組みます。
そのとき、濱崎先生が80回以上もTOEIC L&Rテストで満点を取っているのはこのような徹底した自己管理があるからなんだなと感じました。
今日やるべきことが10個以上あるとします。するとつい、簡単に終わらせられそうなものや自分が好きなことから始めてしまいませんか?(私はいつもそうでした!)もしやるべきことが10個あるのであれば、その中で優先順位を付けましょう。そして優先順位の高いものから取り組んでいきます。10個全てを完了するのは難しくても、3つであれば、頑張れば終わらせられるはず。そして、英検1級に合格したいのであれば、やることリストのTOP3に「英検学習」をランクインさせましょう。
隙間時間を最大限に活用する
特に平日お仕事をしている方は、まとまった時間を作るのが難しいと思います。そのような場合は、隙間時間を活用して学習時間を捻出しましょう。
「隙間時間」ってよく聞くけど、そんなこと言っても隙間時間をどうやって作り、活用するかがよく分かりません!そんな方はぜひこちらの二つをお試しください。
- やることを具体的に決める
- ハビットトラッカー(習慣を書き留めるチェックリスト)を作る
ここからはこの二つをどうやって活用するか、具体的に紹介したいと思います。
やることを具体的に決める
毎日の生活を振り返ると、意外と何もしていない時間があることに気付きます。「今日は朝の準備が早く終わって5分余裕があるな」「ランチがすいていたから15分、時間ができた!」そんなこと、よくありませんか。しかし、意識していないとその5〜15分はついSNSを見て終わってしまいます。
大切なのは「5分あったら単語帳を開く」「15分あったら長文の精読をする」など、どのくらいの時間があったら何をするかを具体的に決めておくことです。せっかく時間ができても何をするかが決まっていないと、「単語覚えようかな。やっぱり文法問題にしようかな。でもシャドーイングもやらなきゃ」といろいろなテキストをパラパラめくっているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
「○分ある!」と確認したら、決めたものにすぐさま取り組む。
これが隙間時間を上手に活用するためには重要です。
ハビットトラッカーを作る
私は英検1級を目指して学習していたときも、TOEIC満点を目指して勉強していたときも、ハビットトラッカーを作り、自分の学習の「見える化」をしていました。英検1級のための学習と言ってもやることがたくさんあります。
他にもたくさんやることがありますよね。私はシャドーイングや、CNN10やTEDトークを聞くのが好きだったので、毎日の学習記録を視覚化しておかないといつもそれらから取り組み、単語学習や長文読解など苦手なものを残してしまいがちでした。
そこでハビットトラッカーを作り、「今日できたこと」「できなかったこと」を明確化。その日の学習に取り組む前に前日のものを見直すと、「昨日は〇〇ができなかったから、今日はそれから取り組もう」と計画的に取り組むことができるようになりました。
また、ハビットトラッカーを付けていると、後から見直したときに「頑張ってるな〜」と自画自賛できます!モチベーションのキープにも繋がります。逆に、ハビットトラッカーを作ったはいいけどなかなか塗れない!となると、自己嫌悪に陥りモチベーションが下がってしまいます。ですので、項目はなるべく簡単にチェックが付けられるように10〜20分で終わらせられるようなものを複数作るのがおすすめです。
なかなか隙間時間をうまく使いこなせていない方は、ぜひ今回紹介したことを試してみてくださいね。次回は、英検1級を受けると決めたらまず取り組みたいおすすめテキストを紹介します!
星名亜紀さんのその他の記事はこちら
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。