TOEIC満点でも苦戦する英検1級!合格するために大切なこととは?【英検1級への道】

「TOEICでは高得点が取れるのに、英検1級にはなかなか合格できない」「面接はレベルが高くて、合格できる自信がない」。そんな悩みをお持ちの方もいるのでは?本連載では、TOEIC満点でも英検1級受験には苦戦したという英語コーチの星名亜紀さんが、ご自身の経験を基に、英検1級取得に向けた勉強法などを解説します。

はじめに

皆さんこんにちは!英語コーチの星名亜紀です。これまでもTOEIC L&Rテスト満点コーチとして、ENGLISH JOURNAL ONLINEでTOEIC学習に関する連載をしたことはありますが、今回は初の英検学習に関してのコラム!皆さんに私の経験をシェアできる機会をいただき大変うれしく思っています。

今回の連載では、「仕事と育児をしながらどのように学習時間を確保したのか」「英検1級対策おすすめテキスト」「私が実践した学習法」「私の失敗とそこからの学び」「TOEIC L&Rテストとの違いと、英検学習をして良かったこと」などを紹介していく予定です。現在英検1級合格に向けて学習中の方だけでなく、将来受けるかもしれない英語中・上級者の方、英語4技能を伸ばしたい、使える英語力を身に付けたいと思っている学習者の方はぜひ最後までお付き合いください。

第1回の今回は、私の簡単な自己紹介、TOEIC L&Rテストで満点を取った後、なぜ英検を受験することにしたのか、そして英検1級に合格するための大切なことについてお話ししたいと思います。

はじめまして、英語コーチ星名です!

改めまして、私は英語コーチをしている星名亜紀と申します。2022年8月から8歳の娘を連れて、念願のアメリカ親子留学をしています。生まれは静岡の海の綺麗な田舎町。英検の面接対策では毎日のように徒歩5分のところにあるビーチに行ってスピーチの練習をしていましたが、今はラスベガスという砂漠に住んでおり、海が懐かしくて仕方ない毎日を過ごしています!

大学卒業後は客室乗務員としてANAに入社。その後は東京の外資系企業で秘書や受付の仕事をしていましたが、出産を機に退職。そして、娘が1歳半の頃に離婚し、故郷の静岡へ戻ることに。なかなか英語を使ったやりがいを感じる仕事が見つからずに、「それなら自分で始めよう!」と、英語コーチとして起業しました。

これまでTOEICスコアでいうと300点台から900点台まで、年齢も専門学校の学生から客室乗務員を目指す社会人、育児休暇中にスキルアップを目指すママさん、定年退職をして英語の学び直しをしている方など、さまざまな方を指導してきました。私は英語の先生、コーチという立場ではありますが、勉強するほどに英語の難しさと奥深さを感じており、私も皆さんと同じ「一学習者」としての立場を大切にしています

英検1級に挑戦することを決めた思い

英検1級に挑戦しようと決めた当時も、私は英語コーチとして活動していましたが、生徒のほとんどがTOEIC学習者でした。なので、英検受験の必要性に迫られていたわけではありません。しかし、なぜ英検を受けることにしたのか。それは「もう一度何かに挑戦しよう」と思ったからです。

TOEIC L&Rテストの満点を目指して毎日学習をしていたとき、会社員と英語コーチの仕事をしながらシングルマザーとして育児もしなくてはならず、時間に余裕があったわけでは全くありません。しかし、なんとか時間をやりくりし、娘を寝かしつけたら夜10時から12時は自分の学習タイム。学生のときにはなかなか気付くことのできない「学びに時間やお金を費やせるということのありがたさ」を感じていました。当時は、娘が早めに寝てくれると少しでも自分の学びの時間が増えることがすごくうれしかったのを覚えています。

そして、少しずつでも英語力が成長していくことの実感、ついに目標のTOEIC満点を達成したときの喜びと充実感。「頑張ったらできる!」という成功体験がもたらしてくれる自己肯定感のアップ。あの気持ちをもう一度味わいたいと思っていました。また、生徒さんたちがTOEIC目標スコアに向けて毎日努力する姿に刺激を受け、私ももう一度新しい目標に向かって挑戦したいと思うようになり、英検1級を受験することに決めました。

英検に合格したい!と思ったら大切なこと

英検1級は簡単に合格できる試験ではありません。だから、「合格したい!」と決めたら、覚悟を決めることがとても大切です。

私は2019年12月に英検1級を受けることを決め、2020年6月の初受験で1次合格。1回目の2次試験は惨敗しましたが、2回目に受けた11月の試験で合格することができました。と書くと、それなりにサクッと合格できたように聞こえますが、実はそれより5年ほど前に挑戦しようと思ったものの、歯が立たなくてそそくさと逃げ出したことがあります

TOEICでは既に800点後半のスコアを取れており、「英検も挑戦するなら一番難しい1級でしょ!」と準1級を飛ばして受けようと思い、単語帳を購入。しかし、単語帳が届いて1ページ目を開いてびっくり。そこに掲載されている単語の9割以上を知らなかったのです。

永遠に続く知らない単語・・・。軽い気持ちで受けようと思った私はすっかりやる気を失って「こんなの勉強する時間はないし、英検1級の単語なんてネイティブも使わないような難しい単語ばかりって聞くし、やめよう!」とすぐに逃げ出したのでした(ちなみに、英検1級の単語を勉強して分かったことは、ネイティブが普通に使う単語が満載だということです。ニュースを聞いても、洋書を読んでも、英検1級で学んだ単語に頻繁に出くわします!)。

そのときと今回を比べてみて一番の違いは、「覚悟」だったと感じています。今回は既に英語コーチとして活動をしており、私のことを頼りにしてくれる生徒さんもいました。SNSで発信をする中で「あきさんの学び続ける姿に勇気をもらっています」とコメントをくださるフォロワーさんもいました。TOEIC受験のときからそうですが、私は英語コーチとして、私の表面だけではなく葛藤や苦労、失敗からの学びも共有していきたいと思っています。

だから、英検1級を受けるならSNSでちゃんと宣言しようと思いました。そして、宣言したからには途中で投げ出すなんてできないと覚悟を決めて、毎日のやることリストのトップ3に英検学習を持ってきました。忙しい中で、英語学習のための時間を作ることは簡単ではありません。しかし、絶対受かるという覚悟があれば、そのための学習時間を作ることは可能です。海外ドラマを見たり、SNSを眺めたり、友達とランチやお茶に頻繁に出かけるなどの余裕はないはず。その代わり、少しの隙間時間があれば、「単語帳を開こう」「シャドーイングをやろう」と貪欲に取り組むことができるはずです。

英検1級の合格に向けた勉強をすれば確実に英語力はアップしますし、合格すれば将来のキャリアの可能性も広がります。挑戦したいという思いがある方は、ぜひ覚悟を決めて英検1級の受験に取り組んでみてはいかがでしょうか。次回は、忙しい中でも学習時間を確保するヒントをお届けしたいと思います。

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星名亜紀
星名亜紀

英語コーチ、TOEIC講師。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。また、濱崎潤之輔先生と一緒に「濱崎・星名 英語学習研究所」オンラインサロンを開講中。TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。Instagram:@hoshina_aki

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