【レベル別】時事英語を学ぶならこのメディア!ニュース翻訳者のおすすめ7つ

海外の最新状況や注目の話題を知ることができる英語のニュース。「チャレンジしたいけれど、内容についていけない」という方に向けて、ニュース翻訳者の松丸さとみさんが「時事英語の楽しみ方」を紹介します!今回は英語学習者におすすめのメディアについてです。

どのニュースメディアで英語を学べばいい?

前回は、英語でニュースを読む際のポイントをお伝えしました。

▼前回の記事はこちら!

今回は具体的に、ニュースで英語を学ぶメリットや、活用できるおすすめメディアを取り上げます!

ニュースで英語を学ぶメリット

英会話に生かせる

ニュースで英語を学ぶメリットはいろいろありますが、1つに、学習する過程で知ったニュースをそのまま、英語スピーカーとの会話に生かせるという点があります。身の回りの狭い世界についてしか話せなかった人も、時事ネタに話題を広げられますよ。

世界共通のニュースで英語力アップ

また、今は新型コロナウイルスという問題を世界が 同時に 抱えています。これはある意味、英語学習者にとってはsilver lining (よくない状況の中にある光明)とも言える状況です。

日本の報道でも英語圏の報道でも、新型コロナ に関して 同じような問題が報じられています。

例えば、2020年に日本でトイレットペーパーの買いだめが起きたのを覚えていますか?これは海外でも起きました。スーパーの棚が空っぽになった画像と共に「toilet paper hoarding」という言葉が紙面に踊っていれば、この英語表現を知らなくても、トイレットペーパーの買いだめだと想像できます。

ほかにも、variant(変異株)、 underlying health conditions(基礎疾患)、 herd immunity(集団免疫)、COVID cases(新型コロナ感染者数)など、英語の教科書には載っていないような言葉も、時事を知っていれば、辞書で調べなくても理解できます。

インターネットのおかげで、海外ニュースは動画、音声、文字など好きな形で手軽に手に入るようになりました。これを英語力アップに活用しない手はありません!

▼下記の記事では、コロナ関連の英語ニュースを紹介しています。

ej.alc.co.jp ej.alc.co.jp

【レベル別】英語学習におすすめのメディア

では具体的に、レベル別におすすめのメディアをご紹介します。

初心者には英語学習者向けニュースがおすすめ

まずは「英語のニュース」に慣れましょう。そして徐々に語彙を増やしていきます。好きな話題や関心のある分野(スポーツ、芸能、映画、仕事に関する話など)に絞ると取り組みやすいですよ。

Voice of America (VOA) Learning English

Voice of America - Learn American English with VOA Learning English

こちらは、アメリカの国営放送(VOA)による、英語を母国語としない人向けのサイト「Learning English」です。初級、中級、上級とレベルごとに、時事に関する音声コンテンツとスクリプトが用意されているほか、英語力をテストできるコーナーもあります。

VOAの通常のニュースのページ でも、動画の速度を選んでニュースを視聴できます。「速すぎて聞き取れない!」という人は、ぜひスピードを変えて挑戦してみてください。

BBC Learning English

BBC Learning English - BBC Learning English - Homepage

イギリス公共放送(BBC)による、英語学習者向けのニュースぺージです。動画とスクリプトがあるほか、ポイントとなる単語と意味が紹介されています。

中級者はタブロイド紙も読んでみよう

前回の記事 でお伝えしたとおり、タブロイド(大衆紙)では難しい話題の背景が説明されることが多いうえ、高級紙にありがちな回りくどくて難解な言い回しがほとんど出てきません。 ただし 、下世話な話題が多いという点は注意が必要です。

Daily Mail

UK Home | Daily Mail Online

イギリスの大衆紙ですが、アメリカ版、オーストラリア版も同じサイト内(アプリ内)で読むことができ、便利です。美容や健康、芸能情報などが豊富なので、娯楽としても楽しめます。“Femail”(女性のfemaleとDaily Mailのmailをかけ合わせた言葉)という女性向けのページもありますよ。

The Sun

News, sport, celebrities and gossip | The Sun

タブロイドの代名詞とも言えるのがザ・サン紙。非常にわかりやすい言葉で書かれています。 ただし 、“Sun reader”(サン紙読者)といえば、「右寄りの思想が強い、文化的な物事にあまり関心を持たない人に対する軽蔑的な表現。サン紙読者の典型とされている」という定義が辞書に載っているほど *1 ネガティブなイメージがある、という点は念頭に置いてください。あくまでも英語でニュースを読む勉強の一環で使う、と割り切るようにしましょう。

Reuters

Dozens missing after Miami condo collapses | Reuters Video

動画を見ながら音声を文字起こし( dictation )する練習は、リスニング力や語彙力の 強化 にぴったりです。

特に大手通信社ロイターの動画では、クローズドキャプション(CC)といって、英語字幕の表示・非表示を選べるので、活用しましょう。

まずは非表示で動画を流し、音声を書き取っていきます(動画がどんどん流れてしまうので、停止ボタンを使いながら進めます)。聞き取れないところは何度も繰り返すとわかることもあるので、簡単にあきらめないで!

終わったら、CCを表示させて答え合わせをします。「知らない単語は聞き取れない」ことを実感でき、語彙力 強化 につながりますよ。反対に、「知らない単語だけど音は聞き取れる」という場合は、音からスペルを想像して辞書を引くと、スペル力 強化 になります。

上級者は知識層向けにチャレンジ

普通のニュースをだいぶ読みこなせるようになったら、今度は知識層向けのメディアを読んでみましょう!

The Wall Street Journal

The Wall Street Journal - Breaking News, Business, Financial & Economic News, World News and Video

アメリカ最大規模の発行部数を誇る経済新聞です。日本語版もあるので、日英を比較して難しい単語や言い回しの理解に活用することができます(すべての記事が日本語訳されているわけではありません)。

これまでご紹介してきたサイトとは異なり有料ですが、毎日新聞のデジタル版を 契約 している人なら、追加料金なしでThe Wall Street Journal(日英版両方)も読めるので超お得です(回し者ではありません)。

Guardian ">The Guardian

News, sport and opinion from the Guardian's global edition | The Guardian

無料で読める高級紙です。労働党支持者の読者が多いと言われています。難しい単語や言い回しを好んで使うため、英語力が高い人でも、慣れるまでサクサク読むのは難しいと感じるかもしれません。なお、このような無料のニュースメディアは、広告収入で支えられているケースがほとんどです。そのため、広告ブロッカーなどは外して閲覧しましょう。

政治スタンスに留意して英語ニュースを楽しもう

今回ご紹介したニュースメディアは、英語学習という視点から選びました。とはいえ、それぞれの報道がどの政治スタンスによるものか、という点は留意する必要があります。特に世界のニュース に関して は、さまざまなメディアを読み、広い視点を得ることが大切だというのが私の考えです。

各メディアからのニュースを、政治スタンスごとに伝えるサイト「 AllSides 」は、各メディアの政治スタンスをリベラル(Left)、リベラル寄り(Lean Left)、センター(Center)、保守寄り(Lean Right )、保守( Right )の5つに分類しています。ぜひ参考にしてください。

なお、回ご紹介したサイトはすべて、モバイル・アプリもあります。スマホに入れて手軽に最新ニュースをチェックしながら、英語力を磨いてくださいね。

第3回は2021年8月11日(水)公開予定!

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ej.alc.co.jp ej.alc.co.jp





松丸さとみ フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 (日経BP)、 『限界を乗り超える最強の心身』 (CCCメディアハウス)、 『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』 (サンマーク出版)などがある。
Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp

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