小学校から大学まで、日本とアメリカの「学年」の数え方

北九州市立大学准教授であり、言語学者でもあるアメリカ人のアンちゃんが、「日本人がよく間違える」英語の表現を解説するコラム。知っているようで意外と知らない英語の表現を楽しく学びましょう。今回は、小学校から大学まで、英語での学年の数え方を紹介します。

今日のトピック 日本とアメリカで違う、数の数え方

アメリカと日本では、いろいろなライフイベントの呼び方や数え方が違います。

代表的なのが、学校です。通っている年数は一緒ですが、数え方が違うバイ。学年の呼び方、自分の年齢の言い方、妊娠の期間の数え方など、面白いことに全部違います。

私はずっと日本に在住しているアメリカ人だから、日はその違いについて語りたくてたまらん。バリバリ面白いバイ!

大学の学年の呼び方の違い

私が教えている大学生たちは、自分の学年の英語での言い方をよく間違えます。

具体的には、I’m in the first grade.と言うのですが、これは「小学一年生」という意味になってしまいます。だから大学一年生の意味で言ってしまうと恥ずかしいバイ(笑)。

小学生から高校生までは、一年生、二年生、三年生をそれぞれ、1st grade、 2nd grade、 3rd gradeと呼びますが、大学ではgradeは使わず、下の2つの呼び方を使います。

大学一年生:freshman (1st year)
大学二年生:sophomore (2nd year)
大学三年生:junior (3rd year)
大学四年生:senior (4th year)

文を見てみましょう。

My son is a sophomore in college. 
私の息子は大学二年生です。

My son is in his second year of college. と言ってもOKです。

I got married when I was a senior in college.
私は大学四年生のときに結婚しました。

I got married during my fourth year of college.と言っても伝わると思いますが、これはちょっと不自然な感じがします。

During my first year of college, I gained 20 kilos.
大学一年生のときに、20キロ太った。

これも、During my freshman year of college, I gained 20 kilos.と言うこともできます。

このように、大学の学年の呼び方はfreshmanでもいいし、first yearでもいいけど、gradeとは絶対に言わないでね!

ちなみに、「大学」の英語と言えば、collegeとuniversityを習ったと思いますが、その違いが何か知っていますか?

実は、在校生の人数と学位の違いがあります。

Universityは学士号、修士号、博士号などの大学院課程があり、規模が大きく、ほとんどのcollegeは大学院課程がなく、規模が小さいことが多いです。ただ、いつもそうとは限りません。

アメリカのBoston Collegeや、Dartmouth Collegeなどは、universityの条件を満たしていて、universityに名前を変えてもいいけれど、伝統があるので変えていないようです。基本的に、universityの方が一流だと思われているけど、伝統的な大学はcollegeであることにプライドがあるから、名前をそのままにしています。

ただ、「卒業したら、大学に行きたい!」というときはたいてい、"After I graduate, I am going to college." と言い、"I am going to university." とはあまり言わないバイ。

小学校から高校の学年の呼び方

アメリカと日本の小学校から高校までの学年の呼び方も違います。

小学校から高校までgradeを使うと話しましたが、小学一年生は1st gradeで、高校三年生は12th gradeと呼び、小学○年生、高校○年生、のような呼び方はありません

また、日本では小学校は6年制、中学校は3年制、高校は3年制と決まっていますが、アメリカは町によって変わります。例えば、私の住んでいた町では、1年生から4年生が小学校、5年生から7年生が中学校、8年生から12年生が高校の扱いでした。面白いやろう?だから、日本人に私の小さいときや学校のことの話をする場合は、日本で言うところの学年を考えてから話しています(笑)。

私の高校は私の卒業後、五年制から四年制に変わりました。成熟度を考えると中学二年生と高校三年生が同じ学校なのは、無理があったみたいです。

学年別の呼び方一覧

小学校から大学までの学年の呼び方をまとめました。

日本語英語
小学一年生1st grade
小学二年生2nd grade
小学三年生3rd grade
小学四年生4th grade
小学五年生5th grade
小学六年生6th grade
中学一年生7th grade
中学二年生8th grade
中学三年生9th grade (freshman)
高校一年生10th grade (sophomore)
高校二年生11th grade (junior)
高校三年生12th grade (senior)
大学一年生freshman (1st year)
大学二年生sophomore (2nd year)
大学三年生junior (3rd year)
大学四年生senior (4th year)

freshman、sophomore、junior、senior は高校と大学しか使わない表現です。

年齢を説明するときの違い

最近、面白いことに気づいた!

日本人に、「息子さんは何歳ですか?」と尋ねたら、「中学二年生です」などと学年で答える人が多いです。でも、アメリカ人に同じ質問をしたら、「14歳です」と年齢で答えます。面白くない?何でなんやろう?

それからもう1つ面白いことに気づいたバイ。それは、日本人が学年を考慮した年齢を言うことです。同じ40歳でも、学年が1つ上とか1つ下とか気にするから、仮に8月が誕生日の今40歳の女性が、3月に誰かに「何歳?」って聞かれたら、「8月で41歳です」と答える感じです。

あるとき、友達は「来年42歳です」と答えた。「ちょっと待って。何でそんなに早く42歳になりたいと?」と思ったバイ!

アメリカ人は逆です。5月21日の生まれの44歳のアンちゃんは、来年の5月21日の23時59分まで、「44歳」と答えるバイ。間違いない!ほとんどのアメリカ人は絶対に同じことをすると思います。

妊娠の時期の数え方の違い

最後に、妊娠の時期の数え方です。

アメリカで、「妊娠、何カ月ですか?」と聞きます。でも日本では、月と週の両方使うので、「妊娠、何週ですか」と聞かれることが多いです。私はずっと、「23週って一体何カ月のことなの?」とよくわからなかったし、今も正直あまり慣れません。

しかも、日本の妊娠はアメリカの妊娠より長い!日本の赤ちゃんは10カ月で生まれるけど、アメリカの赤ちゃんは9カ月で生まれます!本当は妊娠の時期は一緒だけど、数え方だけが違うので、日本の方が1カ月長いかのように見えます。

まとめ

文化によって、いろいろな呼び方や数え方が変わってきます。私の心は、90パーセント日本人だけど、やっぱり5月20日の23時59分まで44歳のアンちゃんは、バリバリアメリカ人バイ!いや、ちょっと待って。アメリカの22:51に生まれたから、時差を考えたら、来年の5月22日の23:51まで、「私は44歳です」って言える(笑)。

いろいろな数の数え方はマスターできましたか?これからも英語の勉強をがんばってね!

アン・クレシーニ
アン・クレシーニ

アメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。著書に『アンちゃんの日本が好きすぎてたまらんバイ!』(合同会社リボンシップ)。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページも更新中! 写真:リズ・クレシーニ

編集:末次志帆

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