日本に長く暮らし、北九州市立大学准教授で言語学者でもあるアメリカ人のアンちゃんが、英語に訳しにくい日本語を題材に例文や英訳ポイントを紹介します。「あの日本語、英語でどう訳す?」いろいろな表現を一緒に考えてみましょう。
日本語のオノマトペは難しい!
私が日本に来て18年経ちます。今は日本語が流暢に話せるようになり、まぁまぁ面白い文章も書けるようになりました(笑)。
けれど、漢字、敬語、オノマトペの3つは、未だに私を困らせることがあるバイ!
漢字はそれなりに読み書きができるから、普段生活する上ではそこまで困ることはありませんが、この間は「麻疹(はしか)」がわからなかった!日本人でも、読むことはできても、書くことができない漢字は多くない?アメリカにいる間にアメリカに住む日本人の友だち何人かに、「『稼ぐ』という漢字を書ける?」と聞いたら、ほとんどの人が書けませんでした。
敬語も大変です。尊敬語、謙譲語、丁寧語といろいろ種類があってやっかいです。やっと、ちょっとだけ自信が付いてきたけど、まだまだ使いこなせてないバイ。自分が敬語を勉強しているから、日々おかしい敬語のフレーズが気になっています。
例えば、コンビニなどで「2000円からお預かりします」とか、レストランで「パンになります」とか言うよね?「パンになる前、なんやった?」と聞いてみようかと思うけど、言ったことはありません(笑)。
そして、オノマトペ。これは、一番アンちゃんを困らせる日本語です。日本語には、数えきれないほどのオノマトペがあります。もしかしたら日本人は、オノマトペだけで会話ができるかもしれない!とよく思います。でも、失敗例も(笑)。
私の友だちはパン教室の先生なのですが、ある日、生徒たちに「卵液は、ドバッじゃなくて、しれーっと、塗ってね」と言ったら、生徒さんから、「先生すみません。わかりません」と言われたそうです(笑)。
オノマトペには、下の5つの種類があると言われています。
- 擬声語(動物と人間が出す音)
- 擬音語(自然と物が出す音)
- 擬態語(状態を表す音)
- 擬容語(動きを表す音)
- 擬情語(感情を表す音)
英語には日本語ほどオノマトペがないから、英語が母国語の人は本当に困るバイ!でも、英語にないことはないから、今日はできるだけ、感情にまつわるオノマトペをとりあげたいと思います。さて、始めよう!
1. ドキドキ
英語で、「胸がドキドキする」と言いたいとき、言い方はものすごくたくさんあります。
My heart is pounding.
My heart is beating fast.
My heart is beating out of my chest.
などでもいいし、もっと簡単に、
I’m so nervous!
でもいいです。
バリバリカッコいい人に出会ったら、ドキドキするやろう?そういうときにピッタリな、
Be still my beating heart!
まだ心臓ドキドキしてる!
という慣用句なんかもあります。(たまに、皮肉っぽく「退屈、つまらない」などの意味で使うこともありますが、良い意味でもよく使います。)
上で紹介した表現を応用した例文をいくつか紹介しましょう。
明日から新しいバイトが始まる。ドキドキ。
I am so nervous about starting a new part-time job tomorrow.
昨日キムタクをちらっと見ました。ドキドキした!
I got a glimpse of Takuya Kimura yesterday! Be still my beating heart!
私はあと5分でテレビに生出演する。超ドキドキ。
I am going to be on live TV in 5 minutes. My heart is beating out of my chest.
2. ワクワク
英語では、「ワクワクする」に当てはまるオノマトペもないから、I’m so excited! や I can’t wait. を使うといいですよ。
I can’t wait. は直訳すると「待ちきれない」なんだけど、「ワクワクする」のニュアンスが入っています。
例文を見てみましょう。
明日、彼氏と結婚する。超ワクワクしている。
I am getting married to my boyfriend tomorrow. I totally can’t wait!
来月アメリカ留学に行ってきます!バリバリワクワクしている。
I’m leaving to study abroad in America next month. I am so excited!
3. ブルブル
「ブルブルする」は英語で to shake、to tremble、to shiver などと言います。
場合によって、使い方が変わるバイ。
例えば、寒くて死にそうなときには、shiver を使います。日本語の「ブルブル」と似ている表現もあります。それは、Brrr! で、寒さを表す表現です。日本語の「ブルブル」はもしかして、Brrr! から来たのかな?逆?日本語の方が先?わからないけど、とにかく、似ていて面白い!
怖くて震えるときには、to shake、to tremble を使います。よく使う表現は、I’m shaking with fear. です。
例文を見てみましょう。
ホラー映画を見ている間、ずっとブルブルしていた。
While I was watching that horror movie, I was shaking with fear the whole time.
あの先生はすごい怖いから、ブルブルする。
That teacher is so scary she has me shaking with fear.
もう1つ、I’m shaking like a leaf. という慣用句もあります。
昨日幽霊を見たから、今まだ怖くてブルブルしている。
I saw a ghost yesterday, and I am still shaking like a leaf.
4. ニコニコ
英語で「ニコニコする」は、to smile、to grin と言います。
でも個人的には日本語の「ニコニコ」のほうが幸せな気分が出ているような気がして好きです。
例文を見てみましょう。
彼女ができて、彼はずっと一日中バリニコニコしている。
He just got a girlfriend, so he’s had a big grin on his face all day long.
お父さんが仕事から早く帰ってきたから、娘は機嫌がよく、ニコニコしている。
Her daddy came home from work early today, so my daughter has been smiling and in a good mood since.
5. プンプン/カンカン
この日本語はバリバリ強い感じがするね!私は絶対にプンプンと怒られたくないなぁ。英語では、to be furious、to scold、to get really angry などと言います。furious は angry より怒りのレベルは上なので、「カンカン」でも良いかもしれません。
例文を見てみましょう。
こっそりゲームを取ったから、お母さんはプンプンしている。
I was sneaky and took the computer games, so my mom was really angry at me.
会社で大きなミスしたから、上司はカンカンだ。
I made a huge mistake at work, so my boss was furious at me.
いろんな慣用句があります。例えば、
to be hot
to fly off the handle
to fly through the roof
今度めっちゃ怒ったときに、使ってみてね。
6. モヤモヤ
「モヤモヤする」に当てはまる英語のオノマトペはないけれど、to feel gloomy、to feel depressed、to feel down、to be sad などで言い表すことができます。なんか悲しい、なんかダウンしているけど原因がはっきりわからない、というような感じですよね。
気持ちではなく、天気などがモヤっとしているときは、to be hazy、to be foggy、to be fuzzy と言います。
英語で「今日はなんかモヤモヤしている」は、こんな言い方がいいと思います。
I am not really sure why, but I feel so gloomy today.
For some reason, I am down today.
Not 100 percent sure why, but I am feeling kind of depressed today.
7. ソワソワ
ちょっと前に、ハンドスピナーというおもちゃが相当はやったやろう?ハンドスピナーは英語で fidget spinner と言いますが、fidget は「ソワソワする」の意味です。そもそも、ハンドスピナーは、ソワソワしてしまう子どものために作られたそうです。
他には、to feel uneasy、to feel restless、to be nervous などがあります。
例文を見てみましょう。
明日大事な試験があるので、すごくソワソワしている。
I have a big test tomorrow, so I am so nervous. I can’t relax.
とても楽しみで、ソワソワしている。
I'm restless because I'm so excited.
解雇されるかどうかわからないので、ソワソワしている。
I am not sure if I will get fired or not, so I feel so uneasy.
8. めそめそ
「めそめそする」は英語で、to weep、to cry などと言います。to sob とも言うけど、これは弱々しく泣くことだけでなく、激しく泣く意味でも使います。
例文を見てみましょう。
息子はお父さんに叱られてめそめそした。
My son cried softly when his dad got mad at him.
彼に振られて、めそめそしながら寝てしまった。
I cried myself to sleep when my boyfriend dumped me.
子どもが些細なことで泣いたときに、親が「そんなことでめそめそしないの」と言う場合、英語で言うなら、Don’t cry over every little thing. と言うとニュアンスが近いと思います。
9. おろおろ
英語では、「おろおろする」は、to be flustered、to be shaken up、to be frazzled と言います。どうしたらいいかわからないときや、困っているときに使う表現です。
例文を見てみましょう。
仕事を失ったとき、しばらくおろおろしていた。
After I lost my job, I was shaken up for a while.
することが多すぎて、おろおろしている。どこから始めたらいいか、わからない。
I'm frazzled because I have so much to do. I have no idea where to start.
慣用句っぽい言い方には、to be in a tizzy があります。
今日、彼女は10人の子どもの面倒を見ている。相当おろおろしている。
She is taking care of ten kids today, so she is in a tizzy.
まとめ
この記事を書いている間にちょっとワクワクしてきた!
ずっと私をクラクラさせてきたオノマトペが、どんどん楽しくなってきているバイ!オノマトペをもっと勉強しようと思います。今までオノマトペがわからなすぎて、おろおろしてばかりやったけど、これからニコニコしながら使ってみたいな!
これからしばらくオノマトペシリーズを書くけん、モヤモヤせんでね!英語の勉強、がんばろう!
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