日本に在住して18年。北九州市立大学准教授であり、言語学者でもあるアメリカ人のアンちゃんが、英語に訳しにくいオノマトペを題材に例文や英訳ポイントを紹介します。「あの日本語、英語でどう訳す?」いろいろな表現を一緒に考えてみましょう。
目次
今日のテーマ「擬態語」のオノマトペ
オノマトペとは、「ドキドキ」「わくわく」など音や声、状態や動きなどを音で表した語のことです。連載1回目で、オノマトペは下の5つのカテゴリーに分けられるとお伝えしました。
- 擬声語(動物と人間が出す音)
- 擬音語(自然と物が出す音)
- 擬態語(状態を表す音)
- 擬容語(動きを表す音)
- 擬情語(感情を表す音)
この連載を始めてから、私はオノマトペに敏感になっているから、ほぼ毎日新しい発見があります。
私が勤める大学では、英語も日本語もペラペラに話せる言語学者に囲まれているから、よく昼休みや休憩の時間にオノマトペについて話します。
私がいつも悩むのは、オノマトペの後にくるのは何か?と言うことです。です?します?しています?それとも、痛む、輝く、鳴くなどの動詞?などがよくわからないのです。
今回は、同僚に「さらさら」というオノマトペについて尋ねました。
「ねえ、『さらさら』って、さらさらです、さらさらしています、どっちなの?」
彼は、「どっちも使うけど、話している今現在『髪の毛がバリバリさらさらやね!』と思って使いたいなら、『さらさらです』だけど、いつもさらさらだと思っているなら、『しています』」と言いました。
なるほど。ずっと悩んでいたことは解決された!やった!やっぱり、この連載してよかった。
今日は、英語の擬態語を教えていきたいと思います。さあ、始めよう!
1. キラキラ輝く(twinkle)
私の次女は歌が大好きです。よく姉妹たちとのど自慢大会をしているのですが、彼女はなぜか必ず「きらきら星」を歌います(笑)。アメリカでもこの歌は誰もが知っているバイ!英語では、『Twinkle, Twinkle, Little Star』と言います。
例文を見てみましょう。
あの星は夜空でキラキラ輝いている。
That star is twinkling in the night sky.
他にも「キラキラ」の使い方があります。例えば、ダイヤモンド。
彼女のダイヤモンドリングはバリバリキラキラと輝いている!
Her diamond ring sparkles like crazy!
プレゼントを開けたとき、娘の目はキラキラと輝いていた。
When my daughter opened her present, her eyes were glittering (sparkling).
つまり、「キラキラと輝く」「キラキラと光る」を英語でいうと、twinkle、glitter、sparkle です。
2. つるつるする(slippery)
私は、中学生の頃に足を骨折しました。6週間のギプスと松葉づえ生活に慣れすぎて、中学校の廊下ではよくスピード違反で捕まりました(笑)。「松葉づえでそんなスピードで走ったら危ないでしょ!」と先生に怒られたものです。
しかし、雨の日は絶対にスピードを落とさないといけませんでした。なぜかというと、松葉づえの先に付いていたゴムの滑り止めが、雨の日にはバリ滑るから!何回も転倒しそうになったことを覚えています。
そんな「つるつる」は英語で、slippery と言います。
雨がたくさん降ったから、地面がめっちゃつるつるしている。気をつけてね。
It rained a ton, so the ground is really slippery. Be careful, OK?
他の「つるつる」の例も見てみましょう。
私のお父さんははげているから、頭がつるつるだ。
My Dad is bald, so his head is so smooth.
温泉から上がったら、肌はつるつるだった。
My skin was so smooth when I got out of the hot spring.
こんな風に肌がつるつるしている場合は smooth で表現できます。
3. さらっとしている(silky、feel good)
初めてこの表現を聞いたとき、「ああ!わかる!けど、英語にない!」と思いました。日本語で、「このシャツはさらっとして着心地がいい」と言うと、レーヨンみたいな生地で、肌にペタペタ(またオノマトペ!)くっつかないという意味ですよね。ペタペタしないことを、This shirt doesn’t stick to my skin. のように表現してもいいと思うけど、あまり日常生活に出てくるような表現じゃないバイ。
一番アメリカ人が言うのは、
This shirt feels so good!
This shirt feels great!
ですね!それから、最初にも出てきたさらっとしているの親戚「さらさら」。
世界中の女性は誰でも、「わあ!髪の毛がさらさらだね!」と言われたら、喜ぶでしょう?
私の長女はさらさらの髪の毛に憧れていて、「ね、ママ見て。前髪が伸びたバイ」とほぼ毎日言いに来ます。だから私は「髪の毛は伸びるもんだよ!」と返すけど、毎回「さらさらだね」と言ってほしい彼女は、私のジョークが気に入らん(笑)。とにかく、「さらさら」は英語でこう言います。
髪の毛がさらさらだね!
Your hair is so silky!
この日焼け止めは、さらっとしたつけ心地だ。
This sunscreen makes my skin feel so smooth.
4. ぐちゃぐちゃにする(make a mess)
料理や絵の具など、子どもが何かを混ぜるとき、必ずと言っていいほどぐちゃぐちゃになります。これは英語で、He mixes the paint sloppily. とか、もっと自然な言い方であれば、
子どもたちが絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜる。
My kids make a mess when they mix the paint.
この “make a mess” は、英語でよく使います。
私の子どもたちはいつもお互いに、「ぐちゃぐちゃにしないで!」と言い合っています。これを英語で言うなら、Don’t make a mess! がいいと思います。
ちなみに、果物が熟れすぎてぐちゃぐちゃだ、というときには、squishy を使います。
あの桃はおいしくない。ぐちゃぐちゃに熟れすぎている。
That peach isn’t good at all. It is way too squishy.
5. かちかちになる(get hard)
数年前に、友達が新しい家を建てました。日本の伝統的な上棟式では、屋根から餅投げをしたバイ!その日は風がバリ強かったので、ちょっと危険だなぁ!と思いました。特にバリでかい餅。もし次の日にもあの餅が投げられていたら、硬すぎて痛かったかも。
餅はすぐかちかちになるけん、早めに食べてね!
The rice cakes will get hard soon, so eat them quickly.
他にも「頑固者」のような意味で使いたいときは、
彼の頭はかちかちだ。
He is so stubborn.
もうちょっとネガティブなニュアンスなら、hard-headed、obstinate などと言ったりします。
6. ごわごわする(to be stiff)
「髪の毛がごわごわする!」って言いますよね。英語で一番ぴったりくる表現は、stiff です。
コンディショナーを使わなかったから、髪の毛がごわごわしている。
My hair feels stiff and hard because I didn’t use conditioner.
タオルを外で干したから、ごわごわ(ガチガチ)になった。
I hung the towel outside to dry, so it was stiff as a board.
“as stiff as a board” は、ガチガチやごわごわを表す慣用句です。
ある日友達が外でタオルを干した。乾いたから娘さんがお風呂上がりで使ったら、すり傷ができそうなくらいごわごわだったんだって(笑)。タオルでけがなんて面白くない?
7. ぶかぶか(baggy)
何年か前に、アメリカののど自慢みたいな番組に面白いおじさんが出ていました。彼は、「ぶかぶかのズボン」というタイトルのオリジナルソングを歌いました。英語でぶかぶかのズボンは、baggy pants と言います。
その歌の歌詞は、若者のファッションに苦言を呈する内容で、「あなたの baggy pants は見たくない!はみ出した下着を見たくない!サイズが合うようなズボンを買いなはれ!」みたいな内容で、相当ウケた(笑)。
baggy pants の他に、baggy shirt、baggy jeans、baggy sweater なども使えます。baggy jeans の反対語は、skinny jeans だと思います。
ぶかぶかのズボンを履くと、お母さんに怒られる。
When I wear baggy pants, my mom gets mad at me.
妊娠を隠したかったから、ずっとぶかぶかのセーターを着ていた。
I wanted to hide my pregnancy, so I wore baggy sweaters for a long time.
スキニージーンズを履くと、細く見える。
Skinny jeans make you look skinny.
8. ぬめぬめする(slimy、gooey、mucky)
排水溝を掃除したことがある人なら、あれがどれだけ「ぬめぬめ」しているかわかるやろう?すごい気持ち悪いけど、家事だからやらざるを得ない。ぬめぬめになる前に掃除すればいいんだけど無理やね!いつも忘れて後回し。英語で mucky、slimy と言っていいと思う。
排水溝は超キモい。バリぬめぬめする。
My drain is so gross. It is really mucky.
夜中にナメクジを裸足で踏んだ。相当ぬめぬめやった。
I stepped on a slug in the middle of the night. It was so slimy.
さいごに
オノマトペはたくさんあるけん、頭がくらくらするバイ!でも、日本人が毎日無意識的に使いこなしているのを見ると、「ああ、言葉はバリ面白い!」と改めて思います。
私は多分、一生オノマトペを勉強しなければなりません。でも、昨日より今日わかるオノマトペが増えてたら、それでいいやん?今日は何の発見があるかわくわくしよる!みんなも楽しんで英語を勉強してね!
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