Summer Greetings:日本の「暑中見舞い」に込められた気遣いを英語で読む

暑い季節に相手の体調を気遣う日本のあいさつ「暑中見舞い」。残暑見舞いとの違いや送る時期にも触れながら、日本ならではの気遣いの文化を英語エッセイで紹介します。

Summer Greetings:暑中見舞いという夏のあいさつ

「暑中見舞い」と「残暑見舞い」。どちらも夏のあいさつとしておなじみですが、切り替わるタイミングを聞かれると、少し迷う人もいるのではないでしょうか。

「暑い日が続いていますが、お元気ですか」「どうぞご自愛ください」――そんな一言を、はがきや手紙、最近ではメールやSNSなどで届ける夏のあいさつ。相手の体調を気遣う言葉には、日本の夏ならではの思いやりが込められています。

暦の上では、暑中見舞いは小暑のころから立秋の前日までに送るのが一般的です。2026年の場合、小暑は7月7日、立秋は8月7日なので、暑中見舞いとして送るなら、おおむね7月7日から8月6日ごろまでが目安になります。

立秋を過ぎると「残暑見舞い」となります。暦の上では秋が始まっても、実際にはまだ厳しい暑さが続く時期。残暑見舞いは、そんな「残る暑さ」の中で、相手の体調を気遣うあいさつです。

回は、暑中見舞いに込められた日本らしい気遣いを、英語で読んでみましょう。

英語で読む「暑中見舞い」

In Japan, there is a summer custom called shochu mimai. It is a seasonal greeting sent during the hottest part of the year. People write to friends, relatives, teachers or business contacts to ask how they are doing in the summer heat.

Traditionally, this greeting was sent as a postcard. A typical message might say, “I hope you are staying well in this hot weather.” The words are simple, but they carry a quiet sense of care. Behind the greeting is the thought, “This season is difficult, and I hope you are all right.”

This summer greeting is usually sent from around Shosho, a seasonal point in early July, until the day before Risshu, the beginning of autumn in the traditional calendar. After Risshu, people send zansho mimai instead. This is used when the calendar says autumn has begun, but the summer heat still remains.

Today, fewer people send handwritten postcards than in the past. Many messages are now sent by email, chat or social media. Still, the feeling behind them has not disappeared. A short message can remind someone that they are remembered and cared for.

There may be no exact English equivalent for these Japanese summer greetings. However, the idea is easy to understand. When the weather is harsh, we think of the people we care about. We hope they are safe, healthy and finding small ways to stay comfortable.

In that sense, Japanese summer greetings are not just about the weather. They are about noticing another person’s life, even from far away, and sending a few words of kindness across the heat.

日本語訳

日本には、「暑中見舞い」と呼ばれる夏の習慣があります。これは、一年で最も暑い時期に送る季節のあいさつです。友人や親戚、先生、仕事関係の相手などに、夏の暑さの中で元気に過ごしているかを尋ねるために送ります。

伝統的には、こうしたあいさつははがきで送られていました。典型的な文面としては、「暑い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか」といったものがあります。言葉はシンプルですが、そこには静かな気遣いが込められています。そのあいさつの奥には、「この季節は大変だけれど、あなたが無事でいてくれたらうれしい」という思いがあります。

この夏のあいさつは通常、7月上旬の季節の節目である小暑のころから、伝統的な暦で秋の始まりとされる立秋の前日までに送られます。立秋を過ぎると、代わりに「残暑見舞い」を送ります。これは、暦の上では秋が始まっていても、まだ夏の暑さが残っている時期に使われるあいさつです。

現在では、手書きのはがきを送る人は以前より少なくなっています。多くのメッセージは、メールやチャット、SNSで送られるようになりました。それでも、その奥にある気持ちは消えていません。短いメッセージでも、相手に「覚えていてくれた」「気に掛けてくれている」と感じさせることができます。

こうした日本の夏のあいさつに完全に対応する英語表現はないかもしれません。しかし、その考え方は理解しやすいものです。厳しい天候の中で、私たちは大切な人たちのことを思います。無事でいてほしい、健康でいてほしい、少しでも快適に過ごしていてほしいと願います。

そういう意味で、日本の夏のあいさつは、単に天気についてのものではありません。遠く離れていても相手の暮らしに思いを寄せ、暑さの中に短い優しさの言葉を届けるものなのです。

語注

語句意味・補足
custom習慣、風習
care気遣い、思いやり
Shosho小暑。二十四節気の一つで、7月7日ごろ。暑さが本格的になるころとされる。
Risshu立秋。二十四節気の一つで、8月7日ごろ。暦の上で秋が始まる日。
equivalent対応するもの、同等のもの

暑中見舞いと残暑見舞いの違い

暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも暑い季節に相手の体調を気遣うあいさつですが、送る時期が異なります。

種類送る時期の目安どんなあいさつ?
暑中見舞い小暑のころから立秋の前日まで暑さが本格的な時期に、相手の健康や近況を気遣うあいさつ
残暑見舞い立秋以降、8月末ごろまで暦の上では秋でも、まだ暑さが残る時期に送るあいさつ

2026年の場合、小暑は7月7日、立秋は8月7日です。そのため、暑中見舞いとして送るなら7月7日ごろから8月6日ごろまで、8月7日以降は残暑見舞いに切り替えるとよいでしょう。

残暑見舞いは一般に8月末ごろまでに届くように送ります。遅くとも9月7日ごろまでが目安とされます。

英語で伝えるなら?

「暑中見舞い」や「残暑見舞い」に完全に対応する英語表現はありません。英語では、相手との関係や伝えたい気持ちに合わせて、夏のあいさつとして自然に表現するとよいでしょう。

例えば、シンプルに伝えるなら、次のような表現が使えます。

  • 暑中お見舞い申し上げます。
    Summer greetings to you.

  • 暑い日が続いていますが、お元気ですか。
    I hope you are staying well in this hot weather.

  • どうぞ体に気を付けてお過ごしください。
    Please take care of yourself in this heat.

  • 素敵な夏をお過ごしください。
    Wishing you a pleasant summer.

  • 残暑お見舞い申し上げます。
    Late-summer greetings to you.

ただし、英語では「暑中見舞い」「残暑見舞い」を日本語ほど厳密に分ける必要はあまりありません。大切なのは、暑い季節に相手を思いやる気持ちが伝わることです。

具体的な英語フレーズをもっと知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。

季節のあいさつから広がる英語

暑中見舞いは、日本の夏の暑さから生まれたあいさつです。

けれども、その根底にある「大変な季節に、相手の体調を気遣う」という気持ちは、言語や文化を超えて伝わるものです。英語で表現するときも、難しく考え過ぎる必要はありません。

暑い日が続くとき、久しぶりの相手にひと言送ってみる。元気でいてほしいと伝えてみる。そんな短いメッセージが、夏の暑さを少しだけやわらげてくれるかもしれません。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

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