夏休みが終わるころ、アメリカでは店頭にBack to Schoolの文字が並び始めます。ノートや鉛筆だけでなく、衣類や靴、電子機器まで、新学期に向けた買い物は一つの大きな季節イベントです。そして秋が深まると、高校や大学ではHomecomingの季節がやって来ます。今回は、アメリカの学校の秋を象徴する二つの風景をのぞきながら、実際に保護者や生徒が目にしたり耳にしたりしそうな英語を学んでみましょう。
目次
夏の終わりに目立つBack-to-School Sale

日本では新学年といえば4月ですが、アメリカでは一般に、夏休みが終わる8~9月ごろに新しい学年が始まります。始業時期は州や学区によって異なり、8月中に始まる学校もあれば、9月に入ってから始まる学校もあります。
この夏休み明けの新学期・新学年シーズンを、アメリカではBack to Schoolと呼びます。学校へ「戻る」という文字通りの意味だけでなく、新学期に向けて学用品や衣類などをそろえる時期全体を表す言葉としても使われます。
そのため、店頭では夏のうちから文房具やバックパック、衣類、靴、パソコンなどが並ぶBack-to-School Saleが目立つようになります。全米小売業協会(NRF)の2026年調査では、新学期用品を購入する人の62%が、7月上旬の時点ですでに買い物を始めていました。
学校から届くschool supply list
では、何を買うのでしょうか。そこで登場するのがschool supply listです。学校や学年ごとに、授業で必要になる学用品をまとめたリストが公開・配布されることがあります。
2026-27年度の実際のある小学校のリストを見ると、鉛筆、クレヨン、スティックのり、composition notebook(綴じノート)、folderといったおなじみの文房具のほか、USB-C接続のheadphones、tissues(ティッシュ)、disinfecting wipes(除菌シート)、hand sanitizer(手指消毒剤)、保存袋などが指定されている例があります。
さらに、日本人からすると少し意外に感じられそうなのが「名前を書くもの」と「クラスで共有するもの」が分けられているケースです。ある学校のリストでは、ヘッドホンや水筒などには子どもの名前を書く一方、鉛筆やティッシュ、除菌シートなどはshared suppliesとして扱われ、名前を書かないよう案内されています。
必要なものは学校や学年によって大きく異なります。だからこそ、保護者にとってはschool supply listを正確に読むことが、新学期準備の第一歩になります。
保護者目線で学ぶschool suppliesの英語
ここからは、実際に学校から届きそうな案内や、家庭でありそうな会話を見てみましょう。以下は、2026-27年度の実在するschool supply listで使われている表現を参考に、学習用に分かりやすく整えた例です。
学校からこんな指示が来たら?
On the first day of class, please have your child bring the following items.
(授業初日に、お子さんに次のものを持たせてください)
Please label the following supplies with your child’s first and last name.
(次の学用品には、お子さんの姓名を書いてください)
These items will be shared by the class, so please do not label them.
(これらはクラスで共有するため、名前を書かないでください)
Please send one pair of USB-C headphones. Bluetooth headphones are not allowed.
(USB-C接続のヘッドホンを1つ持たせてください。Bluetoothヘッドホンは使用できません)
Supplies may need to be replenished during the school year.
(学用品は年度の途中で補充が必要になる場合があります)
labelはここでは「ラベルを付ける」から転じて、「名前を書いて持ち主が分かるようにする」という意味で使われています。replenishは「補充する」。学校からの案内で見かけたら、なくなった学用品を年度途中に買い足すことだと考えると分かりやすいでしょう。
家ではこんな会話があるかも
Parent: The school says we need to buy two composition notebooks and a box of tissues.
(学校から、綴じノートを2冊とティッシュを1箱買うように言われているよ)Child: Do we have to buy new scissors? I still have mine from last year.
(新しいはさみも買わないといけないの?去年のがまだあるよ)Parent: No, we can reuse them.
(ううん、それをまた使えばいいよ)Child: Do I need to put my name on these crayons?
(このクレヨンには名前を書かないといけない?)Parent: No. Those are shared supplies.
(ううん。それはみんなで使うものだよ)
学校からの指示を家庭で伝えるときにはThe school says ~(学校から~と言われている)、必要なものを確認するときにはDo we have to ~?(~しないといけない?)といった形がそのまま使えます。単語だけで覚えるより、買い物をしている場面を思い浮かべると身に付きやすくなります。
秋の学校を盛り上げるHomecoming
新学期の買い物が一段落したころ、アメリカの高校や大学で秋の一大イベントとして行われることがあるのがHomecomingです。homecomingは一般には「帰郷」「帰還」を意味しますが、学校行事としては、卒業生を母校に迎えるイベントとして発展してきました。一般に秋に行われ、学校によって時期は異なりますが、9~10月ごろを中心に、11月に開催されることもあります。
Homecomingの起源については複数の大学に古い例があり、「どこが最初か」には諸説あります。イリノイ大学では1910年に卒業生をキャンパスへ招くHomecomingが開催され、フットボールの試合などを含む行事として定着していきました。
現在では大学だけでなく、多くの高校でもHomecomingが行われています。ただし内容や規模は学校によってさまざまです。
Homecoming Weekには何をする?
Homecomingは1日だけで終わるとは限りません。学校によってはHomecoming Weekとして、1週間にわたってさまざまなイベントが行われます。
Homecomingの中心的なイベントの一つがfootball gameです。ここでいうfootballはアメリカンフットボールのこと。学校間同士で試合が組まれ、生徒や卒業生、地域の人たちが集まって自校のチームを応援します。その試合に向けて学校全体の応援ムードを盛り上げるために開かれるのがpep rallyです。体育館などに生徒が集まり、例えばチアリーダーやバンドのパフォーマンス、選手の紹介、応援の掛け声などを通してチームを応援します。Homecomingの時期に行われるものはHomecoming Pep Rallyと呼ばれます。
また、Homecoming Weekを盛り上げる催しとしてよく見られるのがSpirit Weekです。school spiritとは「学校への愛着や誇り」「学校をみんなで盛り上げようという気持ち」のこと。曜日ごとに服装のテーマを決めて登校する学校もあります。
2026年の実際の高校の予定を見ると、Pajama Party、Y2K(※)、Class Color、Meme Day、学校カラーを身に着ける日などが設定されている例があります。Meme Dayは、インターネット上で広まったミームや話題のネタをまねた服装で登校する日。例えば、SNSで流行した画像や人物の姿を再現するなど、思い思いの「ミーム姿」を楽しみます。
(※)Y2K:もともとは“Year 2000”の略で、Yはyear、Kは1000を表すため、2Kで2000を意味します。現在は、1990年代末から2000年代初頭を思わせるファッションやカルチャーを指す言葉としても使われます。Y2K Dayでは、当時を思わせる服装で登校します。
このほか、paradeやHomecoming Danceなどが組み合わされることもあります。「Homecoming=ダンスパーティー」だけではなく、フットボールの試合を軸に、応援集会やSpirit Week、ダンスなど、学校全体でさまざまな催しを楽しむ秋のイベントと考えるとイメージしやすいでしょう。

Homecoming DanceとPromは別物
アメリカの高校のダンスパーティーと聞くとPromを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、Homecoming DanceとPromは別の行事です。
Homecomingは一般に秋に行われ、フットボールの試合やSpirit Weekなどを含む学校全体のイベントの一部としてダンスが開かれることがあります。一方、Promは学年末にあたる春から初夏に行われることが多く、特に高校の上級生を中心とした、よりフォーマルなダンスパーティーです。

生徒目線で学ぶHomecomingの英語
Homecomingの時期にアメリカの学校にいたら、どんな英語を耳にするでしょうか。ここでは、生徒の立場になって、学校や先生からの案内、親との会話、友達同士の会話を見てみましょう。学校ごとにルールは異なりますが、HomecomingやSpirit Weekの場面を想定した会話の例です。
学校・先生から言われそうなこと
Friday is School Colors Day. Wear your school colors.
(金曜日はスクールカラーの日です。学校の色の服を着てきてください)
The pep rally starts at 2:30 in the gym.
(応援集会は2時30分に体育館で始まります)
Tickets for the Homecoming Dance go on sale Monday.
(Homecoming Danceのチケットは月曜日に発売されます)
go on saleは「発売される」。学校行事の案内だけでなく、日常でも応用しやすい表現です。また、Homecoming Danceは学校によって有料の場合があり、事前にチケットを購入することがあります。
親が子どもに言いそうなこと
What time does the dance end?
(ダンスは何時に終わるの?)
Make sure you have a ride home.
(帰りの足があるか、ちゃんと確認しておいてね)
Text me when the game is over.
(試合が終わったらメッセージしてね)
have a rideは「車などで送ってもらう手段がある」という意味です。車での送り迎えが多い地域では、学校行事の帰宅手段を確認する場面でも使われます。
友達とはこんな会話をするかも
Are you going to the Homecoming game on Friday?
(金曜日のHomecomingの試合、行く?)
What are you wearing for Spirit Week tomorrow?
(明日のSpirit Week、何を着ていく?)
Do you want to go to the dance together?
(一緒にダンスパーティーに行かない?)
Let’s meet outside the gym before the pep rally.
(応援集会の前に体育館の外で待ち合わせよう)
Are you going to ~?、What are you wearing ~?、Do you want to ~?はいずれも簡単な形ですが、学校イベントの予定を話すときにそのまま使える表現です。Homecomingという文化を知ったうえで会話を見ると、英語が具体的な場面と結び付きやすくなります。
Back to SchoolからHomecomingまで
夏の終わりにschool supply listを片手に新学期用品をそろえ、秋になると学校カラーの服を着てHomecomingを楽しむ。もちろんアメリカ中の学校が同じ習慣を持っているわけではありませんが、Back to SchoolとHomecomingは、アメリカの学校生活の季節感を知るうえで興味深いキーワードです。
学校からの短い指示や友達同士の一言も、場面が分かればぐっと覚えやすくなります。英語圏の学校文化を知りながら、「自分が保護者だったら」「自分が生徒だったら」と想像して、今回の英語を声に出してみてください。
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