How are you?と聞かれたら、Fine, thank you.と答える。英語の授業でおなじみのやり取りですが、いつの頃からか「教科書英語」「ネイティブはそんなふうに言わない」などと言われるようになりました。でも、Fine, thank you.じゃ、そんなにいけないのでしょうか。今回は少し肩の力を抜いて、How are you?への返事と、その先の英会話について考えてみます。
目次
How are you?に何て返す?
How are you?と聞かれたら、何と答えればいいのか。これは昔からよくある英語学習者の疑問ですし、今も検索したり、生成AIに聞いたりする人は少なくないと思います。
I’m fine.以外にも、I’m good.、Pretty good.、Not bad.など、返し方はいろいろあります。「ネイティブはこう答える」「Fine, thank you.は教科書っぽい」といった説明を目にしたことがある人もいるでしょう。
もちろん、いろいろな表現を知るのはいいことです。毎回Fineしか出てこないより、その日の気分や相手との関係に応じて、いろいろな返事ができた方が楽しい。
でも、最近ちょっと思うのです。
How are you?への返事に、そんなに悩まなくてもいいんじゃないか。
日本語で「元気?」と聞かれたら
例えば、久しぶりに会った知り合いから「元気?」と聞かれたとします。ものすごく元気なわけではない。昨日は寝不足だったし、仕事もちょっと忙しい。でも、「うん、元気だよ。そっちは?」くらいに返すことはありますよね。
そのとき、「いや、今日の自分の状態を正確に表現するなら『元気』とは言えないな」「『まあまあ』の方が適切だろうか」「『ぼちぼち』だと相手にどういうニュアンスで伝わるだろう」なんて、普通はいちいち考えません。
ところが、英語になると途端に難しくなる。
How are you?と聞かれた瞬間、「I’m fine.って教科書っぽいんだっけ?」「I’m good.の方が自然?」「Pretty good.くらいがいい?」「Not bad.って、どのくらい元気なんだ?」と、頭の中で選択問題が始まってしまう。
日本語なら「元気だよ」で済ませる場面なのに、英語になると、なぜ毎回「今の自分に最もふさわしい、最も自然な一言」を選ばなければならないのでしょう。
Fine, thank you.と答えて何が悪い
そこで、今回言いたいのはこれです。
How are you?に「Fine, thank you.」と答えて何が悪い。
- How are you?
元気ですか。 - Fine, thank you. And you?
元気です、ありがとう。あなたは?
もちろん、Fine, thank you. And you?だけを覚えておけばいい、という話ではありません。例えば、こんな返し方もできます。
- I’m good. How about you?
元気ですよ。あなたは? - Pretty good. You?
まあまあ元気です。あなたは? - Not bad. How about you?
悪くないですよ。あなたは? - A little tired, actually. How about you?
実はちょっと疲れています。あなたは?
こうした表現を知っていて、すっと口から出てくるなら、もちろん使えばいいのです。
でも、Fine, thank you.が最初に浮かんだのに、「いや、これはネイティブっぽくないんだった」と頭の中で却下して、もっと自然な返事を探す。その間、目の前には返事を待っている相手がいる――。
それならFine, thank you.でいいじゃないか、と思うのです。
さっさと答えて、その先へ行こう

そもそも、How are you?への返事は、多くの場合、会話の入り口です。
- How are you?
元気? - Fine, thank you. And you?
元気だよ、ありがとう。そっちは? - Good. I’m a little tired, though. I stayed up late watching the game.
元気。でもちょっと疲れてる。昨日遅くまで試合を見てたんだ。
ここまで来たら、もう最初のFineが「ネイティブらしかったか」なんて、あまり重要ではありません。「何の試合を見ていたの?」「どっちが勝ったの?」「私も見たよ」。話したいことはいくらでも出てきます。
英会話をしていると、「これ、英語で何て言うんだろう」「もっと自然な言い方があるんじゃないか」と考えて、言葉が止まってしまうことがあります。私にもあります。
でも、会話の目的は、その場その場で最も自然な英文を作ることではないはずです。相手の話を聞いて、自分も何かを返して、やり取りを続ける。その方がずっと大事です。
あいさつで英語力を使い果たすくらいなら、さっさと答えて、その先の会話に英語力を使いましょう。
「ネイティブなら何て言う?」を考え過ぎない
英語を勉強していると、「ネイティブなら何て言う?」が気になります。せっかく英語を話すなら、自然な英語を使いたい。私だってそう思います。
ただ、それを気にし過ぎると、英語を話すたびに「正解」を探すことになります。How are you?にI’m good.と答えられるようになったら、今度は「How about you?とAnd you?はどっちが自然?」が気になる。その答えが分かったら、次はまた別の表現で「ネイティブならどっち?」が始まります。
英語を使うたびに選択問題を解いていたら、なかなか会話は先に進みません。
「ネイティブならどう言うか」を知ることと、「ネイティブと同じように言わなければならない」と考えることは別の話です。知っている英語で伝わるなら、まず使う。その上で、使える表現を少しずつ増やしていく。それくらいでいいのではないでしょうか。
How are you?の先にある会話を楽しもう
もちろん、How are you?がいつでも単なるあいさつだというわけではありません。親しい友人がこちらを心配して尋ねているのなら、Fine, thank you.で済ませず、今の気持ちを話した方がいいこともあるでしょう。
でも、軽いあいさつとしてHow are you?と声をかけられたのなら、こちらも軽く返せばいい。それは、日本語で「元気?」と聞かれたときと、それほど変わらない気がします。
Fine, thank you.でもいい。I’m good.でもいい。Pretty good.でもいい。知っている表現がすぐに出てきたなら、それを使ってしまいましょう。
そして、その先へ。
「週末は何してた?」「この前言ってた旅行、どうだった?」「そういえば、あの映画見た?」
会話を面白くするのは、How are you?に対する気の利いた返事ではなく、たぶんその後です。
Fine, thank you.と答えて何が悪い。
そんなところで立ち止まらず、さっさと会話を先に進めましょう。
ほかの答え方も知りたい人へ
ここまでFine, thank you.でいいじゃないか、と書いてきましたが、もちろん、それ以外の答え方を否定するつもりはありません。表現の引き出しが増えれば、その日の気分や相手との関係に合わせて、言いたいことをもう少し細かく伝えられます。
How are you?へのさまざまな返し方を知りたい方は、次の記事も参考にしてみてください。
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