pumpkin spiceにapple picking――アメリカ・カナダの秋の味覚で英語を学ぼう!

秋の味覚、と言えば何を思い浮かべますか?サンマ、松茸、栗、それとも新米・・・?アメリカやカナダでは、秋の気配とともに街に pumpkin spice の商品が並び始め、週末には家族や友人と apple picking に出かける人も。香りと味、そして収穫体験から北米の秋をのぞきながら、季節の話に使える英語表現を覚えてみましょう。

「pumpkin spice」はカボチャ味ではない?

pumpkin spice と聞くと、「カボチャの味付け」を想像するかもしれません。でも、pumpkin spice(pumpkin pie spice)は、もともとパンプキンパイなどに使われるスパイスのブレンドを指します。配合は商品やレシピによって異なりますが、アメリカの大手スパイスメーカーMcCormickのPumpkin Pie Spiceは、シナモン、ジンジャー、ナツメグ、オールスパイスのブレンドです。

つまり pumpkin spice の「pumpkin」は、カボチャそのものが入っているというより、「パンプキンパイを思わせる香り」と結び付いているのがポイント。シナモンやナツメグなどの甘く温かみのある香りは、北米では秋のイメージと強く結び付いています。

秋の定番になったPumpkin Spice Latte

pumpkin spiceを秋の象徴としてさらに広めた存在の一つが、StarbucksのPumpkin Spice Latte(PSL)です。Starbucksによると、PSLは2003年にまず一部店舗で登場し、翌2004年にアメリカとカナダで広く展開されました。それから20年以上たった今も、季節限定ドリンクの代表格として知られています。

2026年は8月25日にアメリカとカナダで秋メニューがスタート。Starbucks自身も、PSLが戻ってくることを「秋が来たと感じるサイン」と位置付けています。カレンダーでは夏の終わりでも、店頭にpumpkin spiceが並ぶと「秋が始まった」と感じる――そんな秋を思わせる味覚の一つです。日本ではハンバーガー・チェーンが「月見バーガー」を出したり、ケーキ屋さんで栗やサツマイモのスイーツをよく見かけたりする、そんな光景に似ていますね。

pumpkin spiceの「香り」「味」を英語でどう表す?

pumpkin spiceの魅力を英語で話すなら、まず覚えておきたいのがaromaです。smellが良いにおい・悪いにおいのどちらにも使える一般的な語なのに対し、aromaは料理や飲み物などの「よい香り」を表すときによく使われます。aromaticは「香りのよい」「芳香のある」という形容詞です。

The aroma of cinnamon and nutmeg fills the cafe.
(シナモンとナツメグの香りがカフェいっぱいに広がっています)

また、香りや味の中に「~がほのかに感じられる」と言いたいときは、notes of ~が便利です。コーヒーやワインの表現でもよく使われます。

This pumpkin spice drink has notes of cinnamon, ginger and nutmeg.
(このパンプキンスパイスの飲み物には、シナモン、ジンジャー、ナツメグの風味が感じられます)

spicyは「辛い」だけでなく「香辛料の利いた」という意味でも使われます。ただし、唐辛子のような辛さと誤解されたくない場合はspiced(スパイスで風味付けした)を使うと分かりやすいでしょう。warm / warmingも、温度そのものではなく、シナモンやナツメグのような「ほっとする、温かみのある」香りや味を表すのに使われます。

The muffins are sweet, moist and gently spiced.
(そのマフィンは甘くてしっとりしており、スパイスが優しく利いています)

ラテだけじゃない!pumpkin spiceを使った秋の味

pumpkin spiceはラテ専用の味ではありません。McCormickも、パンやクッキー、パンケーキ、マフィン、オートミールなど幅広い料理への使い方を紹介しています。カボチャのピューレを一緒に使うレシピもありますが、スパイスのブレンドだけを加えて秋らしい香りを付けることもできます。

  • pumpkin spice cookies:クッキー生地にpumpkin spiceを加えたもの。シナモンやナツメグの香りが広がり、秋らしい焼き菓子になります。

  • pumpkin bread / pumpkin spice muffins:カボチャのピューレとpumpkin spiceを使うことが多く、しっとりした食感とスパイスの香りを楽しめます。

  • pumpkin spice pancakes:パンケーキの生地にpumpkin spiceを加えた秋の朝食メニュー。カボチャのピューレを入れるレシピもあります。

甘いもの以外にも、roasted sweet potatoes(ローストしたサツマイモ)や acorn squash(ドングリカボチャ)に少量振りかける使い方もあります。「pumpkin spice=甘い飲み物」だけではなく、意外に用途の広いスパイスです。

「季節の」はseasonal、「期間限定」はlimited-time

pumpkin spiceの商品を説明するときに便利なのがseasonalです。「季節の」「季節ならではの」という意味で、seasonal drinkなら「季節のドリンク」「季節限定ドリンク」などと訳せます。limited-timeは「期間限定の」で、販売期間が限られていることを直接的に表します。

Pumpkin spice drinks are a popular seasonal treat.
(パンプキンスパイスの飲み物は人気の季節ならではの楽しみです)

This flavor is available for a limited time.
(このフレーバーは期間限定です)

「秋を象徴する」は be synonymous with ~

synonymousは本来「同義の」という意味ですが、be synonymous with ~で「~を象徴する」「~と切っても切れない存在である」というニュアンスでも使われます。pumpkin spiceと秋の強い結び付きを表すのにぴったりです。

Pumpkin spice has become synonymous with fall in the United States and Canada.
(パンプキンスパイスは、アメリカとカナダでは秋を象徴するものになっています)

apple pickingも秋ならではの楽しみ

飲み物やお菓子だけでなく、秋ならではの「体験」として人気なのがapple pickingです。日本語の「リンゴ狩り」に当たるもので、果樹園へ出かけて自分でリンゴを摘みます。地域や品種によって時期は異なりますが、ニューイングランドなどでは9~10月がまさにシーズン。マサチューセッツ州の公式案内でも、秋の代表的なtraditionとしてapple pickingが紹介されています。

We’re going apple picking this weekend.
(今週末、リンゴ狩りに行きます)

リンゴ園は orchard

orchardは「果樹園」。apple orchardなら「リンゴ園」です。farmが農場全般を指すのに対し、orchardは果樹を育てている場所を表します。秋の観光案内ではapple orchardという言葉をよく見かけます。

The orchard is full of families on fall weekends.
(秋の週末、その果樹園は家族連れでいっぱいです)

看板で見かける pick-your-own / U-pick

果樹園のウェブサイトや看板でよく使われるのがpick-your-ownです。「自分で摘み取る」という意味で、PYO と略されることもあります。アメリカではU-pick(you-pick)という表記も見られます。リンゴだけでなく、イチゴやブルーベリー、カボチャなど、自分で収穫する農園全般で使われる表現です。

This farm offers pick-your-own apples from August to November.
(この農園では8月から11月まで、自分でリンゴを摘むことができます)

リンゴの味・食感はどう表現する?

リンゴのおいしさを伝えるなら、crispはぜひ覚えておきたい語です。「パリッとした」「シャキッとした」という食感を表し、リンゴの締まったみずみずしい歯応えによく合います。juicy は「果汁たっぷりの」、tartは「酸味のある」。sweet and tartやsweet-tartなら「甘酸っぱい」という味を表せます。

This apple is crisp, juicy and slightly tart.
(このリンゴはシャキシャキして果汁が多く、少し酸味があります)

I like sweet-tart apples better than very sweet ones.
(とても甘いリンゴより、甘酸っぱいリンゴのほうが好きです)

apple ciderも秋の定番

リンゴ園では、apple cidercider doughnuts(アップルサイダーを使ったドーナツ)が一緒に楽しまれることもあります。ここでいうciderはリンゴを使った飲料のこと。日本の「サイダー」とは別物で、日本のいわゆる「サイダー」に当たる炭酸飲料は、英語ではsodaやpop、soft drinkなどと呼ばれます。アメリカでは、apple ciderは非アルコールのリンゴ飲料を指すことが多く、発酵させたアルコール飲料はhard ciderと呼んで区別します。一方、カナダではciderがアルコール飲料を指すことも多く、地域や文脈によって使われ方が異なります。

Let’s get some warm apple cider after picking apples.
(リンゴを摘んだ後、温かいアップルサイダーを飲もう)

搾りたてであることを強調するときにはfresh-pressed apple ciderという言い方もあります。

ciderの味はどう表現する?

ciderの味を表すときにも、リンゴと同じ語彙が使えます。tangyは「爽やかな酸味のある」、smoothは「口当たりのなめらかな」。hard ciderではdryもよく使われます。飲み物について dry と言う場合は「乾いた」ではなく、「甘くない、辛口の」という意味です。

This cider is sweet and tangy, with a hint of cinnamon.
(このサイダーは甘く爽やかな酸味があり、ほんのりシナモンが香ります)

This hard cider is dry and crisp.
(このハードサイダーは辛口で、すっきりした味わいです)

さきほどリンゴの食感で使ったcrispは、「パリッとした」「シャキッとした」という意味でしたが、飲み物についても用いられることがあります。ワインやサイダーなどで、重たさがなく、心地よい酸味やすっきりした後味があることを表します。

『サイダーハウス・ルール』に見る、リンゴ収穫のもう一つの風景

apple pickingと聞くと、家族や友人で楽しむ秋のレジャーを思い浮かべますが、リンゴの収穫はもちろん農業労働でもあります。その世界を物語の舞台として描いた作品が、ジョン・アーヴィングの小説を原作とする映画『サイダーハウス・ルール』(The Cider House Rules、1999年)です。

物語の主人公ホーマーは、メイン州の孤児院を出てリンゴ園で働き始めます。収穫期には、季節ごとにやって来る移動農業労働者の一団と一緒にリンゴを摘み、彼らが寝泊まりする建物が cider house と呼ばれています。そこに貼られた「ルール」が、作品タイトルにもつながっています。

もちろん映画はフィクションですが、季節ごとに必要な人手を集めて収穫する農業の背景は現実にもありました。メイン州の1945年の農業労働に関する年次報告には、第二次世界大戦期の労働力不足に対応するため、女性の農業労働組織、カナダ人、ジャマイカ人、捕虜など、さまざまな労働力が農業を支えた記録が残っています。

現在も、収穫時期に合わせて土地を移動しながら働くmigrant farmworkers(移動農業労働者)はアメリカの農業を支えています。アメリカ労働省のNational Agricultural Workers Survey(NAWS)に基づくアメリカ農務省(USDA)の分析では、2020~22年度、州から州へ作物の収穫を追って移動する“follow-the-crop”型の労働者は、調査対象者の4%でした。こうした季節労働者の生活については、メイン州労働局の2015年の調査でも、長距離を移動し、雇用主が用意した住居で暮らしながら、作物から作物へと仕事をつなぐ人々の例が紹介されています。

ここで注意したいのはmigrantとimmigrantの違いです。migrantは、仕事などのために別の地域や国へ移動する人を表し、必ずしもその土地への定住を意味しません。一方、immigrantは一般に、別の国へ移り住む人を指します。季節農業の文脈ではseasonal farmworker(季節農業労働者)という語も使われます。

Some seasonal farmworkers move from one region to another following the harvest.
(季節農業労働者の中には、収穫時期に合わせて地域から地域へ移動する人もいます)

秋の観光として楽しむapple pickingの向こう側には、果樹園の一年を支える人々の仕事があります。映画をきっかけに、harvest(収穫)、bunkhouse(作業員などの共同宿舎)といった英語にも目を向けてみると、リンゴ園の風景が少し違って見えるかもしれません。

覚えておきたい英語

  • pumpkin spice:パンプキンパイを思わせるスパイスのブレンド
  • aroma / aromatic:よい香り/香りのよい
  • notes of ~:~の香り・風味がほのかに感じられること
  • spicy:辛い、香辛料の利いた
  • spiced:スパイスで風味付けした
  • warm / warming:ほっとする、温かみのある
  • seasonal:季節の、季節ならではの
  • limited-time:期間限定の
  • be synonymous with ~:~を象徴する、~と強く結び付いている
  • apple picking:リンゴ狩り、リンゴ摘み
  • orchard:果樹園
  • pick-your-own / U-pick:自分で収穫する形式の農園・収穫体験
  • crisp:シャキシャキした、すっきりした
  • juicy:果汁の多い、みずみずしい
  • tart / sweet-tart:酸味のある/甘酸っぱい
  • apple cider / hard cider:リンゴ果汁を使った飲み物/発酵させたアルコール入りのサイダー
  • cider doughnut:アップルサイダーを使ったドーナツ
  • tangy:酸味のある、風味の強い
  • smooth:口当たりのなめらかな
  • dry:(酒などが)辛口の、甘くない
  • migrant farmworker:収穫などの仕事を求めて地域を移動する農業労働者
  • seasonal farmworker:季節農業労働者
  • harvest:収穫、収穫期
  • bunkhouse:作業員などが共同で泊まる宿舎

味や香りから感じる、北米の秋

日本でも味覚から秋を感じるように、北米にも「この味が出てくると秋」というものがあります。街中ではpumpkin spiceの香りを楽しみ、週末にはorchardへ出かけてリンゴを摘む。その一方で、リンゴの収穫を支えてきた季節労働の歴史もあります。季節の楽しみ方や背景を知ると、aroma、tart、harvestといった英語も、単語帳の中だけではなく具体的な風景と一緒に覚えられます。

ENGLISH JOURNAL編集部
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