Cambridge Dictionaryが選ぶ2022年の流行語は「homer」!!その意味と選ばれた理由とは?

日本では毎年12月に「新語・流行語大賞」が発表されますが、海外でも各団体がその年を代表する単語、“Word of the Year”を発表します。一足早く11月16日に、イギリスのCambridge Dictionary(ケンブリッジ辞典)が2022年のWord of the Yearを発表しました。詳しく見ていきましょう。

2022年のWord of the Yearは?

毎年この時期になると、日本をはじめ世界各国で「今年の新語・流行語」が話題に上ります。イギリスのOxford dictionaryや、アメリカのMerriam-Websterなど各団体がその年のWord of the Yearを発表しますが、11月16日に一足早く、イギリスのCambridge Dictionaryが今年のWord of the Yearを発表しました。

Cambridge Dictionaryが選んだ2022年のWord of the Yearは・・・

homer  
意味:(野球の)ホームラン ※home runの短縮形・口語

です!日本では大谷翔平選手のニュースで「ホームラン」という単語をたくさん聞いた年でしたが、Cambridge DictionaryがこれをWord of the Yearに選んだ理由は全く異なります。

Cambridge Dictionaryによると、今年”homer”が検索された回数はなんと約8万回。そして面白いのが、5月5日に6万5千回も検索されたそうです。一体なぜその日に数多くのユーザーがこの単語に興味を持ったのでしょうか?

その理由は、5文字の英単語を推測するオンライン単語ゲーム「Wordledleにあります。5月5日のゲームの答えがhomerだったのです。アメリカ英語話者はそれがすぐにhome runの口語形だということに気付きましたが、アメリカ英語話者以外は意味が分からず、Cambridge Dictionaryで調べた、というわけです。

今年は5文字の単語の検索数が急増

この他にもWordleの影響か、Cambridge Dictionaryでは2022年を通して5文字の単語の検索数が急増したと言います。彼らはこれを“Wordle effect(ワードル効果)”と呼んでいます。

例えばhumor(humour[ユーモア]のアメリカ式つづり)や、caulk(コーキング材)、tacit(暗黙の、言葉に表さない)、bayou(バイユー[アメリカ南西部の湿地帯のような場所])などの、なじみが少ない単語が多く検索されました。

homerが選ばれた理由

homerをWord of the Yearに選んだ理由についてCambridge Dictionaryは、「オンラインなどでグローバルにつながる現代社会における、英語学習の課題を表しているから」と言います。今回、homerがアメリカ英語話者以外には通じなかったように、さまざまな英語が話される現代においては、違う種類の英語を話す者同士の会話で、混乱が生じる可能性があるとのことです。

そんなときには、アメリカ英語とイギリス英語の両方をカバーしている(しかも音声付き)Cambridge Dictionaryで、知らない単語について詳しく調べてみてくださいね、とのこと(宣伝上手!)。

homerはどんなふうに使われる?

では実際にhomerがどのように使われているかを見てみましょう。

Shohei Ohtani with a solo homer to center and the Angels get on the board. Down 3-1 in the eighth. Byron Buxton nearly caught it in center but it was just out of reach for Ohtani's 26th homer of the year.
大谷翔平がセンターにソロ本塁打を放ち、エンゼルスが得点を挙げた。8回に1-3に。バイロン・バクストンはセンターでキャッチしようとしたが、大谷の26号ホームランには惜しくも届かなかった。

Judge broke Roger Maris's iconic single-season AL home run record, leading MLB not only in homers but also RBIs (131), total bases (391) and runs scored (133).
アーロン・ジャッジは、ロジャー・マリスの象徴と言えるア・リーグのシーズン本塁打記録を破り、本塁打数だけでなく、131打点、391盗塁、133得点でMLBトップの成績をマークした。

過去のWord of the Yearはここからチェック

文・構成:古川(ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部)
文・構成:古川(ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部)

英米語学科卒。カナダ、フランスでの留学を経てEJ編集部に。書くことが苦手なのに、なぜか今の職に就いてしまった。もっとクリエイティブライティングができるようになりたい!2023年の抱負は早寝早起き・体重管理・TOEIC950点。

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