東南アジア・ブルネイ留学で、私はどんな英語力が伸ばせたか【超「私」的東南アジア留学記】

東南アジアの小さな国、ブルネイ・ダルサラーム国の大学に留学していた大学4年生のKOTONEさんが、この国で見たこと、学んだことを紹介する「超『私』的東南アジア留学記」。第3回は「英語」について。ブルネイという、一見英語に関係なさそうに見える国で英語を学ぶ意味についてお話しいただきます。

こんにちは!

第1回、第2回の記事を読んでくださった方、お久しぶりです。KOTONEです!今回の記事から見てくださる方、初めまして。記事を読んでいただいてありがとうございます!

私はブルネイに半年間留学し、数ヶ月かけて約20カ国を巡りました。今回は、英語学習について私独自の視点で書かせていただきたいと思います。

私の英語学習履歴・英語を学ぶ理由

まずは、私がどのようにこれまで英語と向き合ってきたか、また私が英語を学ぶ理由について簡単にお話ししていこうと思います!

私は高校2年生まで、普通の高校生として英語学習(授業とテスト勉強)をしているだけでした。ただ、学校で英語の授業を受けるのがとても楽しくて、ずっと一番の得意教科は英語だったり、休み時間にはいつもALT(外国語指導助手)の先生に話し掛けに行ったりするくらい、英語が大好きでした。

高校2年生の頃から卒業後の進路に向けて動き出す準備をし始めましたが、私は大学に行くなら東京外国語大学一択!と中学生のときから決めていたので、合格に向けて、それに必要な英語力を身に付ける努力をしていきました。

しかし!!大学合格後は、実は、2年間ほとんど英語の勉強ができていませんでした。というのも、大学に入り、他の言語の学習に力を入れていたからです。

でも、大学生のうちに留学に行く!と決めてから、英語学習を本気モードで再開しました。

私の場合、留学にはTOEFL iBTが必要(最低79点、派遣留学の選考材料)だったので、それに向けて半年ほど学習をし、90点代を取りました。また、その時期、大学で受けさせてもらったTOEIC L&Rテストは約950点でした。

(TOEFL.iBTは、正直かなり難しく、最初は過去問を時間内に解き切れず涙ぐんだり、スピーキングで思っていることが全く言えずに悔しい思いをたくさんしました。)

このように、留学前の私の英語学習は、大学受験+TOEFL.iBTの勉強で鍛えられたものでした。

リーディングやリスニングは、自己学習である程度伸ばすことができましたが、日本に20年間ずっと住んでいたこともあり、ライティングとスピーキングが大の苦手で、思っていることの10~15%くらいしか話す・書くことができませんでした。

私が英語の勉強をする理由は、最初は純粋に、新しい言語を勉強するのがわくわくしたり、日本人以外の人とコミュニケーションが取れて、いろいろな文化を知ることができるのがうれしかったからでした。

でも、大学に入ってからは、その理由に加えて、将来は必ず日本だけでなく世界中で働くんだ!と決めたので、それが英語学習のモチベーションとなっています

ブルネイ大学の派手すぎる講義棟

ブルネイの英語レベルについて

ブルネイ留学と聞くと、「えっ?ブルネイ?!公用語は何語?英語は、本当に使われているの?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは、ブルネイでどのように英語が使われているのかを包み隠さず書いていきたいと思います!

実は、ブルネイの公用語はマレー語ですが、英語での教育が幼稚園から行われる国で、英語のレベルが非常に高く、東南アジアの国の中でもトップクラスだといわれています。

日常会話に関しては、私が経験していたブルネイでの日常会話は、私がマレー語に乏しいということを周りの人が理解してくれていたので、リスニングは英語9割、マレー語と中国語が合わせて1割、スピーキングについては9割9分が英語(残りはマレー語やタガログ語など)という感じでした(レストランの店員さんはフィリピン人の方が多く、タガログ語でコミュニケーションを取ると仲良くなることができました)。

大学の授業は、マレー語で開講されているものを私はあえて一つ選んだのですが、英語の授業の方が現地生徒にとっても主流でした。

次に、ブルネイの英語のアクセントに関してです。これは、本当に人や環境によるのですが、マレー系や中華系の人は、その言語のアクセントが強く出る人が一定数います(体感ですが、私の周辺では10人に1、2人程度でした)。

そのアクセントに慣れるまでに、最初は30分~1時間くらいかかりましたが、その後はスムーズに聞き取ることができました。

若い人ほど、英語の方が得意!という人の割合が高く、私の大学には「マレー語はあまり話せなくて英語の方が話せる」という友達もたくさんいました。

逆に、お年寄りの方では、全く英語が話せない人にもお会いしたことがあります。

結論になりますが、ブルネイでは、ほとんどの人が英語を流暢に話しており、日々生活しているだけで、とても英語の勉強になり、英語留学には適していると考えています。イギリスの植民地だったこともあり、アクセントや文法はアメリカ英語というよりイギリス英語に近いのも特徴でした(フィリピンにも1カ月留学していたことがありますが、マニラではアメリカ英語に近い英語が話されていました)。

ブルネイのスルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク

英語留学の国はどう選ぶべき?

私は、英語留学の国を決めるときには、英語を将来どのように使っていきたいのかをしっかり考えてみるのが大事だと思っています。

アメリカやイギリス、カナダなどの国では、英語がネイティブの環境に身を置くことになるので、英語のニュースをしっかり聞き取れるようになるなど、奇麗な発音の英語が身に付けられると思います。

一方、東南アジアの国に行くと、みんな他の言語も話しながら生活しているので、話すスピードはアメリカなどと比べると少しゆっくりな場合が多く、アクセントのある英語を聞くことも多いです。

しかしこれは、まだ慣れていない人にとっては、むしろ英語を学習しやすい環境だと、私は考えています。なぜかというと、英語を使えるようになりたいなら、間違えてなんぼ!友達を作るのが何より大事!従って、みんなが第2言語として英語を話している国の方が、日本人が積極的になるハードルが低いと思うからです。

現在、世界の英語話者の大多数は英語を母語としない人たち、非ネイティブとして英語を話している人たちです。世界で英語を話す人の割合はネイティブが約2割。非ネイティブが8割以上だと言われています。だから、多種多様な英語に触れることは、実は将来のいろんな場面で役立ったり、視野が広がることにもつながっていくと思います。

ですので、英語留学の国を決めるときには、自分が将来どのように英語を使っていきたいのか見つめ直してみるのが大事だと考えています。

英語の先生になりたい!シリコンバレーで起業したい!という方だったら、アメリカやイギリスに留学するのがいいかもしれません。

でも、とにかく英語でコミュニケーションが取れるようになりたい!という人だったら、東南アジアの国に数カ月でも行って、とにかく英語で”伝える”という体験をしてみるのが、スタートダッシュにはいいかもしれません。

また、世界のいろんな人と話せるようになりたい!という人は、話者が多いとされるスペイン語や中国語を勉強してみたり、マレー語やアラビア語などご自身が他にも興味のある言語が学べる国や、文化が気になる国に行ったりするのもとてもいいと思います(しかし、現地語がメインで話され、英語学習には向いていない国もあるので、リサーチが必要です!)。

このように、費用が安いからという理由だけでなく、英語がネイティブでない国も、ぜひ留学の選択肢に入れてみてほしいと思います!

マレーシアでヒンドゥー教の寺院に潜入

ブルネイへの留学で英語力がどれだけ伸びたか

次に、ブルネイへの留学で英語力がどれだけ伸びたかについて、書かせていただきます。

私は、今回の留学では、特にスピーキングを伸ばしたいと思っていました。

留学に行く前は、日本語と比べて10%くらいしか思っていることを言えない私でしたが・・・半年後には、90%以上は自分の言いたいことを伝えられるようになりました!

90%せるなら、残りの10%はなんだ?!と思われるかもしれません。

これは、多くは単語力の不足によるものです!

例えば、スラングやイディオム、アカデミックな話題、土地名、病気や動物の名前などの固有名詞。これは毎日、分からない単語に遭遇するので、そのたびにスマホで調べてメモに残します。私は視覚的に覚えるのが得意なので、画像を検索して、それをアルバムに保存して見返したりもします。

英語は、ネイティブの人でさえ知らない単語もあるくらい奥が深い言語なので、ずっと勉強をし続けるしかないと思っています(どの言語もそうだと思いますし、それが楽しいです)。

その他には、たまに複雑な文を話すときに考えてしまったりするし、正しい発音ができずに苦戦していたりもします。特に、RとLの区別はいまだに難しいし、Fの発音が苦手だったりします。

しかし、これに関しては、今はあまり急いで解決する必要はないと考えています。私の場合、その国に合わせた英語を話すのが面白いと感じているからです。

アメリカに行くときはアメリカ英語、イギリスではイギリス英語など、その土地の人が聞き取りやすい英語をそのときに修行していきたいと思います!

飛行機から見たブルネイ

今後の目標

私の今の英語学習に関する目標は、ボキャブラリーや言い回しを増やしていって表現の幅を広げること、また、いろいろな国の人と仲良くなれるように、その国の発音に近い英語を練習していくことです。

タイに行ったときに、普段通りの速さで英語を話してもうまく伝わらなかったり、イギリス人の奇麗な英語を話す方がレストランでコミュニケーションに苦戦しているのを見かけたりしました。

なぜかというと、タイでは、英語は英語でも、タイ語っぽい英語の方が通じやすいからです!(スピードがゆっくりで、伸ばす発音が多い、アクセントが違う位置にきたりするなど)

それに気付いてからは、私も、英語のイントネーションをタイ語に近づけてみたり、覚えたてのタイ語数単語を少しだけ混ぜたりして、うまくコミュニケーションを取ることができるようになりました

英語学習の目的は、人によってさまざまだと思います。

ぜひ、自分の将来なりたい姿を思い描いてみて、それに向けて英語を勉強するをいろいろ検討してみてください!

今回も、記事を読んでいただき、本当にありがとうございました。

それでは、また次回の記事で! สวัสดีค่ะ(サワッディーカ)(チェンマイからさようなら〜)

タイ、チェンマイのモン・ジャムで

KOTONEさんの連載

KOTONE(ことね)
文・写真:KOTONE(ことね)

東京外国語大学国際社会学部国際社会学科東南アジア第一地域フィリピン語専攻4年。2022年1月から半年間、ブルネイ・ダルサラーム国に留学。現在は大学を休学し、マレーシアのスタートアップ企業でインターンとして働きつつ、全世界を旅して回ることを目指している。
Twitter: @kotonefromjapan

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