食べ物・動物・生活・イベント。驚きいっぱいの国、ブルネイ【超「私」的東南アジア留学記】

ブルネイ・ダルサラーム国の大学に留学していた大学4年生のKOTONEさんが、この国で見たこと、学んだことを紹介する「超『私』的東南アジア留学記」。第2回は、KOTONEさんがブルネイで驚いた食べ物、動物、生活、イベントをご紹介いただきます。

驚きいっぱいの国、ブルネイ

こんにちは!

前回の記事を読んでくださった方!お久しぶりです。KOTONEです!今回の記事から見てくださる方は、はじめまして!

私は、ブルネイ・ダルサラーム王国という東南アジアの小さな国に、2022年の1月から5カ月間、留学していました。ブルネイは、ハサナル・ボルキア国王が国を治めている、イスラム教が国教の自然が豊かでとても平和な国です。

今回はブルネイで驚いたことについて、食べ物・動物・生活・イベントの4つに分けて、書かせていただきます。

チキンやラム肉などが料理の中心

前回、少しお話ししましたが、ブルネイはアルコールが含まれる飲食物の販売がNGです!だから、お酒だけではなくて味噌やしょう油など、アルコールが少しでも含まれているものは買うことができませんでした。でも、ブルネイでどうしてもお酒を飲みたい!という人は、入国時に2リットルまでだったら持ち込んでも大丈夫。中華系の友達によると、お酒を飲みたいときは隣国のマレーシアまで買いに行くとのことでした。

また、豚肉が日本のように普通に食べられない代わりに(イスラム教ではハラム=禁止されているもの)、チキンやラムが多く、エイなども屋台で売られていました。スーパーでは、鳥がこんな感じで丸ごと売られていて、私はこれ(写真)をいつも買って、寮で調理して食べていました。

丸ごとで売られている様子が迫力のチキン。

ちなみに、現地の人たちはチキンの足もよく食べるのですが、私はその食感があまり好きではありませんでした。

ゼラチン質でぐにゅぐにゅした食感の鶏の足。

ブルネイ料理をご存じない方も多いと思いますが、例えば「アンブヤット」という伸びる液体状の食べ物があったり、「ナシカトック」という、1ブルネイドル(約87円)で食べられるチキンとココナッツご飯のセットがあったりしますが、全体的に、食事代は日本より安かったです。

アンブヤットは、サゴヤシの木の幹の内側から得られるデンプンを使った食べ物。
フライドチキンとライスが組み合わさったナシカトックは、日本のおにぎりみたいな食べ物。

トカゲやサル、ネコが多い国

普段の生活でよく見る動物は、トカゲやサル、ネコです。トカゲは、部屋の中にも建物の壁にも、どこにでもへばり付いていて、毎日10匹以上は遭遇していました。

TVモニターなど明かりがあるところは、いつの間にか一面トカゲでいっぱいに。

サルは公園や大学にたくさんいて、ネコは、友達によると9割以上の家で飼われているそうですが、野良ネコもたくさんいます!日本でよく見かける犬は、飼っている人が少ないです。その理由は、イスラム教では、犬のよだれが綺麗なものだと考えられておらず、犬に触ったら手を特別な方法で洗浄しなければいけないからです。

ブルネイでよく見かける動物の三本指に入るサル。 Ⓒ Forest Han Photography

一方ネコは人気が高く、野良ネコでも、みんなが餌をたっぷりあげて世話するので、毛並みがツヤツヤです!ちょっと珍しい動物だと、大学から数十分で行けるジャングルに、テングザルやオオコウモリが生息していたり、近くの川にはクロコダイルがいたりしました。

夜明け前の礼拝で一日が始まる

ムスリムの人は1日に5回、礼拝を行います。一日の最初は夜明け前に行うのですが、そのお祈りの声がスピーカーで街中に大音量で放送されるので、私は毎日5時前には起きていました!早起きの人が多いので、バーベキューパーティーなども「朝の7時開始!5時半に迎えに行くね!」なんて言われることも多く、かなり衝撃的でした!

移動手段の話をすると、ブルネイには電車がありません。バスもほとんどないので、基本的にはどこに行くにも友達に「車出して〜!」とお願いするか、タクシーを呼ぶかしか移動手段がありません。ただ、スーパーに行くためだけであっても、「友達を送ってあげるのが当たり前!」の文化なので、毎日たくさん友達とドライブができて楽しかったです。

中華系の祭りも盛大に祝われる

私がブルネイに滞在していたのは1~5月でしたが、その間の大きなイベントには、中国の春節と、イスラム教のラマダンという断食期間がありました。

ブルネイはイスラム教が主流の国ですが、中華系の方もいらっしゃいます。そのため、春節が盛大にお祝いされます。スーパーやレストランなど街中が春節の飾り付けになり、中華系の耳に残る音楽が響き渡ります。ライオンダンスをムスリムの人も見に来ていたりして、中華系の人たちだけではなく、国全体でお祝いしてるのがとてもすてきだと思いました。

ライオンダンス(は日本の獅子舞のようなもの。旧正月などに登場する。

2022年はラマダンが5月に行われました。ムスリムの人たちがファスティングをするのですが、日中は一切、水と食べ物を取りません。体に何かを入れてはいけないという考えなので、歯磨きや目薬もしてはいけないとのことでした。

でも、夕方の6時ごろにそれが解除されると、みんなで食事を取ります!バザールに食事を買いに行ったり、みんなでレストランに行ったり・・・。ラマダンの時期には、特別なセールや食べ放題のビュッフェが開かれたりもします。

買い物客でいっぱいのバザール。つい買い食いをしたくなる。

友人に「断食は辛くないの?」と聞いたことがありますが、「小さい頃は大変だったけど、今は慣れたし、パワーがみなぎってくる感じがして楽しい!」と言っていました。もちろん、ムスリムではない人は断食をしなくてもいいのですが、ムスリムへの配慮から、この期間は家の中だけでしか食事を取れないことになっています。

宗教に関しては、ブルネイに行く前は「イスラム教の国」というイメージが強かったのですが、実際に行ってみると他にもさまざまな宗教があって、お互いがお互いの文化を尊重していました。ブルネイの人たちは支え合いながら、楽しく生活しているんだと実感しました。

今回は、ブルネイで驚いたことについて紹介させていただきました!それでは、次回の記事でまたお会いしましょう!

KOTONEさんの連載

KOTONE(ことね)
文・写真:KOTONE(ことね)

東京外国語大学国際社会学部国際社会学科東南アジア第一地域フィリピン語専攻4年。2022年1月から半年間、ブルネイダルサラーム国に留学。現在は大学を休学し、マレーシアのスタートアップ企業でインターンとして働きつつ、全世界を旅して回ることを目指している。
Twitter: @kotonefromjapan

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