言葉に かかわらず 、すてきな歌は、皆すてき。でも、音楽の作り方には違いがあります。中でも今回注目したいのは、英語詞の作り方。アジアを中心に活躍中の音楽プロデューサー、ジョベット・リベラさんにお伺いします。
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ej.alc.co.jp作詞といえば、 ご自身はどのようにされるのでしょうか?書くことのインスピレーションをどのように得ていますか?
inspiration for writing?">Talking about writing lyrics, how do you do it yourself? How do you get inspiration for writing?
フィクション、つまり作り話にしたいのか。それともノンフィクションにしたいのか。リアルな自分の気持ちか、それとも恋する2人の話を語るのか。つまり「私」という言葉を使っても、自分以外の話をするのか。私はストーリーテラーでもあり、その意識を持つことは役立ちます。よい作詞家であるためには、ストーリーを伝えられる必要があるんです。何語であれ、どんな内容であれ、人々が欲しがる、感情移入する、読みたくなるような濃い物語を語ることが大切です。
すてきなストーリーを語ること、それはどこから来るかといえば、人生からです。ほかになんと言えばいいのかわかりませんが、とにかく経験すること―経験し、すてきな人生を過ごすことです。毎日家にいるだけでは多くを経験することはできません。すてきな人生が歌詞に大きな 影響 を与えます。あなたによりよい歌詞を書かせてくれます。自身の経験だけである必要はありません。ほかの人たちと一緒にいるだけで、彼らの経験を学び、そこから歌を作れることもあるでしょう。名前は出しちゃダメですけどね。映画を見ることも経験です。歌詞のアイデアはさまざまなところにあるんです。
So telling an interesting story, where does that come from ? Life. I’m not sure what else to really say about that. It’s just experience ? experience and leading an interesting life. If you’re in your house every day, you’re not going to experience much. And so having an interesting life will greatly influence your lyrics and allow you to write better lyrics. It doesn’t only have to be your experiences. Just being around other people, you learn about their experiences, and maybe you can make a song about that. Don’t use their names, though . Watching a movie is an experience , too. Ideas for lyrics can come from all sorts of different places.
最も記憶に残るあなたご自身の曲はなんでしょう?
What is the most memorable piece of yours?
誰もご存じないと思いますが、一番初めに売れた曲でしょうか。日本のCM曲でした。でも最も記憶に残るメジャーな楽曲といえば、KAT-TUNの「Dead or Alive」というシングルA面の曲です。いくつかの理由からとても大きな意味を持った曲でした。一つには楽曲制作の(サッカーで言う)ハットトリックだったからです。作曲、作詞、編曲を手掛けました。こういう機会はなかなかありません。レコード会社はよく、これらの仕事を別々に発注したがるんです。だから、あの曲はすべてが完璧な形で融合した作品となりました。映画『ジョーカー・ゲーム』のタイアップでもありました。だからとても思い入れのある一曲です。
今後 どのようになっていくと思いますか?">音楽の役割は 今後 どのようになっていくと思いますか?
role of music in the future ?">What do you think is the role of music in the future ?
人類が始まったときからずっと、音楽とは自己表現のためのものです。そして音楽の役割は変わらないと思います。でも、音楽の聞き方は変わるでしょう。昔、音楽を聞きたければどこかへ行かなくてはいけませんでした。ラジオの発明から音楽は本格的に普及しました。音楽を聞き、見て、そしてアーティストに酔いしれる。90年代からはインターネットが広く使われ始め、YouTubeやSoundCloudなどで、いつでもどこでも音楽がある―音楽から逃れられない状況です。次は直接あなたの心に音楽が届くかもしれません。
SFの世界が次第に現実になっていますしね。次はホログラムでしょうか。ホログラムのスターがいますよね―初音ミクでしたっけ?―ホログラムのコンサートとか、そんなことがたくさん出てくるでしょう。私たちが取って代わられてしまうので、個人的にはそれが加速するのは嫌ですけれど。危険ですね。すでにAIシンガーがいて、AIの音楽作成ソフトがあります。恐ろしいですよね。
あなたにとって音楽とは?
for you?">What is music for you?
音楽とは想像と現実とをつなぐ懸け橋です。私たちの考えやアイデアを楽器や声を通してうまく表現することができれば、それが音楽になるんだと思います。音楽は必要不可欠なものです。人生の一部です。創造力のとても大事な一部です。私たちが考えていることを見える形にする手段であり、私たちの想像を表現することであり、音楽を通じてそういったことを現実のものにするんです。幸せ、悲しみ、怒り、いら立ち、愛、嫌悪―あらゆる感情が、さまざまな形の音楽で表現できます。そして音楽―私たちの自己表現方法は絶えず進化しています。音楽は社会と共に歩むのです。社会が変われば、音楽も自然と変わっていくと思います。
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特集「名曲で学ぶ洋楽英語」をEJ5月号でチェック!
取材・構成:知夏七未
『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」
現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。
日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!
【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明