「平泳ぎ」の英語を調べようとWikipediaを開いたら、思いのほか面白かったので豆知識と合わせてまとめてみました。
「平泳ぎ」って英語でなんて言う?
breaststroke
平泳ぎを英語で言うとbreaststrokeとなります。breast(胸)の前でstroke(ストローク、手のかき)をする泳ぎ方ですね。ちなみに他の泳ぎ方は下の通り。
クロール front crawl
自由形 freestyle
背泳ぎ backstroke
バタフライ butterfly
泳法としてのクロールはfrontを付けるのが一般的。 ただし 、競泳としての自由形(freestyle)では、クロールで泳ぐのが一般的なので、クロールはfreestyleと呼ばれることが多いです。
平泳ぎは水の中をすいすい泳ぐカエルの動きに似ていることから、英語圏でも「カエル泳ぎ」と呼ばれることがあります。
Some people refer to breaststroke as the ”frog” stroke, as the arms and legs move somewhat like a frog swimming in the water.
手足が水中を泳ぐカエルのように動くことから、平泳ぎをカエル泳ぎと呼ぶ人もいます。
平泳ぎは最も歴史ある泳ぎ方
自由形に次いで競技人口が多く、日本人が得意にしている泳法である平泳ぎですが、競泳の技法としてはスピードが遅いのも1つの特徴。しかし、最も古く、歴史ある泳法でもあります。
The stroke itself is the slowest of any competitive strokes and is thought to be the oldest of all swimming strokes.
(平泳ぎの)ストロークは競泳のストロークの中で最も遅く、全ての泳ぎ方の中で最も古いものと考えられている。
石器時代の洞窟画にも、平泳ぎをする人が描かれているほどだそうです。
The history of breaststroke goes back to the Stone Age, as for example pictures in the Cave of Swimmers near Wadi Sora in the southwestern part of Egypt near Libya.
平泳ぎの歴史は石器時代まで遡り、例えばエジプト南西部、リビアに近いワディ・ソラ近郊にある「水泳選手の洞窟」に見ることができる。
近代オリンピックが盛んになる少し前までは、泳ぐといえば平泳ぎのこと。顔を水中に入れて泳ぐという発想がなかったため、第1回のオリンピックでは、全員が顔を上げっぱなしの平泳ぎでその速さを競ったそうです。
背泳ぎやクロールが発展した後も、平泳ぎは「歴史ある優雅な泳ぎ方」と尊重されたため、独立した種目として守られることに(背泳ぎやクロールは、水をバチャバチャするので優雅じゃない!とされたそうです)。
平泳ぎはバタフライの生みの親
しかし、20世紀中盤、平泳ぎにも近代化の波が訪れます。アイオワ大学の水泳コーチ、David Alvin Armbruster(デイビット・アルバン・アームブラスター)が、平泳ぎの大きな弱点である「水中で腕を前に伸ばす動き」にメスを入れたのです。
In 1934 Armbruster refined a method to bring the arms forward over water in breaststroke.
1934年、アームブラスターは平泳ぎを、水の上で腕を前に出す方法に改良した。
水の中で腕を伸ばすと抵抗が大きいなら、水から腕を出したらいいじゃない?という発想の大転換。これが、後の「バタフライ」へとつながります。
While this ”butterfly” technique was difficult, it brought a great improvement in speed.
この「バタフライ」の技術は難度が高かったが、速度に大きな改善をもたらした。
その後、足の使い方やキックとストロークのリズムなど、いろいろなバリエーションが生み出されつつ、バタフライが進化。
バタフライ系の泳者が増える中、「それもう平泳ぎじゃないし!」「やっぱり平泳ぎを守ろうぜ!」と伝統派の声が強まり、バタフライが別の種目にされたそうです。
今回の記事はWikipediaを参考にまとめました。すごく面白いのでオススメです。
おまけ:平泳ぎのコツがわかるオススメ動画
すっかり本格的な夏になったので、プールや海で泳ぐことがあったら、ぜひその歴史に思いを馳せつつ平泳ぎに挑戦してみてください。適当に泳ぐのは簡単だけどきちんとマスターするのは一番難しい、ともいわれる平泳ぎですが、そのコツは動画で見るのがオススメです。
例えばこちらのGoSwimは、フォームのコツやドリルなどがとても充実していておすすめです!
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