「十人十色」は英語でなんて言う?

「十人十色」という言葉は、それぞれの人が異なる性格や好み、価値観を持っていることを表す日本語の成句です。この日本独自の表現を英語でどのように伝えればよいのでしょうか。いくつかの表現とその例文を紹介します。

「十人十色」とは?

「十人十色」は、日本語の成句で、直訳すると「十人いれば、十の色がある」という意味になります。

この表現は、人それぞれに異なる性格、好み、価値観などがあることを示しています。文字通りに理解すると、10人の人々がいれば、10種類の異なる色や特徴が存在するということを示唆しています。実際には、この成句は「人の数だけさまざまな考えや感じ方がある」という意味合いで使われます。

「十人十色」は英語で?

「十人十色」と同様の意味を英語で表現するには、次のようなフレーズが使用されることがあります。

everyone has their own taste

everyone has their own tasteは、直接的に「各人が自分の好みを持っている」という意味を伝える表現です。

I can’t see the appeal of that kind of music, but everyone has their own taste.
私にはその種の音楽の魅力がわからないけれど、十人十色だね。

to each their own

to each their ownも、各人が独自の好みや意見を持っていることを認め、尊重するニュアンスを持っています。

I don’t understand why he likes that movie, but to each their own.
彼があの映画を好きな理由がわからないけれど、十人十色だね。

different strokes for different folks

このフレーズも「十人十色」と同じ意味合いを持ち、異なる人々が異なる好みや考えを持っていることを示しています。

She prefers the mountains while he prefers the beach – different strokes for different folks.
彼女は山を好み、彼はビーチが好き――十人十色だ。

「十人十色」を英語で説明してみる

この言葉を英語でどう説明したらよいか、簡単にまとめてみました。

The Japanese phrase “十人十色” (junin toiro) can be a bit challenging to convey directly in English. Its literal translation is “ten people, ten colors,” implying that just as there are many colors, there are many individual personalities or perspectives. This phrase celebrates the idea that every person is unique and has their own preferences, values, and way of thinking. A close English equivalent might be “different strokes for different folks” or “to each their own,” although neither captures the colorful imagery of the original phrase.

日本語の成句「十人十色」(Jūnin toiro)は英語で直接的に伝えるのが少し難しいです。文字通りに訳すと「10人、10の色」となり、多くの色があるように多くの個性や視点があることを示唆しています。このフレーズは、すべての人がユニークであり、自分独自の好み、価値観、考え方を持っているという考えを称賛するものです。近い英語の言い回しとしてはdifferent strokes for different folksやto each their ownがありますが、元のフレーズのカラフルなイメージを完全に捉えるものではありません。

「十人十色」と似た意味を持つその他の表現

「十人十色」と似た意味合いを持つ英語表現には、以下のようなものもあります。

beauty is in the eye of the beholder

このフレーズは、「美しさや価値は見る人の主観による」という意味です。もちろん、人それぞれの視点や価値観の違いを強調していますが、「十人十色」の全般的な好みや考え方の違いを指すよりも、特に「美しさ」や「魅力」に焦点を当てた表現です。

Some people think modern art is strange, but beauty is in the eye of the beholder.
一部の人々は現代美術を奇妙だと考えるかもしれないが、美は鑑賞する人の目に宿る。

one man’s meat is another man’s poison

このフレーズは、「ある人にとっての良いものが、別の人にとっては悪いものである」という意味で、好みや価値観の相対性を示す表現です。

He loves horror movies, but I can’t stand them – one man’s meat is another man’s poison, as they say.
彼はホラー映画が好きだけど、私はそれを我慢できない――十人十色って言われるみたいにね。

まとめ

「十人十色」という日本語の表現を伝えるための英語のフレーズや成句を紹介しました。英語にはさまざまな表現があり、文脈や状況に合わせて最も適切なものを選び、人々の多様性や個性を尊重する心情を表現してみてください。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

英語を学び、英語で学ぶための語学情報ウェブサイト「ENGLISH JOURNAL」が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。 単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

英文校正:Peter Branscombe

トップ写真:Alexander Grey from Unsplash

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